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フェルソン 読める!胸部X線写真 改訂第3版/原著第4版診断と治療社 | 書籍詳細:フェルソン 読める!胸部X線写真 改訂第3版/原著第4版
楽しく覚える基礎と実践 電子書籍付書籍

大阪大学大学院医学系研究科放射線統合医学講座放射線医学講座助教

大西 裕満 (おおにし ひろみつ) 翻訳

広島大学大学院医歯薬保健学研究院放射線診断学教授

粟井 和夫(あわい かずお) 翻訳

改訂第3版/原著第4版 B5変型判 並製 276頁 2016年12月01日発行

ISBN9784787822475

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定価:7,700円(本体価格7,000円+税)
  

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初心者が手早くかつ正確に胸部X線診断の基礎を学ぶために、理論に基づく読影手法をわかりやすく解説,読みやすい見開き構成で頭に入りやすいワークブック形式のテキスト.読者自身のペースで読み進められ,学ぶことの大変さと同時に楽しさも教えてくれます.また、電子書籍版では動画や追加症例も充実し、さらに理解を深めることができます(英語版のみ).本書の日本語版も電子書籍で読むことができるので,いつでもどこでもスマホ,PCなどの端末でご活用いただけます.

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目次

終生,医学を勉強する人のための フェルソンの10 箇条
 1 エックス線検査の基礎 The Radiographic Examination:The Basics
 2 断層画像 Cross-Sectional Imaging Techniques
 3 正常の胸部X 線写真と読影法:プロのように読む秘訣 The Normal Chest X-Ray:Reading like the Pros
 4 胸部CT 画像:総まとめ Chest CT: Putting it All Together
 5 肺葉の解剖 Lobar Anatomy
 6 シルエットサイン The Silhouette Sign
 7 エアブロンコグラムサイン The Air Bronchogram Sign
 8 肺と肺葉の虚脱 Signs of Lung and Lobar Collapse
 9 肺病変のパターン Patterns of Lung Disease
10 縦隔の理解 Understanding The Mediastinum
11 胸膜腔および胸膜外腔 The Pleural and Extrapleural Spaces
12 心疾患 Cardiovascular Disease

Quiz 力試しの12 症例 Quiz:A Dozen Great Cases
さくいん

電子書籍:本書前見返しにある「ExpertConsult(英語版)」・「Elsevier eLibrary(日本語版)」に
記載された手順に従ってアクセス.
◇英語版(https://expertconsult.inkling.com)
 原著・動画・ボーナスクイズ・追加症例・間質性肺炎の解説・用語集を収載
◇日本語版(http://www.elsevier-elibrary.com/product/x34)
 本書のPDF 版を収載

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序文

訳者序文
 本書は,“Felson’s Principles of Chest Roentgenology” Fourth Edition の全訳である.訳者らは,原著第2版から日本語訳に携わっているが,最新版もわれわれの手で発行できたことは大きな喜びである.
 原著第1 版が出版されてすでに50 年以上経つが,本書の根幹である胸部X 線写真の読影については,画像診断が急速に進歩を遂げた現代においても十分通じることは驚くばかりである.胸部X 線写真は最も古典的な検査法の一つであるが,今しばらくは医療の中で生き続けると思われ,その読影を論理的にやさしく説く本書の価値も,当面,損なわれることはないであろう.
 さて,本書の題名に冠されているフェルソン(Benjamin Felson[1913~1988])について少しふれておく.フェルソンは,米国ケンタッキー州ニューポートの生まれで,シンシナティー大学を卒業した後,1948 年から1973年まで同大学の教授を勤めた.フェルソンの業績の中で最も有名なものは “Localization of intrathoracic lesionsby means of the postero-anterior roentgenogram; the silhouette sign(Radiology 1950; 55:363-374)”という論文で,本書の中でも詳しく述べられている「シルエットサイン」について書かれたものである.フェルソンは,臨床の放射線科医,放射線診断学の研究者であるのみならず,教育者としても有名であり,生前はアメリカ国内のみならず,日本などの外国も含めて数百に及ぶ講演会やセミナーを開催し,当時のアメリカで最も偉大な放射線科医の一人といわれた.フェルソンのユーモアたっぷりの講義や講演にはいつも聴衆があふれ,聴く人々に忘れがたい印象を残したと伝えられている.このユーモアを交えながら難しい事柄をやさしく教えるという類い稀な才能は,改訂版を作ったグッドマンにも見事に継承されている.
 訳者は,その第1 版を読んで勉強し画像診断の理論的な側面およびおもしろさを知り,その後,画像診断の道に進んだという経緯がある.本書によって多くの医学生や研修医の諸君が胸部画像診断の基礎を体得され,その知識を日々の臨床業務に役立てて下さることを願ってやまない.
2016 年11 月
粟井和夫


訳者あとがき
 このたび,”Felson’s Principles of Chest Roentgenology” 第4 版の日本語翻訳版(第3版)を無事刊行することができ,たいへんうれしく思う.これもひとえに読者の支持が大きかったおかげである.このような良書の翻訳に今回も携わることができて心より感謝している.
 胸部X 線写真の読影は画像診断の基礎を成すものである一方,非常に奥の深いものでもある.CT やMRI が普及した今日でも,胸部X 線撮影がなくなるということはない.X 線写真の撮影方式は,フィルムからCR へ,CR からフラットパネルへと進化しているが,読影の手法はフェルソンの時代とそう変わってはいない.めざましい進歩を遂げる医療の分野において,これほどまで長く用いられている診断方法というのはそう多くはない.それゆえ,このように普遍的かつ実用的な診断体系を築き上げた当時の放射線科医には,畏敬の念を覚えざるをえない.
 胸部X 線診断の教科書はこれまでに多数出版されてきた.その中で,このフェルソンのテキストが1965 年の初版以来ベストセラーであり続けているのは,胸部X 線写真の読影の進め方について,時には実践的に,時には論理的に懇切丁寧に解説している点が,読者の要望を十分に満たしているためと思われる.
 訳者はその翻訳に際して重大な責任を感じながら,自分なりに最大限の力を傾注したつもりである.しかしながら,特にユーモアを含んだ文章については,なかなか納得のいく適当な日本語が考えられず苦慮することも多かった.フェルソンのユーモアのセンスはこの教科書の目玉のひとつであり,できる限りその感覚を日本の読者にも伝えたいと思ったのではあるが……….
 この第4 版では大きな内容の追加あるいは変更はなかったものの,小さな変更箇所が非常に多かった.これらは主に電子書籍版への対応を目的としたものである.このような実践的なテキストにおいては,印刷版よりもインタラクティブな電子書籍版の方が適している.また,翻訳第2 版が刊行された2007 年当時,日本ではまだiPhoneも発売されていなかったが,この10 年足らずでスマートフォンは急速に普及しており,それに伴い電子書籍の利便性も増している.そのような中で,原著第4 版が電子書籍版に対応するように改訂されたのは当然の流れといえよう.当日本語版でも,動画・ボーナスクイズ・追加症例・間質性肺炎の解説・用語集が収載された電子書籍(英語版)と,本書のPDF を閲覧できる電子書籍(日本語版)へのアクセス用コードが提供されているので,ぜひご活用いただきたい.
 医学生や研修医の先生方の胸部X 線写真の読影手法の習得にはもちろんのこと,指導医の先生方にも初期研修医を指導する際の参考教材として,本書を役立てていただければ幸いである.
 最後に,出版に際してお世話になったエルゼビア・ジャパン株式会社ならびに株式会社 診断と治療社の関係者の方々に厚くお礼を申し上げる.
2016 年11 月
大西裕満