2628感染症ファーストタッチ
4/8

1 2 A.ビリダンスレンサ球菌(viridans streptococci) •口腔内常在菌で,多くはα-溶血である. •感染性心内膜炎 •臨床的には,グラム陽性レンサ球菌に分類される.顕微鏡下で連鎖状に見えるため,「連鎖状の」という意味の“strepto-”と「球菌」を意味する“-coccus”の合成による属名.生化学的にカタラーゼテスト陰性で,これがブドウ球菌との鑑別となる. •血液寒天培地の溶血性によりα(不完全溶血),β(完全溶血),γ(非溶血)の3つがある.αには肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae p.276 )のほか,ビリダンスレンサ球菌(viridans streptococci)の一部,βにはA群β溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes p.278 ,B群溶血性レンサ球菌(Streptococcus agalactiae)など,γにはビリダンスレンサ球菌(viridans streptococci)の一部がある.p.178 の主要な原因菌で,その他は白血球減少に伴う菌血 ●口腔内(ビリダンスレンサ球菌など)や直腸・腟(B群溶血性レンサ球菌など)などの常在菌であるが,特定の対象患者に重症感染症(心疾患患者の感染性心内膜炎,免疫不全患者や新生児の菌血症など)を起こしうる. ●ペニシリン系抗菌薬などのβ-ラクタム系薬に対する耐性はない.p.259 とは定義が異なる.Part 3*1 菌血症:細菌が血液中に存在した状態.敗血症 274菌のおもな特徴外来で押さえておくべき病原微生物臨床で問題になるおもな菌種概念と分類1.レンサ球菌属(Streptococcus~) :肺炎球菌,A群β溶血性レンサ球菌を除く

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る