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雑誌「小児科診療」2025年 Vol.88 No.4 新生児マススクリーニングのこれまでとこれから
掲載論文
序 文 /石毛美夏
Ⅰ.新生児マススクリーニング(総論)
これまでの新生児マススクリーニング /澤田貴彰・他
新生児マススクリーニングの対象疾患 /但馬 剛
新生児マススクリーニングの検査法 /石毛信之
新生児マススクリーニングにおける遺伝カウンセリング /酒井恵利・他
新生児マススクリーニングの実際~自治体での取り組み~ /李 知子・他
Ⅱ.新生児マススクリーニングの対象疾患
先天性甲状腺機能低下症 /田島敏広
先天性副腎過形成症 /白川詩織・他
アミノ酸代謝異常症 /安田泰明・他
脂肪酸代謝異常症 /松井美樹・他
有機酸代謝異常症 /市野井那津子
ガラクトース血症 /齋藤寧子・他
原発性免疫不全症 /若松 学・他
脊髄性筋萎縮症 /荒川玲子・他
ライソゾーム病,ペルオキシゾーム病 /小林正久
Ⅲ.新生児マススクリーニングの未来
新生児マススクリーニングのこれから
~検査法・疾患の観点から~ /濱崎考史
新生児マススクリーニングのこれから
~倫理的・社会的な観点から~ /村山 圭
原 著
乳幼児期のアレルギー疾患が保護者のQOLに与える影響 /村上純子・他
症例報告
肺炎球菌血清型15Bによる感染性心内膜炎の一例 /古田有里子・他
Ⅰ.新生児マススクリーニング(総論)
これまでの新生児マススクリーニング /澤田貴彰・他
新生児マススクリーニングの対象疾患 /但馬 剛
新生児マススクリーニングの検査法 /石毛信之
新生児マススクリーニングにおける遺伝カウンセリング /酒井恵利・他
新生児マススクリーニングの実際~自治体での取り組み~ /李 知子・他
Ⅱ.新生児マススクリーニングの対象疾患
先天性甲状腺機能低下症 /田島敏広
先天性副腎過形成症 /白川詩織・他
アミノ酸代謝異常症 /安田泰明・他
脂肪酸代謝異常症 /松井美樹・他
有機酸代謝異常症 /市野井那津子
ガラクトース血症 /齋藤寧子・他
原発性免疫不全症 /若松 学・他
脊髄性筋萎縮症 /荒川玲子・他
ライソゾーム病,ペルオキシゾーム病 /小林正久
Ⅲ.新生児マススクリーニングの未来
新生児マススクリーニングのこれから
~検査法・疾患の観点から~ /濱崎考史
新生児マススクリーニングのこれから
~倫理的・社会的な観点から~ /村山 圭
原 著
乳幼児期のアレルギー疾患が保護者のQOLに与える影響 /村上純子・他
症例報告
肺炎球菌血清型15Bによる感染性心内膜炎の一例 /古田有里子・他
ねらい
序 文
新生児マススクリーニングのこれまでとこれから
石毛美夏 /日本大学医学部小児科学系小児科学分野
新生児マススクリーニング検査が1977年に,全国で正式に導入されてから48年が経過し,初期に診断された児はすでに壮年期を超えようとしています.大勢の子どもたちが早期に診断され,治療を開始・継続し,一昔前には考えられなかった社会生活のできる成人期を迎え充実した毎日を送っています.
わが国の新生児マススクリーニング検査は,当初はGuthrie法により先天代謝異常症5疾患で開始され,内分泌2疾患が加わりました.近年の医学の進歩により早期の診断や治療が可能な疾患が増え,タンデムマススクリーニング法など新たな検査法の導入も行われ,現在,全国では20疾患が対象となっています.長らく明確な法的根拠がなく行われていたこの事業も,2018年に成育基本法が制定され,2021年に成育医療等の提供に関する施策に関する基本的な事項のなかで「新生児へのマススクリーニング検査」の実施により先天性代謝異常等を早期に発見し,その後の治療や生活指導等につなげるなど,先天性代謝異常等への対応を推進することが記されました.さらに,こども家庭庁の設立もあり新たな疾患への適応が加速し,神経疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)や原発性免疫不全症である重症複合免疫不全症(SCID)にも実証事業の形で予算が計上されるなど,新生児マススクリーニングは大きな変革の時期を迎えています.
