搬送調整するときは，がすべて決まらないと搬送できません．それぞれの調整の考え方について，1つずつ考えていきましょう．搬送先，搬送予定時間等の項目を用いて作成します．そのなかから，本人の全身状態，搬送先が有している診療科，距離等を勘案して，優先順位をつけて決定していきます．たとえば，とても重症な場合は，遠方すぎると搬送途上に急変するリスクがあるため，先方に空きができて受け入れ可能となったとしても，搬送が難しいという状況が発生します（図1）．搬送調災害時の医療スタッフの動きの実際「誰を」「どこに」「どうやって」66医療搬送とは普段は重症患者を診ていない自分の医療機関に，重症患者が運ばれてくるのは災害時にはありうるシチュエーションです．そのときは，搬送可能な状態まで安定化させる初期対応を行い，対応可能な医療機関に搬送することになります．また，前項で説明したように，被災した医療機関が，ダメージコントロールのために搬送するということもあるでしょう．そのようなときに必要となるのが医療搬送です．医療搬送とは，医療の管理下において，モニタリングや治療を継続しながら搬送することをいいます．最終受け入れ先まで，間断なく医療を継続することが重要で，それが達成できないと多数の「防ぎ得た死」を発生させてしまう可能性があります．「誰を」搬送したい患者が複数いる場合は，一覧表を作成しましょう．氏名，年齢，性別，傷病名，Chapter 25医療搬送
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