2667薬剤師に聞いてみよう!子どもの薬Q&A
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用法(工夫)剤 形散剤18号(850 µm)ふるいを全量通過し,30号(500 µm)ふるいに残留するものが全量の5%以下18号(850 µm)ふるいを全量通過し,30号(500 µm)ふるいに残留するものが全量の10%以下細粒剤顆粒剤「細粒」よりも粒子径が大きいものドライシロップ剤粉末状の製剤に水を加えてシロップ剤として用いるもの特 徴代表的な薬アスベリン,ビオフェルミンRケフラール,ジスロマック,ワイドシリンミノマイシン,メプチン,アジルバ,アレロッククラバモックス,タミフル,ホスミシン,クラリス,オノン,ムコダイン,ムコソルバンこのくらいの年齢の乳幼児であれば,口に薬が入りさえすればすんなりと飲み込んでくれることも多いです.「ドライシロップ剤」は水によく溶けますので,水に溶かしたうえで,「スポイト」を使って少しずつ,飲み込める量とペースで口に流し込んでもらうのがよいと思います.もし「スポイト」がない場合は,少量の水で薬をペースト状にして,指で頬の内側や上顎に塗りつけてもらえれば,そのまま飲み込んでくれるはずです.この薬には少し独特の風味があるので,「スポイト」を使う場合も,ペーストにする場合も,薬が舌に直接触れないようにするのがポイントです.このうち,「散剤」や「細粒剤」「顆粒剤」は,粒子の大きさによって区別されていますが,基本的にいずれも水にはあまりきれいに溶けません.混ぜても時間が経つと薬が底に沈殿してきてしまうため,水と混ぜた場合は,よく撹拌した状態で服用する必要があります.一方,「ドライシロップ剤」は見た目こそ粉薬ですが,そもそも水などに溶かして服用する前提で設計された剤形です1).少量の水にもよく溶けるため,混ぜる際の水の量が多くなったり,薬がコップの底で沈殿したり,といったことも起こりにくいほか,水に溶かした後も甘い風味がよく維持されるなど,非常に服用しやすい剤形であるとともに,水に溶かすまでは体積も小さく,冷所保管が必要でないなど,保存性や携行性にもすぐれた剤形です.「オセルタミビル」の小児用製剤もこの「ドライシロップ剤」のため,粉のまま服用することも,必要に応じて水に溶かし25表1 “粉薬”の剤形の基本的な違い5薬をなかなか飲んでくれないとき,どうすればよいか?(1歳未満)薬剤師としての回答回答の根拠「ドライシロップ剤」は,水に溶かすと液剤になるいわゆる“粉薬”には,「散剤」「細粒剤」「顆粒剤」「ドライシロップ剤」があります(表1).

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