2588先天代謝異常症クリニカルファイル
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Mムコ多糖症1. 他のMPS:II,VI型等.2. 他のライソゾーム病:ムコリピドーシス(ML),マルチプルスルファター1欧文名別名原因遺伝子有病率・発生率等診断契機臨床病型主症状・症候有用な検査一般検査特殊検査尿中ムコ多糖分析(定量,定性).鑑別診断確定診断mucopolysaccharidosis type I(MPS I)Hurler症候群α-L-イズロニダーゼ(IDUA)1. 有病率:北アイルランドでは2.6万人に1人,ドイツでは10万人に1人,オーストラリアでは16.5万人に1人,日本では43万人に1人,ポーランドでは45.4.万に1人,スイスでは52.6万人に1人,米国では142.8 万人に1人.2. 発生率:台湾では14.9万人に1人,米国では38.4 万人に1人[新生児マススクリーニング(NBS)の結果に基づく推定].1. NBS.2. ムコ多糖症(MPS)I型の主症状を主訴とした外来受診.3. 家族歴・家系検索 など1. 臨床病型:従来,Hurler症候群(重症型),Hurler-Scheie症候群(中間型),Scheie症候群(軽症型)と分類されてきたが,明確な定義や分類法はない.近年は治療選択や予後の観点から,重症型と軽症型に分類される.重症型は乳幼児期より症状が顕在化し,中枢神経系を含めた進行性の多臓器障害を伴い,10歳前後に死亡する.軽症型では発症時期は様々であり,中枢神経系を含めた多臓器障害がない,または軽度で進行が緩徐であり,予後も様々である.2. 主症状:特異顔貌(大頭,鼻根部平坦,広がった鼻翼,口唇・耳介・舌の肥厚),肝脾腫,骨形成不全(dysostosis multiplex),突背(腰背部の脊柱後弯症),関節拘縮,鷲手変形,眼症状(角膜混濁,緑内障,網膜色素変性),心弁膜症,難聴,反復性中耳炎,反復性上気道炎,扁桃・アデノイド肥大,睡眠時無呼吸発作),中枢神経症状(水頭症,精神発達遅滞),鼠径・臍ヘルニア,異所性蒙古斑.全身骨X線検査,心電図検査,心臓超音波検査,頭部・椎体MRI検査,上腹部CT検査.ゼ欠損症(MSD),αマンノシドーシス.3. 過成長を伴う奇形症候群:ソトス症候群,ベックウィズ・ヴィーデマン症状群など.1.白血球中α-L-イズロニダーゼ(IDUA)活性低下の証明.ムコ多糖症I型428

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