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小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2024年 Vol.87 No.6 紹介医に伝えたい「腎炎・ネフローゼ症候群」

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掲載論文

序 文  /神田祥一郎 

Ⅰ.総論:腎炎・ネフローゼ症候群のファーストタッチ
どのようなときに疑うか?  /中村実沙子・他 
尿所見からわかること  /横山 貴・他 
3歳児検尿・学校検尿からわかること  /柳原 剛 
どのようなときに急ぐのか?  /西山 慶 
腎病理からわかること  /松岡健太郎 

Ⅱ.各論:腎炎・ネフローゼ症候群の専門診療
IgA腎症  /寺野千香子 
紫斑病性腎炎  /中野栄治 
膜性増殖性糸球体腎炎  /山村なつみ 
感染後腎炎  /宇田川智宏 
ANCA関連腎炎  /滝澤慶一 
ループス腎炎  /飛田和えりか 
溶血性尿毒症症候群(HUS)  /藤丸季可 
Alport症候群  /榊原菜々 
微小変化型ネフローゼ症候群  /日吉祐介・他 
巣状分節性糸球体硬化症  /安藤太郎・他 
膜性腎症  /金子直人 
尿酸代謝異常による急性腎障害  /貝藤裕史 
間質性腎炎  /原田涼子・他 
薬剤性腎障害  /松村英樹 

ねらい

紹介医に伝えたい「腎炎・ネフローゼ症候群」
―3歳児検尿・学校検尿のその先は?―
  /神田祥一郎 東京大学医学部小児科

 腎炎とネフローゼ症候群は小児腎臓病領域のなかで最も出会うことの多い疾患群です.診断契機は様々ですが,学校検尿をきっかけに診断されることも多いです.3歳児検尿と学校検尿は小児科医にとってとても身近な健診です.しかし,腎炎・ネフローゼ症候群に対して難しさを感じる小児科医は少なくありません.その理由の1つとして,検尿の有所見者を腎臓専門施設に紹介した後の経過や各疾患の詳細にふれる機会が少ないことがあげられます.また,診断に腎病理所見が密接にかかわっている場合が多いです.しかし腎病理との接点が少ないため,それがさらに難しく感じる理由となっているかもしれません.
 そこで,本特集では,専門施設に患者が紹介された後の経過を知り,腎炎とネフローゼ症候群をより具体的にイメージしてもらうため,『紹介医に伝えたい「腎炎・ネフローゼ症候群」―3歳児検尿・学校検尿のその先は?―』を企画しました.
 総論では,「腎炎・ネフローゼ症候群のファーストタッチ」について説明しています.まずどのようなときに,腎炎・ネフローゼ症候群の存在を疑い,そして緊急の対応が必要なのか,それぞれ解説していただきました.腎炎・ネフローゼ症候群の初期対応の参考にしてください.次に,専門家の視点から3歳児検尿と学校検尿について解説していただきました.この解説を読むと検尿システムがどのように診断に結びついているか理解を深めることができます.また,尿所見や腎病理については,多くの写真を用いて説明していただきました.提示していただいた写真は大変貴重なものですので,ぜひ,永久保存版として本特集を大事に使用していただけたらと思います.
 各論では,「腎炎・ネフローゼ症候群をきたす各疾患の紹介後の診療」についてそれぞれの分野の第一人者の先生方に詳しくわかりやすく説明していただきました.紹介した患者の診断がついた後の経過,治療や予後などについて参考にしてください.
 読者の皆様には,本特集を通じて「腎炎・ネフローゼ症候群」に少しでも親しみを感じ,本書を診療の一助として使用していただけたら幸いです.
 末筆ではございますが,執筆してくださった先生方,本誌編集委員会の先生方に深謝申し上げます.
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