26084つの視点でまるわかり!遺糞症・便失禁AtoZ
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文献 vii1) Hyams JS, et al.: Childhood functional gastrointestinal disorders: child/adolescent. Gastroenterol‑ogy 150: 1456-1468, 20162) Koppen IJN, et al.: Management of functional nonretentive fecal incontinence in children: Rec‑ommendations from the International Children’s Continence Society. J Pediatr Urol 12: 56-64, 2016できます.「Rome IV診断基準」では,機能性便秘症と機能性非滞留性便失禁=“functional nonretentive fecal incontinence”は,機能性排便障害=“functional defecation disorder”として同じカテゴリーに分類していますが,別の疾患として明確に区別しています.「便失禁」と述べた場合には,たとえば,急性胃腸炎による下痢のために便を漏らしてしまった,潰瘍性大腸炎の症状が増悪したために便を漏らしてしまった,などの一過性(急性)の症状を指すこともあります.「Rome IV診断基準」では,「少なくとも1か月症状が持続する」ことが,非滞留性便失禁の診断基準に含まれています(2章1-表2-5,p.74参照).国際小児禁制学会(International Children’s Continence Society:ICCS)による小児機能性非滞留性便失禁の管理に関する推奨でも,「Rome IV診断基準」に準じて「少なくとも1か月症状が持続する」こととしています2).本書では,おもに1か月以上症状が持続する慢性の病態を扱い,必要に応じて,急性の病態に関して記載することとしました.(十河 剛)

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