株式会社 診断と治療社

コアカリ準拠 臨床遺伝学テキストノート 改訂第2版 ゲノム医療に必要な考え方を身につける

日本人類遺伝学会の編集による教科書が6年ぶりに改訂!必要な知識を習得し臨床に活かすことを目標に,基礎編と臨床編に分けた全18の講義形式で構成されている.令和4年度改訂版医学教育モデル・コア・カリキュラムに準拠し,症例や豊富な図表を用いながらわかりやすく解説され,考えのまとめに役立つセルフアセスメントや最新情報をまとめたコラムも掲載されている.臨床遺伝学をはじめて学ぶ医療系学生に必携の1冊.
定価:
4,400円(本体価格 4,000円+税)
発行日:
2024/12/12
ISBN:
9784787826602
頁:
180頁
判型:
B5
製本:
在庫:
在庫あり
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序文

改訂第2版 序文

 本書は,平成30年に発刊された『コアカリ準拠 臨床遺伝学テキストノート』の後継となる医療系学生向けの臨床遺伝学の教科書である.
 初版『臨床遺伝学テキストノート』が編纂された背景に,遺伝医学・ゲノム医療が,平成28年度改訂版「医学教育モデル・コア・カリキュラム」に盛り込まれたことがある.従来,わが国においては,遺伝医学は基礎医学に分類され,医学部医学科においても知識に重点をおく教育が広くなされていた.そのような流れの中で,臨床遺伝・ゲノム医療が,突如臨床の項目に盛り込まれた.日本語での臨床遺伝学の教科書が存在しない中で,初版『臨床遺伝学テキストノート』が果たした役割は大きなものであった.
 令和4年度改訂版「医学教育モデル・コア・カリキュラム」において,その項目に大きな変化はみられない.今回の改訂版の主眼は,前回のテキストの発刊時から大きく進化した臨床でのゲノム医療の取り込みにある.この期間に保険収載された遺伝学的検査は格段に増え,臨床現場において,遺伝学的特徴の記載に家系図や遺伝子バリアントの情報を含めることはすでに一般化している.本書では,これまで慣れ親しんだMendel遺伝病の記載に加えて,臨床遺伝学の意義や遺伝子バリアントの種類や記載法が前面に記載され,遺伝医学・ゲノム医療がまさに標準的な臨床医学の仲間入りをしたことを実感させる構成となっている.
 本書の作成にあたっては,日本人類遺伝学会 臨床遺伝専門医委員会のテキスト作成ワーキンググループが前回の編集委員会の後継メンバーとして担当した.各メンバーは,いずれも遺伝医学の専門医教育や学部教育に携わっており,改訂の目的はしっかりと達成されていると考える.
 ぜひ,多くの医療系学生の卒前教育に活用されることを願っている.

2024年11月
一般社団法人 日本人類遺伝学会 理事長
松本直通




初版 序文

 本書は,今まさにゲノム医療が実現しようとしているこの時期に,日本人類遺伝学会が満を持して世に送り出す,医療系学生向けの臨床遺伝学の教科書である.
 従来,わが国では遺伝医学は基礎医学に分類されており,大学医学部においても知識に重点を置く教育がなされてきた.しかしながら,保険診療体系のなかにもゲノム医療が組み入れられるようになったいま,これから卒業する医療系学生にとって臨床に即した遺伝医学を学んでおくことが必要である.
 旧来の教科書と異なる本書の特徴は,各種の遺伝性疾患症例のケーススタディを通じて問題点を理解できるように工夫されたBasic篇と,実臨床で問題になる場面を想定したAdvanced篇から構成されている点である.さらに,専門用語を調べることなく本文を通読できるように別冊付録の用語集を添付するとともに,実臨床で遭遇する問題を体験できるようにストーリー性豊かなコミックも用意した.また,医師国家試験も念頭に,平成28年度に改訂された医学教育モデル・コア・カリキュラムにも対応する配慮を行った.
 本書の作成にあたっては,日本人類遺伝学会のなかで遺伝医学教育に関連する5つの委員会(教育推進委員会,臨床遺伝専門医制度委員会,遺伝医学セミナー実行委員会,臨床細胞遺伝学セミナー実行委員会,広報委員会)のメンバーが中心となり担当した.メンバーはいずれも遺伝医学の卒前・卒後教育に携わってきており,こんな教科書が欲しかったという切実な思いが結実したといえよう.
 ぜひ多くの医療系学生に活用されることを願っている.

2018年9月
一般社団法人 日本人類遺伝学会 理事長
松原洋一

目次

改訂第2版 序文  松本直通
初版 序文  松原洋一
医学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)対応表  
編集委員会・執筆者一覧
本書における用語について

Ⅰ 基礎編
第1講義 臨床遺伝学とは  井本逸勢
第2講義 DNAレベルの個体差  岡崎哲也
第3講義 常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)(AR)  大友孝信
第4講義 常染色体顕性遺伝(優性遺伝)(AD)  森貞直哉
第5講義 X連鎖性遺伝  西郷和真
第6講義 ミトコンドリア遺伝  三牧正和
第7講義 染色体異常  大場大樹
第8講義 染色体検査の解像度とその利用  村松友佳子
第9講義 エピゲノム  中林一彦
第10講義 が ん  岩泉守哉
第11講義 遺伝学的検査の網羅性とその利用  三宅紀子
第12講義 家系図の描き方,遺伝的リスクの推定  三宅秀彦

Ⅱ 臨床編
第13講義 小児疾患  西 恵理子
第14講義 生殖・周産期疾患  江川真希子
第15講義 遺伝性腫瘍  三田村 卓
第16講義 成人発症疾患  松島理明
第17講義 遺伝情報に基づく治療
     ①HBOC  植木有紗
     ②ATTRv アミロイドーシス  松島理明

参考資料 遺伝関連データベース・ガイドライン ウェブサイト一覧
索 引

COLUMN
1 遺伝カウンセリング  三宅秀彦
2 エクソーム解析  黒田友紀子
3 遺伝医学関連データベース  才津浩智
4 バイオテクノロジー(生物工学・生命工学)  中林一彦
5 遺伝子治療  池田真理子

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