HOME > 電子メディア > 電子書籍 > 電子書籍詳細

書籍詳細

目で見て役立つ
薬疹の上手な診かた・対応ガイド 電子版 診断と治療社 | 電子メディア | 電子書籍 | 電子書籍詳細:薬疹の上手な診かた・対応ガイド 電子版

電子書籍

新潟大学大学院医歯学総合研究科 分子細胞医学専攻細胞機能講座

阿部 理一郎 ( あべ りいちろう )  編集

2022年09月21日リリース

本書は電子書籍です. 書籍版の詳細はこちら


  

立ち読み機能は、ただ今準備中です  


6,270円(税込)

※価格は書店により異なる場合がございます.


(外部サイトに移動します)

(外部サイトに移動します)

日常診療でよく遭遇する様々な薬疹について,症状や疑い薬剤の分類,最新情報,検査,診断,対応のすべてなど必要な情報を網羅.皮膚科専門医だけでなく,一般内科医,薬剤師,看護師など、治療にかかわる人が知っておきたい知識を,カラー症例写真を多く掲載して視覚的にもわかりやすくまとめた一冊.

ページの先頭へ戻る

目次

ページの先頭へ戻る

序文

 ほとんどの疾患の治療に薬剤が用いられます.そしてある一定程度薬剤による臓器障害が引き起こされます.たとえば肝機能障害は主要で重要なものですが,血液検査をしないと把握できないことがほとんどで,また軽度のものは「慎重に経過観察」とされることもあるかもしれません.
 しかし薬剤による皮膚障害である薬疹の場合は,範囲が狭い場合でも患者さんの目に触れますし,積極的対応(薬剤中止)を求められることが多いのではないでしょうか.
 それだけでなく,薬剤障害として認定をされ重症な場合は救済を行う制度がありますが,その救済対象となった症例の1/3は皮膚障害です.
 つまり薬疹は認識されやすいというだけでなく,重症化することもありうるものなのです.
 一方,診療の場では薬疹というと早期でわかることも多く大半は薬剤中止で改善治癒することがほとんどなのでそれほど重要視されない場合もあるかもしれません.
 しかし,実際原因薬剤を同定するときに困った経験はありませんでしょうか.多数の内服薬を服用されている患者さんも多いでしょうし,内服開始から皮疹出現まで期間が短かったり(1,2日),逆に長かったり(1,2か月)した場合はどうしますか.
 また一言で薬疹といっても様々な症状をきたします.全身に一様にでたり,主に四肢だけにでたり,淡い紅色から濃い鮮紅色,点状のものから大きい皮疹になった場合の違いはあるのか.皮疹に付随して発熱があったり,浮腫を伴ったり,時には痛みがあったりした場合はどうでしょう.
 薬疹を疑うことは容易ですが,その反面個々の症例での発症のメカニズムを正確に把握することは容易ではなく,誤っている場合は症状は軽快せず,増悪してしまいます.
 診療における薬疹の重要性をあらためて強調したいと考え,本書を企画いたしました.

 本書は薬疹に関して必須な情報をできるだけ網羅的に掲載しました.おもに,若手皮膚科医を念頭におき,日常診療でよく遭遇する薬疹において,問診時に考慮すべきこと,診察の仕方,病態の把握の仕方・考え方,そして対応について,症例も交えて説明しました.具体的な内容も多く,積極的に活用,実践してもらえればと思います.
 皮膚科専門医にも情報のアップデートに役立つような内容を多く記載しています.さらに他科の医師や薬剤師,看護師のかたにも,臨床写真など多く掲載し視覚的にもわかりやすくまとめました.
 最後に,ご多用の中,時間を割いてご執筆いただいた執筆者の皆様に深謝いたします.読者の皆様が次に薬疹の患者さんを診られた際に少しでもお役に立てることを願います.

2022年2月
阿部理一郎