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小児科診療 最新号

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雑誌「小児科診療」2024年 Vol.87 No.9 消化器関連検査を極める!

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掲載論文

序 文  /工藤孝広 

Ⅰ.血液検査
栄養評価  /荒井美輝・他 
炎症反応,免疫学的検査  /津村直弥・他 
消化吸収機能,消化管ホルモン  /萩原真一郎 
肝胆膵関連  /今川和生 
腫瘍マーカー  /齊藤博大 
消化器疾患における遺伝学的検査  /石毛 崇 

Ⅱ.便検査
潜 血  /西亦繁雄・他 
消化吸収能検査  /岩間 達 
α1アンチトリプシン  /清水泰岳 
炎症マーカー  /田金星都・他 
細菌・ウイルス検査  /徳原大介 

Ⅲ.画像検査
腹部単純X線,消化管造影,嚥下造影  /井上幹大・他 
腹部超音波検査  /神保圭佑 
腹部CT,MRI  /近藤健夫・他 
シンチグラフィ  /髙木祐吾 
消化器内視鏡  /倉沢伸吾 
病理検査  /虫明聡太郎 

Ⅳ.消化管機能検査
消化管内圧検査  /松浦俊治・他 
食道インピーダンスpHモニタリング  /深堀 優・他 
胃排出能検査  /細井賢二 

Ⅴ.ヘリコバクター・ピロリ検査
ヘリコバクター・ピロリ検査  /垣内俊彦 

ねらい

工藤孝広  /順天堂大学医学部小児科学講座

 消化器症状は日常診療のなかでもふれる機会が多い症状の1つです.実際には急性疾患が多いと思いますが,なかには慢性の経過をたどる患者さんもいます.消化器は体の表面から判断することができない臓器の1つですので,臨床症状や経過,臨床検査などから疾患や病態を想像する必要があります.消化器疾患における検査としては,血液検査や便検査のような簡単に実施可能な検査から,消化器を目で見ることが可能になる超音波・CT・MRI・内視鏡などの画像検査,消化器に特徴的である栄養素の消化吸収能力をみるための消化吸収機能検査,消化管の蠕動状態を確認する消化管機能検査など多分野で多岐にわたる検査を行う必要があります.しかし,目に見えない消化器に関する検査を実施して病態を想像するといえど経験や知識がないと非常に難しいことだと思います.
 本特集では,下痢,腹痛,便秘,血便,吐血などの小児の消化器症状から,どのような疾患が考えられ,その疾患の診断に至るまでに必要な検査は何か,一部では病勢を把握できる検査もあることから,小児消化器疾患の診断から臨床経過までを把握できるように編集いたしました.小児消化器疾患の関連する検査を簡単に実施できるものから大掛かりな機器が必要なものまで網羅的に学ぶことができるため,本号を一読することで小児の消化器症状に対する日常診療が飛躍的に向上し役立つことを期待します.また,2021年には厚生労働科学研究費事業「小児期から移行期・成人期を包括する希少難治性慢性消化器疾患の医療政策に関する研究」班会議から『難治性下痢症診断の手引き』が発刊されました.このなかにも難治性下痢症を診断するために必要な検査について詳細に記載されていますので参考にしていただけますと幸いです.第Ⅰ章では血液検査として栄養評価,炎症反応,消化吸収能,肝胆膵機能,腫瘍マーカー,遺伝子検査などとまとめました.第Ⅱ章では便検査として,潜血,消化吸収検査,蛋白漏出関連検査,炎症マーカー,感染症関連の検査を網羅しました.第Ⅲ章では画像検査として,X線から造影検査,超音波検査,CT・MRI,内視鏡検査,腸管粘膜病理検査まで含めています.第Ⅳ章では消化管機能検査として腸管蠕動に関連した検査を挙げてみました.最後の第Ⅴ章ではヘリコバクター・ピロリ菌に関する検査は多岐に渡るため1つの章にまとめました.簡単に実施可能な血液検査から専門医師でないと判定が難しい検査まで1つに集約させましたので,実に勉強になる特集になったと考えます.
 最後に,今回の特集号が充実した内容になりましたのは,多大な時間を要してご執筆いただいた多くの小児消化器疾患専門医師の先生方からのご協力の賜物でございます.心より感謝申し上げます.
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