診断と治療
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2023年 Vol.111 No.1 2023-01-10
知っておきたい肝胆道疾患診療の最近の話題
定価:2,970円(本体価格2,700円+税)
ねらい 今枝博之
◆総論
血液検査での肝機能の読みかた 本多 靖,他
腹部超音波検査の進歩 小川眞広
肝胆道疾患と腸内細菌 市川将隆,他
◆各論:非腫瘍性疾患
B型肝炎 鈴木文孝
C型肝炎 阪森亮太郎,他
薬物性肝障害 星川恭子,他
NAFLD/NASH 徳重克年
アルコール関連肝疾患(アルコール性肝障害) 池嶋健一
自己免疫性肝炎 海老沼浩利
原発性胆汁性胆管炎(PBC) 松本康佑,他
原発性硬化性胆管炎(PSC) 水野 卓,他
急性肝不全とACLF 持田 智
肝硬変 赤羽たけみ,他
門脈圧亢進症 日高 央,他
胆囊結石,急性胆囊炎 中井陽介
胆管結石,急性胆管炎 宮口和也,他
◆各論:腫瘍性疾患
肝細胞癌 安井 豊,他
肝内胆管癌 井上亨悦,他
胆道癌 中岡和徳,他
連 載
心電図は1枚の窓
心房細動に対するカテーテルアブレーション治療後の動悸 折田義也
注目の新薬
ステルイズ®(ベンジルペニシリンベンザチン水和物) 荒川創一
医療裁判の現場から
担当外の患者のカルテを閲覧し,その内容を第三者に漏洩した医師に,プライバシー侵害による損害賠償責任が認められた事例 笹山桂一
昨今,様々な診療ガイドラインが公表されて,なかには改訂版もみられており,診療ガイドラインも日進月歩に進化しております.しかし,多忙な日常診療の現場においてはそれらを通読することはしばしば困難なことがみうけられます.実際の患者の診療に直面して,その都度,診療ガイドラインを参考にして対処することも多いのではないかと思われます.消化器疾患の診療といっても上部・下部消化管疾患から肝疾患,胆道疾患,膵疾患など幅広い領域をカバーしております.そのなかでも肝胆道疾患診療にはB型肝炎,C型肝炎,薬物性肝障害,アルコール性肝障害,非アルコール性脂肪性肝疾患や,自己免疫性肝炎,原発性胆汁性胆管炎,原発性硬化性胆管炎といった自己免疫的機序などから起きる肝疾患,胆嚢結石・胆嚢炎や胆管結石・胆管炎といった良性疾患から,肝細胞癌,肝内胆管癌,胆嚢癌や胆管癌といった悪性疾患まで各学会から多数の診療ガイドラインが公開されております.
そこで本特集では,それぞれの疾患のエキスパートの先生方に各疾患の最新診療ガイドラインのポイントや改訂点とともに知っておきたい最近の話題もまじえてわかりやすく解説していただきました.総論としては血液検査の読みかた,腹部超音波検査の進歩,最近話題の腸内細菌と肝胆道疾患とのかかわりに関したテーマをあげ,各論では上記の疾患のほかに急性肝不全,肝硬変,門脈圧亢進症といった病態を加えた項目立てとしました.肝胆道疾患のおおよその疾患を網羅しておりますので,一度通読していただきますと,最新の診療の動向を把握していただくことが可能と考えます.
本特集は一般内科医の先生方のみならず,消化管疾患専門の消化器内科,消化管内科の先生方にも有益となるような内容となっておりますので,先生方の本日からの日常診療の一助となりましたら幸いに存じます.
埼玉医科大学消化管内科
今枝博之