2600ダウン症のある子どもの離乳食から食事へ
9/10

赤ちゃんは唇を使うことに慣れていないため,母乳やミルクを飲むときの乳首のように,スプーンを舌の上に置き,口の奥に引き込もうとします.離乳食の初期は,唇を使うことを練習する大切な時期です.唇で「あむっ」とスプーンを捉えやすいように介助の練習をしましょう.また,飲み込むとき,舌を口蓋に押しつけることができず,前方に出すことがあります(乳児嚥下).舌の力がついてくると徐々におさまってきますが,それまで,下唇や顎を支える介助を続けてみてください(「4.離乳食・食事の進め方」図6,p.22参照).15食べる機能を知るための実習②舌と口蓋でスプーンを挟み,そのままスプーンを抜きます.  ➡スプーンが前歯に引っかかりませんか?  ➡口唇でヨーグルトをすべて擦り取れましたか?  ➡ 口の中のヨーグルトの位置は,普段より少し奥にあるような気がしませんか?・唇はどうなっていますか?・おせんべいの欠片はこぼれましたか?③かじり取ったおせんべいを咀嚼します.・舌はどんなふうに動いていますか?・唇は開いていますか? 閉じていますか?・顎,頬はどのように動いていますか?④口を開けておせんべいの様子をみてみましょう.・噛み砕かれたおせんべいはどんな様子ですか?⑤十分に咀嚼できたら,飲み込みましょう.・舌はどこにくっついていますか? どんな動きをしていますか?スプーンで食べるヨーグルトとは異なり,おせんべいは口に入ると同時に上下の歯で,かじり取られます.このとき,唇はおせんべいの欠片がこぼれないよう,しっかり閉じようとしたり,内側に巻き込むように動いたりします.おせんべいは,舌先で左右どちらかの臼歯の上に運ばれ,そのまま咀嚼されます.そして,舌の上① ヨーグルトをすくったスプーンを舌の上に置き,口を閉じます(図2).図2 スプーンを舌の上に置いてしまう b おせんべい(離乳食後期以降:固形物をかじり取って食べる)※赤ちゃんせんべいがなければ,一般の柔らかいおせんべいでかまいません.①手で持ち,口に運びましょう.②一口分,前歯でかじり取ります.よくある子どもたちの食べ方①

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る