2639「もしも」に備える災害時こども支援ハンドブック
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1  最も大切,平時の備え……②患者・家族の備えいつもと違う状況で不安になります.スケジュールの変更や場所が変わることで落ち着きがなくなります.一方でスケジュールや予定,ルールが示され,それが理解できれば対応できることも少なくありません.想像力が弱いため,災害の怖さや避難の必要性がなかなか理解できません.「助けて」と言えない人もいます.したがって災害時には避難を促すことが必要です.コミュニケーションの困難さがあるため,災害時の安否確認に際して特に留意すべき点です.一斉に伝えるだけでなく個別の声かけが必要です.大きな声におびえたり,子どもの泣き声で耳をふさぐ,急に体に触れられることを嫌うなどの特徴があります.一方で痛みに鈍かったりすることもあるため,怪我にも注意が必要です.⑤ 避難所生活になじめない対人関係の困難さがあるため,人とのかかわりが苦手だったり,集団行動をとりにくかったりします.避難所ではパーテーションなどで自分の空間をつくることが大事です.ノートや紙に書いて「見える化」することが有効です.3 発達障害・知的障害のある子どもの備え① 変化に対する不安や抵抗が強い② 周りの状況を理解するのがとても苦手③ 困っていることがなかなか伝えられない④ 感覚過敏・感覚鈍麻がある⑥ 絵や写真,文字を使うと伝わりやすい⑦ 曖昧な表現よりも具体的な表現の方が伝わりやすいたとえば,「あそこ」ではなく,「玄関」と伝えたり,「2~3日」ではなく「3日」,「それ」ではなく「赤い箱」と伝えるなどの表現が望ましいです(図1).⑧ 決まったことを理解できればルール通りに行動できるルールを伝えれば集団のなかでも行動しやすいですので,まずはルールを具体的に伝えることからはじめましょう.図1 具体的に伝える29

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