2651健康寿命を考えた日常頻用薬の選び方・使い方
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179㊴心・腎・肝保護を目指したSGLT2阻害薬の適切な使用方法は?内分泌代謝疾患 糖尿病  SGLT2阻害薬前項の心血管イベント,腎イベント抑制効果を受けて,米国糖尿病学会(American Dietetic Association:ADA)の2023年ガイドラインにおいては,動脈硬化性心血管疾患やハイリスク指標がある場合には,GLP-1受容体作動薬と並んでSGLT2阻害薬の投与が推奨されています.さらに心不全症例においては,HFrEF(heart failure with reduced ejection fraction;心機能が低下している心不全)およびHFpEF共にSGLT2阻害薬が推奨されており,CKD症例においても,GLP-1受容体作動薬に優先してSGLT2阻害薬が推奨されています7).eGFRが低下するとSGLT2阻害薬の血糖低下作用自体は減弱します.一方,EMPA-KIDNEY試験において,eGFR 20 mL/分/1.73 m2以上30 mL/分/1.73 m2未満の症例でも,SGLT2阻害薬は,腎複合アウ積極的にSGLT2阻害薬を投与すべき症例はpointpoint 22表1 糖尿病治療薬によるNASH病理スコアの改善(既報RCTの比較)肝病理スコアの改善率介入期間脂肪化肝細胞風船様変性炎症線維化Belfort R, et al., 2006 プラセボ ピオグリタゾン(チアゾリジン)24週24週38%65%24%54%29%65%33%46%Armstrong MJ, et al., 2016 プラセボ リラグルチド(GLP-1受容体作動薬)48週48週45%83%32%61%55%48%16%26%Newsome PN, et al., 2020 プラセボ  セマグルチド0.1 mg(GLP-1受容体作動薬)  セマグルチド0.2 mg(GLP-1受容体作動薬)  セマグルチド0.4 mg(GLP-1受容体作動薬)72週72週72週72週26%53%60%63%39%53%71%74%26%41%47%38%31%46%32%43%Takeshita Y, et al., 20226) トホグリフロジン(SGLT2阻害薬) グリメピリド(SU薬)48週48週65%30%55%25%50%15%60%35%

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