Part 症状(主訴)からのアプローチ2 1胸痛問診身体所見行うべき検査さらに鑑別に必要な検査(バイタルサイン,胸部診察)心電図胸部X線採血心臓超音波検査胸部CT(単純,造影)肺換気血流シンチ*3腹部X線腹部超音波検査腹部CTなどA.バイタルサイン(血圧,脈拍,体温,呼吸,意識状態) •バイタルサインに著明な異常があれば致死的な疾患を念頭において,問診を簡潔に行い,気道確保,酸素吸入,静脈路確保,心電図モニター装着,動脈血ガスなどを速やかに行う.バイタルサインに著明な異常がある場合胸痛における診断2)~5)のためのフローチャートを図1に示す.気道確保,酸素吸入,静脈路確保,心電図モニター,動脈血ガスなどを速やかに行う(血算,生化学スクリーニング,CRP,プロカルシトニン,トロポニンT*1,D-dimer*2など)*1 トロポニンT:心筋の構造の一部をなすタンパク.心筋が損傷した場合に血中へ出る.*2 D-ダイマー:血栓が線溶によって分解されたときに血中に出てくる.*3 肺換気血流シンチ:肺の血流分布をみる肺血流シンチと肺のガス交換をみる換気シンチとを組み合わせ,換気と血流の分布が崩れている換気血流ミスマッチなどを見つけることができる.31図1 胸痛における診断のためのフローチャート6.胸痛診察のポイント
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