2588先天代謝異常症クリニカルファイル
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22第II部疾患プロファイル編——Mムコ多糖症2.IDUA遺伝子における既知の病的バリアントの同定.1. ムコ多糖症(MPS)I型診療ガイドライン2021(日本先天代謝異常学会)2. ライソゾーム病・ペルオキシソーム病 診断の手引き(厚労省研究班,3. 心弁膜症:薬物療法,弁置換術.4. 鼠径・臍ヘルニア:外科的根治.5. 脊椎形成不全,重度の股・膝関節変形,手根管症候群:整形外科的手術.6. 角膜混濁:角膜移植.7. 水頭症:脳室−腹腔シャント.1. 重症型:適切な治療が受けられない場合,10歳までに心・呼吸不全で死亡2. 軽症型:重篤な合併症によって10〜20代に死亡する者から,健常者と同2. 発生率:台湾では2.4万人に1人,米国では38.4万人に1人[新生児マスス国内ガイドライン等治療合併症とその治療予後医療費助成制度欧文名別名原因遺伝子有病率・発生率等診断契機臨床病型主症状・症候4291. 酵素補充療法(ERT):ラロニダーゼ(遺伝子組換え)(アウドラザイム®)が保険収載されている.2. 造血幹細胞移植(HSCT):重症型に適応がある(特に月齢24か月未満で1. 慢性中耳炎,難聴:鼓膜チューブ挿入や補聴器.2. 睡眠時無呼吸発作:扁桃・アデノイド切除,経鼻的持続陽圧呼吸(CPAP)療法.する.早期に造血幹細胞移植を受けた場合,予後の改善が期待できる.じ寿命を送る者まで様々である.1. 小児慢性特定疾病.2. 指定難病.クリーニング(NBS)の結果に基づく推定].1. NBS.2. ムコ多糖症(MPS)II型の主症状を主訴とした外来受診.3. 家族歴・家系検索 など1. 臨床病型:重症度や病型の明確な定義や分類法はないが,一般的に重症型と軽症型に分類される.重症型は乳幼児期より症状が顕在化し,中枢神経系を含めた進行性の多臓器障害を伴い10歳前後に死亡する.軽症型では発症時期は様々であり,中枢神経系を含めた多臓器障害がない,もしくは軽度で進行が緩徐であり,予後も様々である.遺伝形式はX染色体潜性(劣性)遺伝であり,基本的に患者は男性である.2015)DQ 70以上の患者で推奨される).mucopolysaccharidosis type II(MPS II)Hunter症候群イズロン酸-2-スルファターゼ(IDS)1. 有病率(10万人当たり):ドイツでは0.64人,北アイルランドでは0.71人,ポーランドでは0.46人,スイスでは0.46人,ポルトガルでは1.09人,台湾では1.07人,日本では0.84人,オーストラリアでは0.74人,米国では0.29人,メキシコでは0.15人,ブラジルでは0.48人.ムコ多糖症II型ムコ多糖症II型

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