2622発達障害を人類学してみた
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こが一律でなければならないのか、という主張だった。こうした議論はしばしば、日本の教育の柔軟性のなさに対する批判にもつながっていった。その後、DAISYの普及などの技術的な発展や、拡大教科書の使用推進や大学入試共通テスト(旧センター試験)における時間延長の配慮などの制度面での改善、そして何より二〇一六年に施行された障害者差別解消法による学校での合理的配慮の法制化など、さまざまな面での整備が進んでいる。それぞれの子どもの特性にあった学びのスタイルを採用することには、以前と比べれば障壁が少なくなっているといえるのだろう。ただ、加藤くんと相原くんは行動や社会性の面でも困難を抱えていた。特に小学校の低学年  くなってしまったのだという。「またなくしちゃったの?」と私が聞くと、「そうだよ!においてはそうしたことは学習と同じかそれ以上に重きを置かれるところだ。たとえば、鉛筆や消しゴム、教科書、上履きなど、子どもたちのすべての持ち物は入学時に親が記名していて、学校では自分の持ち物を責任もって管理することを教えていた。加藤くんはこれが大変に苦手だった。ある日、赤鉛筆を床に落としたらしく、休み時間に机の下にもぐって探していた。すると友達が走り寄ってきて一緒になって探し始めた。私がどうしたのかと声をかけると、加藤くんは授業中に自分の赤鉛筆が見当たらなかったので、その友達の赤鉛筆を借りて、それがななんでも三秒でなくすからね!」と得意げに言うので思わず吹き出してしまった。すると加藤僕は88

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