2632小児・成育循環器学 改訂第2版
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acabdba,b:MIP.c,d:曲面多断面再構成. 図2  川崎病による冠動脈瘤と石灰器を90度の角度で搭載して,同時に撮影とデータ収集を行う.時間分解能は約80 msと高く,被曝線量も低減されている.2対ある管球のX線照射量をそれぞれ変えることで,機能診断の可能性も期待されている.時間分解能が高く,小児でも息止めせずに良好な画像がえられ,心内腔評価も可能である4).❷CTAプロトコル 高精度の診断情報をえるためには専門的な知識と技術が必要である.CT血管造影(CTA)プロトコルには,患児の位置設定,心電図同期,鎮静,造影剤使用量,注入速度,撮影開始タイミング,ヘリカルピッチ,スライス幅,放射線曝化病変(11歳)図3  心房右側相同に伴う肺動脈閉鎖,両側動脈管,上心臓型総肺静脈還流異常,垂直静脈狭窄(日齢0)a:正面像,b:背面像.心外大血管のボリュームレンダリング画像.共通肺静脈腔共通肺静脈腔垂直静脈垂直静脈狭狭窄窄右動脈管右動脈管左動脈管左動脈管170向の空間分解能が3 mmと低く,CHDの形態診断への応用は発展しなかった1,2).ⅱ)多列検出器CT(MDCT):検出器が複数列あり,1回転で複数スライスの画像情報を収集する.次第に検出器の列数が増え,現在では最大320列になった.短時間で広範囲の撮影,細部にわたる画像情報の収集,高画質な再構成画像をえることが可能であり,成人の冠動脈評価には十分な時間・空間分解能がある1~3).マルチスライスCT(MSCT)とも呼ばれる.ⅲ)dual source CT(DSCT):2対の管球と多列検出

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