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小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2024年 Vol.87 No.7 「食べる」ことをめぐる問題

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掲載論文

序 文 高増哲也 

Ⅰ.「食べる」ことをめぐる問題
子どもが「食べる」こととその障害  /高増哲也 
子どもの食をめぐる諸問題と子育てにおける食支援  /堤 ちはる 
子どもの食と栄養について  /西本裕紀子 
子どもの貧困と子ども食堂―広島県内の調査から―  /江原 朗 

Ⅱ.食べられない子どもへの対応 行動面,発達面から
神経発達症の偏食にいかにかかわるか  /藤井葉子 
食べない子どもに,家族はどのように対応するのがよいのか  /山口健太 
小児科外来における偏食への対応法  /大山牧子 
自閉スペクトラム症と食べることの問題  /北島 翼・他 

Ⅲ.食べられない子どもへの対応 精神・心理面から
摂食症の診断と病態  /安藤哲也 
子どもの摂食障害の治療の現況と今後の展望  /鈴木眞里 
摂食障害の栄養指導  /浮田(柴崎)千絵里 
摂食障害の家族支援  /小原千郷 

Ⅳ.食べられない子どもへの対応 摂食・嚥下機能面から
食べる機能の障害とその対応法  /田村文誉 
摂食嚥下を学ぶための手段  /綾野理加 
重症心身障害児者の食支援  /淺野一恵 
重症児デイサービスでの食育の実際  /大髙美和 

症例報告
コロナ禍の適応障害と診断し,1か月後に体重減少を契機に
 1型糖尿病の診断に至った思春期女児例  /五藤明徳・他 

ねらい

「食べる」ことをめぐる問題
今,知っておきたい偏食・摂食障害・
摂食嚥下障害への対処法

高増哲也  /神奈川県立こども医療センター地域保健推進部

 「食べる」ことは日常生活の一部であり,健康の土台となる活動です.ところが近年,子どもが食べることについて,多分野から問題が発生していることがクローズアップされています.そこで本特集では,まず「食べる」ことをめぐる問題について概説し,食べられない子どもへの対応について,行動・発達面から,精神・心理面から,摂食・嚥下機能面から,それぞれ解説していただくこととしました.
食をめぐる問題については,まずその生物学的な意味から振り返り,食べることは人権であるという視点,その法律上の位置づけを確認し,子育てという切り口からの支援について,成長・発達を支える栄養面からみた食と低栄養・過栄養の問題について,貧困と子ども食堂の調査について論じています.
食べられない子どもへの対応について,まず行動・発達面では,おもに神経発達症にみられる偏食を取り上げています.白米しか食べない,ポテトしか食べない,といった極端な食べ方となっている場合もしばしばみられ,対応に苦慮する場面が多くなっています.各方面からのエキスパートにその対応法について論じていただきました.
次に精神・心理面からとして,摂食障害を取り上げました.極度の栄養障害に陥る場合があり,現状としては対応法に決め手がないといわざるをえませんが,現時点での知識を整理して紹介いただきました.まず診断と病態について解説し,治療の現況と今後の展望を紹介し,さらにこの分野を専門としている管理栄養士による栄養指導について,そして家族支援について論じていただきました.
さらに,機能障害により食べることが困難な子どもへの対応について取り上げました.そのためにはまず食べる機能の正常な発達についての理解が必要となります.そのうえで障害がある場合にはまずその原因を把握し,適切な対処法にたどり着く必要があります.この分野については小児科医師が学ぶ機会が十分にあるとはいえないため,教材を具体的に紹介していただきました.さらに重症心身障害児者の食支援について紹介し,さらにデイサービスでの食育の実際についても紹介していただきました.
食べることに問題を抱えている子どもは少なくなく,抱えている問題は多方面にわたっています.問題がどこにあるかを的確に見極め,対応をすすめる必要があります.本特集が理解を深めて適切な対応法にたどり着くための一助となることを願っています.
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