お!● 「精神的評価」「子供や親との関係の構築」「不安の軽減」「子供との絆を強くするスキルを伝える」ということを常に行っていくしている原因を除去する188「子供の心は治すものではない」ということを,まずはお伝えします.子供の診療にあたって大事なことは,「本人の生きづらさ(成長)を邪魔しているものを取り除いていく作業をする」とイメージすることだと思います.「治す」とか「修正する」という表現は馴染まない分野だと思っています.子供は大人よりも言いたいことを上手に伝えられなかったり,言葉を誤用していたりと,大人と違う世界で生きています.まずは大人とは違うコミュニケーションを用いているという視点をもつことが大切です.たとえば,大人は病院という専門施設に安心するかもしれませんが,子供にとっては,病院は注射をされる嫌な場所なのかもしれません.遺糞症の治療といっても,身体管理に関しては小児科の先生が診療されていることが多いかと思います.多くの研究や教科書でも身体管理に関しては記載されていますが,精神的な診療について記載が割かれているものは少ないようです.一方で,児童精神科が診療する遺糞症の子は何らかの精神障害があるから児童精神科に来院しています.では精神科では何をすればよいのでしょうか.本項ではゴールを3つ呈示します.基本的にはゴール1から始まりますが,同時並行で行うことであると思ってください.まるわかり!● 子供の問題となる行動を修正するのではなく,行動を引き起こ児童精神科医の視点角田 智哉3
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