2600ダウン症のある子どもの離乳食から食事へ
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P121311食べる機能を知るための実習 準備するもの 生後6か月頃,母乳やミルクだけで栄養を摂っていた赤ちゃんが,いよいよ食事を始めます.とはいえ,私たちと同じように食べることができるようになるのは,まだまだずっと先のこと.母乳やミルクを飲むときの口の動きと,スプーンから取り込んで食べる動きは全く異なるため,赤ちゃんにとって「食べること」はとても難しい行為なのです.本章では,赤ちゃんにとってとても難しい,「私たちの食べ方」を確認したいと思います.離乳食の目的は “私たちと同じように食べる” 練習をすることです.最初から同じように食べることができないため,そのまま飲み込めるドロドロのペースト食から始め,徐々に形のあるものへ,硬いものへと進めていきます.私たちが食べ物をどんなふうに口に入れているのか,口の中に入った食べ物をどのように喉に送り込んでいるのか,そのまま飲み込めないものはどのように飲み込みやすい形状に変えていくのか,それぞれの段階で,唇や舌,顎,頬はどのように動いているのか―普段,全く意識することはありませんが,それらを知ることで,離乳食のときにどんなふうにスプーンを口に入れたらよいのかなど,お子さんが食べ方を学んでいくための介助のヒントがみつかるはずです.また,自分の食べ方を知ったうえで,お子さんの食べ方を観察したり,真似してみたりすると,お子さんにとって何が難しいのかを理解することにもつながります.では,早速,以下の用具,食べ物を準備し,実際に食べながら確認してみましょう.①鏡(食べている自分の顔をみるためのもの)②食具(スプーン,コップ,ストロー)③食べ物(ヨーグルト,おせんべい)/飲み物(水,お茶など)⇨ 離乳食期の目標は,私たちと同じように食べられる口の基礎を育てることです.ointどうして大人の食べ方を確認するのでしょう?食べて確認してみましょう!食べる機能を知るための実習

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