2632小児・成育循環器学 改訂第2版
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b: ショックリードを心外に留置.b�1:皮下にショックリードを留置,上腹部にジェネレータ.b�2①:心外膜にショックリードを留置,上腹部にジェネレータ.b�2②:心外膜,横静脈洞にショックリードを留置,上腹部にジェネレータ.b�3:胸膜にショックリードを留置,上腹部にジェネレータ.b�4:大動脈—肺動脈間にショックリードを留置,上腹部にジェネレータ.a-1b-2①b-3図2  小児循環器領域ICDショックリード植込みの工夫a: ショックリードを心内膜に留置.a�1:ショックリードを下大静脈でたるませる.a�2:右心耳を切開しそこからショックリーを留置するため,静脈アクセスが限定されている患者にも使用でき,開胸を必要としないため植込み侵襲も小さい.しかし,センシングは皮下リードで行われるためオーバーセンシングやアンダーセンシングなどのセンシング不良が起こりやすく,徐脈に対するペーシング機能を備えていない.また,成人用に製造されており,電池本体は2024年現在130 g,59 ccと大きく,皮下リードも成人の体格を想定してデザインされている.ACHDを含む小児循環器領域の報告では,リードの合併症や機器感染の発症率は低く,適切作動は11~26%,不適切作動は16~21%であった9,10). ●心臓再同期療法(CRT)❶一般成人領域でのCRT 一般成人領域でのCRTのa-2b-2②b-4適応となる疾患の多くは冠動脈疾患またはDCMで,主に左室内同期不全の改善を目的に行われる.その適応は確立されたものとなっており,2023年米国不整脈学会(HRS)/環太平洋不整脈学会(APHRS)/ラテンアメリカ不整脈学会(LAHRS)のガイドラインでは,左脚ブロック(LBBB)かつ左室駆出率(LVEF)≦35%の場合で,QRS幅が≧150または女性で120~149ミリ秒の場合はclass Ⅰの適応とされた6).ほとんどの場合,心内膜アプローチが選択され,ペーシングリードは右室心尖と,心静脈にそった右室心尖の対側・左室後側壁に留置される.様々なマス試験で中等度~重度の心不全患者において,約70%の患者でニューヨーク心臓協会(NYHA)分類≧1の改善があった.b-1584ドを挿入.

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