2甲状腺・副甲状腺疾患①FT4値が5 ng/dL未満の軽症・中等症Basedow病例メルカゾールⓇ 5 mg錠(チアマゾール)1回3錠 1日1回 朝食後②FT4値が5 ng/dL以上の重症Basedow病例メルカゾールⓇ 5 mg錠(チアマゾール)1回3錠 1日1回 朝食後かつヨウ化カリウム丸Ⓡ 50 mg(ヨウ化カリウム)1回1錠 1日1回 朝食後処方例甲状腺中毒症処方例る.重症例では,MMIに無機ヨウ素(ヨウ化カリウム:KI)を併用することが推奨されている1)(COLUMN 20).薬物治療中に妊娠を予定する場合には,MMIからPTUに切り替えておく.また劇症肝炎の危険性などから,小児例には原則,PTUは用いない.MMI開始後2か月間(8週間)は,顆粒球減少症(無顆粒球症)や重篤な肝機能障害の発症率が高いため,2週間ごとに白血球分画と肝機能を含む血液検査を行う.MMI開始後,激しい咽頭痛と38℃以上の発熱を認めた場合は無顆粒球症の可能性があり,MMIの服薬を中止して通院している医療機関に連絡するように患者に指導する.また著明な白血球減少や重篤な肝機能障害を認めた場合,治療初期では,肝機能障害は甲状腺中毒症自体で生じている可能性もあるため,MMIの中止・減量には注意を要する.MMIの副作用で生じている場合には,PTUへ変更するのではなく,まずはKIのみの投与として様子をみる( Case Study ).また,治療初期にみられる皮膚瘙痒感や蕁麻疹様の皮疹には,フェキソフェナジンなどの抗アレルギー薬で対応できることが多い.アレグラⓇ錠 60 mg(フェキソフェナジン)1回1錠 1日2回 朝・夕食後治療効果判定と抗甲状腺薬の減量のめやすに決まったものはないが,まずはFT4が正常化するまでは初期投与量を継続する.FT4が正常化したのち漸減するが,最近MMI 2.5 mg錠が上市されたため,15 mgから12.5 mgへと細かく減量する.1日5 mgでコントロールが得られるようになったら,TRAbが陰性化するまでは同量で継続する.TRAb高値が遷延するようならば,あえて5 mgから減量する必要はない.1日10 mgであれば,長期に投与してもまず重篤な副作用は起こらないと考えてよい.1日5 mg13207
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