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小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2024年 Vol.87 No.1 小児疾患におけるアフェレシス

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掲載論文

序 文 神田祥一郎

Ⅰ.総論:アフェレシスの基本
アフェレシスとは―歴史と原理―  /神田祥一郎
アフェレシスの適応疾患  /大田敏之
アフェレシスの種類  /中村実沙子・他
アフェレシスの実際  /濱田 陸・他
小児におけるアフェレシス  /梶保祐子

Ⅱ.各論:各疾患に対するアフェレシス
腎疾患に対するアフェレシス  /安藤太郎・他
腎移植に関連したアフェレシス  /白井陽子・他
川崎病に対するアフェレシス  /伊藤秀一
膠原病・リウマチ性疾患に対するアフェレシス  /川邊智宏
神経疾患に対するアフェレシス  /柏井洋文
感染症疾患に対するアフェレシス  /佐藤泰征
内分泌・代謝疾患に対するアフェレシス  /足立夏帆
救急疾患に対するアフェレシス  /西山 慶
小児血液疾患に対するアフェレシス  /井上秀太郎・他
消化器疾患に対するアフェレシス  /田川 学

ねらい

神田祥一郎  /東京大学医学部小児科

 アフェレシスは体外循環によって血中から病気の原因を除去する治療法です.
 アフェレシスが対象とする疾患は,腎疾患のみならず,川崎病,膠原病・リウマチ性疾患,神経疾患,感染症,内分泌・代謝疾患,救急疾患,血液疾患,消化器疾患など多岐にわたります.疾患によっては高いエビデンスをもってガイドライン等で推奨されている場合もあります.ですから,われわれ小児科医は治療法の1つとしてアフェレシスを知っておく必要があります.
 しかし小児科医のなかでアフェレシスに馴染みのある医師は多くありません.成人と異なり小児では血液透析を行うことが圧倒的に少ないため,各病院の血液浄化部を利用する機会が少なく,体外循環を用いた治療を行うことに少し抵抗をもってしまうのではないかと推察します.またアフェレシスの方法は単純血漿交換法だけでなく,二重膜濾過血漿交換法や疾患に応じた吸着療法など様々あります.場合によっては回路が複雑になることもあり,それがアフェレシスを難しい治療と感じさせる要因になっているかもしれません.
 そこで,アフェレシスをより身近なものとして感じてもらいたいと考え,「小児疾患におけるアフェレシス-治療法の1つの選択肢としての血液浄化療法-」を企画しました.
 本特集では総論において,アフェレシスの適応疾患,アフェレシスの種類,アフェレシスの実際,そして,小児におけるアフェレシスについて説明しています.読者の皆様には,実際に担当している患者さんに対してアフェレシスの適応があるかどうか迷ったときに,まずこの総論を読んでいただければと思います.
 各論では,小児疾患を分野横断的にまとめ,アフェレシスが施行され得る疾患についてより細かく,疾患ごとに解説しています.患者さんの診断がついた後,状態評価をすすめ,アフェレシスの適応・選択について検討する際に,参考にしてください.
 各項目はそれぞれ第一人者の先生方に執筆していただきました.本特集を手に取っていただければわかりますように,図表を多く使用し,初めてアフェレシスに接する先生方にもわかりやすい記載になっています.とても充実した内容ですので,自信をもって皆様の元へお届けできます.
 小児のアフェレシスについてまとめた本は少ないので,ぜひ,本特集を手元に置いて長く参考にしていただければと思います.これまでアフェレシスのことを,とっつきにくく感じていたり,遠い存在だと思ったりしていた先生方が本特集をきっかけに興味をもっていただけたら大変光栄です.
 末筆ではございますが,執筆してくださった先生方,本誌編集委員会の先生方に深く感謝申し上げます.
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