株式会社 診断と治療社

小児科診療 最新号

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  • 「増刊号」を年2冊、「特大号」を年1冊発行.読者の厚い信頼に応える内容で日常診療に不可欠な情報満載.

雑誌「小児科診療」2024年 Vol.87 No.3 小児コロナウイルス感染症の現在地と小児医療に与えたインパクト

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掲載論文

序 文  /濱田洋通

Ⅰ.COVID-19の総論update
動物のコロナウイルスと比較して考える,SARS-CoV-2は
 何者なのか?  /水谷哲也 
免疫機構―自然免疫に着目して―  /浅野孝基・他 
小児におけるCOVID-19の流行(~2023年8月)  /土橋酉紀・他 
検 査  /石和田稔彦 
治 療  /宮入 烈 
ワクチン  /森内浩幸 
感染制御  /久田 研 

Ⅱ.小児COVID-19の合併症
国内における小児COVID-19中等症・重症症例の臨床像  /勝田友博 
急性心筋炎  /星野健司 
小児多系統炎症性症候群(MIS-C)  /松原大輔・他 
COVID-19関連急性脳症  /髙梨潤一 
新生児発熱,熱性けいれんへの対応  /岡田 広 
出産と新生児診療  /遠藤真美子 

Ⅲ.新型コロナ時代の子どもの課題
摂食症(摂食障害)  /戸田健太・他 
不登校  /作田亮一 
新型コロナ時代における小児在宅医療の課題  /大隅朋生 
COVID-19と地域医療  /伊藤隆一 
小児感染症の変化とウィズコロナ時代の展望  /尾内一信 

第27回川崎病全国調査報告  /屋代真弓・他

ねらい

濱田洋通  /千葉大学大学院医学研究院小児病態学

 2019年末,中国武漢で発生した肺炎の流行は新型のコロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因である,このニュースが伝わった頃にCOVID-19(SARS-CoV-2感染症)パンデミックによって世界が変わることを全く予想しておりませんでした.4年前の日本における初の感染確認や大型客船での集団感染の記憶ははるか昔のことのように感じられ,この4年間がいかに濃密であったかを改めて思います.
 常に新興感染症への備えが大切であること,その際にわれわれ専門家の行動がどうあるべきか,ワクチン開発の基盤整備,感染症が多い小児外来・病棟での診療スタイルの変化,遠隔医療の幕開け,など4年間で医療は大きく変化しわれわれは多くのことを学びました.
 2023年はSARS-CoV-2感染症が2類から5類に変更となりました.本特集は2022年に提案したのですが,その後も克服がすすみ具体的に本感染症の出口が見えてきたことは本当によかったと思っています.
 本特集は,Ⅰ章ではSARS-CoV-2ウイルスについて,小児に関することを含めて今までの知見を総論として各分野のトップランナーの先生方に執筆していただきました.小児のCOVID-19は軽症だといわれています.しかし,小児特有の生命にかかわる合併症があることもわかってきました.Ⅱ章では小児COVID-19の合併症について特集しています.COVID-19は子どもたちの生活に大きな影響を与えています.Ⅲ章では精神,在宅,プライマリケアなどの領域からこの時代の子どもの課題について,withコロナ時代の展望を含めて執筆していただきました.いずれも2023年秋に執筆しておりますのでその時点の知見ということになります.
 まだCOVID-19への対応は続きます.多くの専門家が,ウイルスがなくなることはないとしています.変異に対応し適切な共存の道をみつけてゆく必要があるでしょう.しかし,このウイルス感染症をいったん総括できる時期であり,特集を組める程の知見の集積があり,この企画がここに結実したことを編集者一同,前向きに捉えて本特集を上梓する次第です.不確定な要素の多いなか,ご対応いただいた執筆者諸氏に御礼を申し上げます.
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