2629看護・医療系スタッフのための質問紙作成ワークブック改訂第2版
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 表4—1のコードに従ってExcelにデータを入力していきます.この際,注意すべきことは,個人のデータは縦方向(列)に,変数名は横方向(行)に入力していきます.付録のサンプルデータ①には,IDという変数がありますが,これは対象者の識別番号を示します.質問紙には番号が振ってありましたので,その番号を対象者の「ID」とみなしました.研究の目的が,介入効果の検討の場合には,「介入の有無」をデータとしておくことが大切になりますので,その変数も作成してみました(図4—1をご覧ください). ちなみに,データの読み方ですが,一人ひとりのデータは横方向に読んでいきます.108 収集したデータのまとめ作業をするためには,Excelなどの表計算ソフトに入力しておくと便利ですね.データを入力する前に,いくつか行うべき作業がありますので,簡単に説明します. まず質問紙に記入されている回答が,きちんと回答されているかどうか,1ページ目からていねいにみていってください.回答の選択肢に○をつけてもらった場合に,どこに○がついているかわからないこともあるかと思います.その回答は未回答(欠損値)として扱いましょう. 次に,質問紙に使用されている回答の選択肢をコードに置き換える作業をします.第2章2.8どのようにして回答の選択肢を作る?(p. 35)で説明しました,コード化です.ただし,すでに「1.男性 2.女性 3.答えたくない」というように回答の選択肢に番号がついている場合には,コード化の作業は必要ありません. 付録のサンプルデータ①では,次のような作業を行いました.性別の男は0,女は1,答えたくないは999と置き換えました.年齢は,数量尺度でしたので,そのままにしました.婚姻歴は,独身は0,既婚は1,離婚は2,死別は3と置き換えました.次に職業の有無ですが,職業なしは0,職業ありは1と置き換え,学歴は,中学校卒は0,高等学校卒は1,専門学校・短期大学卒は2,大学・大学院卒は3と置き換えました.変数名「睡眠時間(分)」,「身体QOL」,「社会的開示」はいずれも数量尺度ですので,そのままにしました.未回答があった場合には「999」と入れることにしました.このような変換表をコード表とよびますが,コード表を作成し,何をどのように変換したのかをわかるようにしておくことも大事です(表4—1に付録データのコード表を示します). 2 データ入力第4章 データをまとめよう対象者の背景情報は必ずまとめよう~記述統計 1 質問紙上の回答確認とコード化4.1

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