2653糖尿病・内分泌疾患ベストプラクティス
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2型糖尿病は,インスリンの作用不足によって慢性の高血糖状態が持続する症候群と定義される.インスリン作用不足は大きく分けて,①膵β細胞でのインスリン分泌の低下と,②肥満や肝障害などによってインスリンが効きにくくなる状態(インスリン抵抗性),とがある1). 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3 3 3 3 3 3 3 4 4 4 4 4 4 4 4 5 5 5 5 5 5 5 5 Clinical pearl & Pitfall 初診時は,まずインスリンの絶対的適応・相対的適応を判断する. 経口血糖降下薬は,禁忌でなければメトホルミンを必ず少量から開始する.ただし,①慢性心不全がある,②慢性腎臓病(CKD)がある,③動脈硬化性心血管(ASCVD)の既往があるかハイリスクである,のいずれかに当てはまる場合は,メトホルミン使用の有無にかかわらず,最初からNa+/グルコース共役輸送担体2(SGLT2)阻害薬を使用する. ①血糖コントロール(HbA1c),②血圧コントロール,③脂質コントロー ル,④禁煙,の4つがとくに重要であり,「A:A1c,B:blood pressure,C:cholesterol ,D:Donʼt smoke」の「ABCD」として,患者にもよく説明して覚えてもらう. 早期の眼科受診,推算糸球体濾過量(eGFR)と尿中微量アルブミン,下肢 振動覚とアキレス腱反射,足関節/上腕血圧比(ABI)の評価,足の傷を確認する. 初診時および明らかな理由がなく血糖コントロールが悪化してきた患者で は,必ず癌,とくに膵癌を除外することも重要である.76 01 病態は? 01 病態は? 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 病態は? 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 01 病態は? 病態は? 病態は? 病態は? 病態は? 病態は? 病態は? 病態は? 病態は? 病態は? 病態は?1型糖尿病は,自己免疫などの機序によって膵β細胞のインスリン分泌能がほぼ完全に枯渇する病態である.1型糖尿病の診断と分類は,「1型糖尿病」(☞p.96)を参照いただきたい.1. 糖尿病・内分泌コモンディジーズ2型糖尿病

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