2667薬剤師に聞いてみよう!子どもの薬Q&A
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1歳6か月の子どもが全身に塗布する保湿剤の2週間分として,200 gというのはおよそ妥当な量と思います.一般的に,1〜2歳の子どもが全身に塗布すると1回で7 g程度の保湿剤が必要とされていますが,これを1日2回で14日間塗布するとちょうど2週間で200 gくらいの計算になります.そのため,今回の処方を2週間で使い切って次の受診をしてもらう,というのはよい処方量とスケジュールになっていると思います.用 量して薬を“節約”することになり,十分な効果を得られなくなってしまうおそれがあるし,かといって必要以上に処方するのは医療費の無駄遣いにもつながってしまう.そのため,ちょうど“次の受診までに使い切る”くらいの量で処方したいと思っているのだが,この年齢の子どもが,全身にしっかりと塗布するための薬として「2週間分」を処方する場合,200 gというのは妥当だろうか.保湿剤は,「たっぷり使ってください」と服薬指導をしても,多くの人は“必要量”よりも少ない量しか塗布しない傾向にあるため,処方した薬が余ってしまうこともあります.これを避けるため,薬局でも「FTU」等の具体的なめやすを使って使用量についての説明を行いますが,それでも塗布量が足りない場合には,保湿剤の“剤形”や“容器”を変えるという方法もあります.季節によってはべたつきの少ない剤形のほうが塗布しやすい,あるいは小さな口から薬を出すチューブ剤よりも大きな瓶の容器から薬をすくうほうが使用量は多くなる,といったことを利用してもよいかもしれません.幸い,「ヒルドイド」にはさまざまな“剤形”や“容器(包装)”がありさまざまなニーズに対応できますので,いつでもご相談いただければと思います.保湿剤の塗布はアトピー性皮膚炎の再燃を抑制するのに有用です1)が,特にステロイドによる治療が成功して皮膚の状態が落ち着いても,そこで中断することなく塗布を続けることが重要です2).ただし,保湿剤はあまり薄く延ばして塗布していると,皮膚の凹凸のへこんだ部分にしか薬が塗布されなかったり(図1),また期待できる保湿効果そのものも弱まってしまったりといっ7314保湿剤,どのくらいの量を処方すればよい?薬剤師としての回答回答の根拠保湿剤の塗布量のめやす

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