本特集は,第Ⅰ章で新生児マススクリーニング総論として,今までの歴史や対象疾患,検査法,対象疾患全体に必要な遺伝カウンセリングや自治体での取り組みの実際について,第Ⅱ章では,対象疾患の病態生理や診断方法,治療法,予後に加え,新生児マススクリーニング検査における注意事項や偽陽性・偽陰性について症例も交えて解説しています.さらには,第Ⅲ章として,検査法や疾患だけでなく,倫理面や社会的なあり方から新生児マススクリーニングの今後の在り方を考えていく構成となっています.
新生児マススクリーニング開始からもうすぐ半世紀を迎える今,新生児マススクリーニングのこれまでを振り返るとともに,これからを考える,日本の未来を担う子どもたちのためになる一冊になることを祈っています.
最後に,本特集では大変ご多忙な第一線でご活躍中の先生方にご執筆の労をお取りいただきました.このような素晴らしい内容の特集になりましたのは,ひとえに先生方のご協力の賜物と心より感謝申し上げます.
新生児マススクリーニングのこれまでとこれから
石毛美夏 /日本大学医学部小児科学系小児科学分野
新生児マススクリーニング検査が1977年に,全国で正式に導入されてから48年が経過し,初期に診断された児はすでに壮年期を超えようとしています.大勢の子どもたちが早期に診断され,治療を開始・継続し,一昔前には考えられなかった社会生活のできる成人期を迎え充実した毎日を送っています.
わが国の新生児マススクリーニング検査は,当初はGuthrie法により先天代謝異常症5疾患で開始され,内分泌2疾患が加わりました.近年の医学の進歩により早期の診断や治療が可能な疾患が増え,タンデムマススクリーニング法など新たな検査法の導入も行われ,現在,全国では20疾患が対象となっています.長らく明確な法的根拠がなく行われていたこの事業も,2018年に成育基本法が制定され,2021年に成育医療等の提供に関する施策に関する基本的な事項のなかで「新生児へのマススクリーニング検査」の実施により先天性代謝異常等を早期に発見し,その後の治療や生活指導等につなげるなど,先天性代謝異常等への対応を推進することが記されました.さらに,こども家庭庁の設立もあり新たな疾患への適応が加速し,神経疾患である脊髄性筋萎縮症(SMA)や原発性免疫不全症である重症複合免疫不全症(SCID)にも実証事業の形で予算が計上されるなど,新生児マススクリーニングは大きな変革の時期を迎えています.
本特集は,第Ⅰ章で新生児マススクリーニング総論として,今までの歴史や対象疾患,検査法,対象疾患全体に必要な遺伝カウンセリングや自治体での取り組みの実際について,第Ⅱ章では,対象疾患の病態生理や診断方法,治療法,予後に加え,新生児マススクリーニング検査における注意事項や偽陽性・偽陰性について症例も交えて解説しています.さらには,第Ⅲ章として,検査法や疾患だけでなく,倫理面や社会的なあり方から新生児マススクリーニングの今後の在り方を考えていく構成となっています.
新生児マススクリーニング開始からもうすぐ半世紀を迎える今,新生児マススクリーニングのこれまでを振り返るとともに,これからを考える,日本の未来を担う子どもたちのためになる一冊になることを祈っています.
最後に,本特集では大変ご多忙な第一線でご活躍中の先生方にご執筆の労をお取りいただきました.このような素晴らしい内容の特集になりましたのは,ひとえに先生方のご協力の賜物と心より感謝申し上げます.