2647アレルギー診療必携ガイド
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● 蕁麻疹は,短時間で消退する瘙痒を伴う膨疹が病的に出没する疾患で● 自発的に膨疹が出現する特発性の蕁麻疹と,特定の刺激で誘発される● 病型のなかでは特発性の蕁麻疹が占める割合が多く,6週間以内のも● 治療は非鎮静性第二世代抗ヒスタミン薬の内服が第一選択である.● 抗ヒスタミン薬による治療抵抗性の慢性蕁麻疹には抗IgE抗体オマリPart 1 アレルギー患者への対応96ある.刺激誘発型の蕁麻疹に大きく分類される.のを急性蕁麻疹,6週間以上経過したものを慢性蕁麻疹とよぶ.ズマブが効果的である.・蕁麻疹は膨疹(紅斑を伴う一過性,限局性の浮腫)が病的に出没する疾患であり,瘙痒を伴う.・通常の蕁麻疹に合併して,あるいは単独に,皮膚ないし粘膜の深部を中心とした限局性浮腫は,特に血管性浮腫とよばれる1).・蕁麻疹では,皮膚マスト細胞が何らかの機序により脱顆粒し,皮膚組織内に放出されたヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が皮膚微小血管と神経に作用して血管拡張(紅斑),血漿成分の漏出(膨疹),および瘙痒を生じる.・蕁麻疹におけるマスト細胞活性化の機序としてはⅠ型アレルギーが広く知られているが,実際には原因として特定の抗原を同定できることは少ない1,2).POINTアレルギー患者への対応Part 1基本情報蕁麻疹10

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