abcdE第Ⅱ章ⅠaVFV1HBE 1-2HBE 3-4HBE 5-6HBE 7-8HBE 9-10CS 1-2CS 3-4CS 5-6CS 7-8CS 9-10CS 11-12CS 12-13CS 13-14CS 15-16CS 16-17CS 19-20RVA 1-2RVA 3-4ⅡV1RA 19-20RA 17-18RA 15-16RA 13-14RA 11-12RA 9-10RA 7-8RA 5-6RA 3-4RA 1-2neo LA 1-2neo LA 3-4臨床検査8585230270193tricular‒atrial‒ventricular(VAV)の順で再開するが(図3下段),心房頻拍ではventricular‒atrial‒atrial‒ven-tricular(VAAV)の順で再開する. 潜在性nodo‒ventricular pathway(cNVP)(Mahaim fiber)頻拍ではPPI-TCL≦125ミリ秒,fusion波形が認められ,刺激中止後VVAで頻拍が再開するが,AVNRTではPPI-TCL>125ミリ秒,fusion波形は認められず,刺激中止後VAVで頻拍が再開することで鑑別が可能である2). VOP開始時に心室を捕捉しているが,頻拍が持続している(VA dissociation)場合にはORTの可能性は低く,QRS波形が徐々に刺激波形に変化する(transi-tion zone)場合にはORTの可能性が高い.ⅱ)心房オーバードライブペーシング(atrial over-drive pacing:AOP):頻拍中にAOPを加えると,刺激後AVNRTではatrial‒His‒atrial(AHA)で頻拍が再開するが,接合部頻拍ではatrial‒His‒His‒atrial(AHHA)で頻拍が再開する. 頻拍中に異なる心房の部位からAEPを加えると(differential AEP),刺激中止後の頻拍再開時にAVN-RT,ORTではventricular‒atrial(V‒A)時間はほぼ一定であるが(VA linking),心房頻拍では変動する(図4)3).❻リセット現象 ⅰ)His束不応期における心室期外刺激(His refractory PVCs:HRPVC):頻拍中に心室から期外刺激を加え,その連結期を徐々に短くしていき,①His束電位の記録された後に心室を捕捉している場合,②刺激したQRS波形がfusion波形の場合にはHRPVCと診断できる.頻拍中のA‒A間隔よりHRPVCを挟むA‒A間隔が短ければ,HRPVCが頻拍をリセットしたことになり,この逆伝導がAPであることを示す.注意点としては,①逆伝導心房興奮順位(retrograde atrial activation sequence:RAAS)が頻拍中とHRPVC後で変化している場合はbystander APの可能性がある,②RAASは変わらないがV‒A時間が延長している場合には減衰伝導特性を有するAPと診断できる,③V‒A伝導なしに頻拍が停止した場合はVA linkingが証明されORTと診断できる,④心室刺激部位がAPから離れている場合にはリセットは証明できない.ⅱ)His束不応期における心房期外刺激(His refrac-tory PACs:HRPAC):頻拍中に心房期外刺激を加えると,接合部頻拍ではHRPACは頻拍をリセットできないが,AVNRTではslow pathwayを介して次のHisを早期に興奮させるか,遅延させる.逆方向房室回帰頻拍(antidromic atrioventricular reentrant tachy-cardia:ART)でHRPACは次のVおよびHisを早期に興奮させる4).❼para Hisペーシング5) 逆伝導がAVNかAPかを鑑別するために用いられる.洞調律中にHis束記録部位を高出力(20 W)から刺激を始め,徐々に出力を下げていき,幅狭いQRS波形から,幅広いQRS波形に変化したところで刺激からRAASまでの時間(S‒A)を計測する.図4 differential atrial overdrive pacinga:頻拍中に冠静脈洞入口部からの連続刺激を行った.頻拍中止後頻拍は再開したが,そのときのV—A時間は85ミリ秒であった.b:同一症例で右房側壁からの連続刺激を行うと,刺激中止後のV—A時間も85ミリ秒と変化なかった.以上より,本例ではVA linkingがあると判断された(multiple APをもつ房室回帰頻拍症例).c:頻拍中にneo LAから連続刺激を行うと,刺激中止後のV—A時間は230ミリ秒であった.d:同一症例でRAから連続刺激を行うと,刺激中止後のV—A時間は270ミリ秒と延長し,本例ではVA linkingがないと判断された(大血管転位,Senning術後の心房頻拍).HBE:His束心電図記録部位,CS:冠静脈洞,RVA:右室心尖部,RA:右房,neo LA:neo left atrium
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