細胞診の知識と実際が,クイズを解き進めることにより自然と身につく2ページ単位のコンパクトな構成.ベーシック篇では,各領域(乳腺・婦人科・呼吸器・甲状腺・唾液腺・肝胆膵・体腔液・泌尿器など)から50問を厳選し,資格認定試験に最低限必要な内容をまとめた.所見の読み方,鑑別方法を簡潔に紹介し,重要なキーワードは各項目のコラム内にて解説を加えた.自主学習にも,試験対策本としても利用できる1冊.
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目次
はじめに 清水道生
総論 細胞像の読み解き方(ベーシック篇) 清水道生
婦人科(Q1~Q9)
乳 腺(Q10~Q14)
呼吸器(Q15~Q21)
甲状腺(Q22~Q25)
唾液腺(Q26~Q27)
泌尿器(Q28~Q30)
体腔液(Q31~Q34)
脳脊髄液(Q35~Q36)
肝胆膵(Q37~Q40)
脳腫瘍(Q41~Q42)
リンパ節(Q43~Q44)
骨軟部(Q45~Q48)
その他(Q49~Q50)
索 引
出題者(出題順)
Q1,Q2,Q9 鎌田孝一
Q3,Q4,Q10,Q11,Q12 森谷卓也
Q5,Q45,Q46,Q47,Q48 福永眞治
Q6,Q31,Q32,Q33,Q34 青木裕志・松本俊治
Q7,Q8,Q37,Q38,Q39 鬼島 宏・吉岡治彦・加藤 拓
Q13,Q14,Q15,Q30,Q41,Q42 清水道生
Q16,Q17,Q18,Q19,Q20,Q21 湊 宏
Q22,Q23,Q24,Q25,Q26,Q27 浦野 誠
Q28,Q29,Q35,Q36,Q43,Q44 加島健司
Q40,Q49,Q50 三橋智子
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序文
はじめに
細胞診の先駆者であるパパニコロウの功績により,現在の細胞診が発展していったが,その始まりは1928年である.その後,1970年代に入り,穿刺吸引細胞診が普及し,さらに免疫組織化学の発達ととともに,がんの早期発見・早期治療が求められるようになった.そして今日では,細胞診は診断学において重要な位置を占めるようになった.また,細胞検査士,細胞診専門医の数も年々増加の一途を辿り,最近では細胞診に関する書籍も多数発刊されている.そんな中,診断と治療社より本書の出版を依頼された.そのコンセプトは,これまでのアトラス本とは違い,よりコンパクトで使いやすいクイズ形式の本というものであった.そこで,より多くの方に読んでもらい,学習してもらうために,本書をベーシック篇とアドバンス篇の2冊に分けることにした.
本書はベーシック篇であるが,各領域から50問を厳選し,資格認定試験において最低限習得すべき内容とした.形式としては,Questionページに患者情報(年齢,臨床情報,検体)と写真(2枚),そして考えられる疾患の選択肢を掲載し,Answerページ(Questionページの裏面)に解答と写真の解説,Key wordを記載した.これにより,読者は自主学習することができ,試験対策本としても十分に活用することができるものと思われる.症例は,日常業務でよく遭遇するものから頻度は低いが知っておくべきものまで幅広く扱っている.また,最初に総論として細胞診における基本事項を記載したので,初学者はここから読み進めるのがよいと思われる.
執筆者はいずれも第一線で活躍されている細胞検査士,病理医であり,裏表の2ページで完結するわかりやすい内容にまとめられている.時間のない読者であっても手軽に質の高い細胞診を体験することが可能である.最後に本書の編集に直接携わってくれた診断と治療社の川口晃太朗さんに深謝するとともに,本書を最大限に利用して細胞検査士資格認定試験や細胞診専門医試験に役立てていただけることを願ってやまない.
2014年3月
清水 道生