2653糖尿病・内分泌疾患ベストプラクティス
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抗甲状腺薬と無機ヨウ素の併用療法時の薬剤減量の方法OLUMN 20 20 20 20 20 20 20 20 20 20CCCOLUMNOLUMNOLUMNOLUMNOLUMNOLUMNOLUMNOLUMNOLUMN無痛性甲状腺炎と亜急性甲状腺炎は破壊性機序によるものであり,抗甲状腺薬は用いない.しばしば自然寛解するため,1~2週間の経過を追うことが多いが,甲状腺中毒症による症状緩和を図ってβ遮断薬(プロプラノロール,ビソプロロール,アテノロールなど)を用いることもある.亜急性甲状腺炎では,頸部痛がごく軽度の場合は非ステロイド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drug:NSAID)を投与することもあるが,ほとんどの場合,副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン:PSL)を用いる.原則として,Basedow病以外の甲状腺中毒症には用いない.またBasedow病に対する薬物療法では,妊娠初期を除き,プロピルチオウラシル(PTU)より力価の高いチアマゾール(MMI)が第一選択となる.「バセドウ病治療ガイドライン2019」4)では,初診時のFT4値が5 ng/dL以上か未満かで,それぞれ重症例,軽症・中等症例に分けるが,抗甲状腺薬の重篤な副作用である顆粒球減少症がMMIの用量依存性に発生することから,重症例,軽症・中等症例のどちらの群にも初期投与量としては15 mgを用い「バセドウ病治療ガイドライン2019」では,FT4値5 ng/dL以上の重症例にはMMI 15 mgに加えて,KI 50 mgの併用が推奨されているが,症状改善に伴う減量の具体的な方法については記載がない.活動性のあるBasedow病では,KIが効かなくなって甲状腺中毒症が再燃する「エスケープ現象」は起こりにくく,KIは比較的長期にかつ安全に使用できる.したがって副作用の観点から,まずMMIを減量していき,MMI 5 mg/日で甲状腺機能がTSHを含めて正常を維持できれば,その後,KIを漸減するのがよい.とくにTRAb高値の症例,甲状腺腫が大きい症例ではKIを減量,もしくは中止すると甲状腺中毒症が急激に悪化することがあり,なるべく慎重にKIを減量する. 1 抗甲状腺薬(チアマゾールとプロピルチオウラシル)の使い方 1 抗甲状腺薬(チアマゾールとプロピルチオウラシル)の使い方 1 抗甲状腺薬(チアマゾールとプロピルチオウラシル)の使い方 抗甲状腺薬(チアマゾールとプロピルチオウラシル)の使い方206 05 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 05 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 05 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは? 治療は?薬をどう使う?処方のコツは?治療の目的は甲状腺中毒症の是正,すなわち甲状腺ホルモン値の正常化である.そのうえで,Basedow病に対する治療法には,①薬物療法,②外科手術,③放射性ヨウ素内用療法(アイソトープ治療),があり,後者2者を根治療法という.わが国でもっとも多く行われ,第一選択となっているのは薬物療法である.

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