2650臨床研究の歩き方
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751.選択バイアス図2 偶然誤差とバイアスのイメージ然誤差に対しては研究の対象者や測定回数を増やすことで,研究データの推定値は真の値に近くなりますが,バイアスに対しては対象者や測定回数を増やしても推定値が真の値に近くなることはありません. 選択バイアスは,臨床研究で得られた結果を適用したい集団(母集団)と臨床研究の解析対象となった集団の違いによって生まれるものです.臨床研究も,国勢調査のように母集団の全員を調査の対象として実施することが理想ですが,実現することは不可能です.そのため,研究に参加する医療機関に通院する患者さんのなかから適格基準を満誤差図1 誤差の分類偶然誤差:小バイアス:小偶然誤差バイアス(系統的誤差)偶然誤差:大バイアス:小選択バイアス情報バイアス交絡偶然誤差:小バイアス:大バイアスの種類 バイアスは,細かく分類すると数十種類以上にもなるといわれています.本書では代表的なものとして「選択バイアス」「情報バイアス」「交絡」の3つに分類します(図1).

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