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小児消化管感染症診療ガイドライン2024診断と治療社 | 書籍詳細:小児消化管感染症診療ガイドライン2024 データダウンロード

日本小児感染症学会 監修

日本小児消化管感染症・免疫アレルギー研究会 監修

初版 B5判 並製 244頁 2024年11月26日発行

ISBN9784787823991

定価:5,500円(本体価格5,000円+税)
  

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小児消化管感染症の治療法に関する9つのCQと,専門家による解説で構成.CQはMinds 2020診療ガイドラインに準拠し,小児の感染性胃腸炎に対する非抗菌薬,抗菌薬の治療法について,特に抗菌薬では適正使用の観点も反映させ作成している.解説では,疫学,診断,治療,予後,特殊な状況での感染症や予防,また臨床現場で役立つよう,小児用量についても可能な限り記載.小児の消化管感染症にかかわるすべての医師に必携の書.

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目次

口 絵
序 文

▶本ガイドラインの特徴
▶ガイドラインの作成過程
▶資 料
▶作成組織
▶推奨の強さとエビデンスの強さについて
▶Clinical Question(CQ)と推奨文,推奨とエビデンスの強さ
▶CQとシステマティックレビュー(SR),メタ解析(MA)実施状況

第1章 Clinical Question(CQ)編
■非抗菌薬
 CQ1-1 小児の感染性胃腸炎による脱水症の治療に経口補水療法は初期治療として推奨されるか?
 CQ1-2 小児の感染性胃腸炎による脱水症に対して,推奨される是正輸液療法の輸液組成は何か?
 CQ1-3 小児の感染性胃腸炎に対して整腸薬投与は推奨されるか?
 CQ1-4 小児の感染性胃腸炎に対して制吐薬投与は推奨されるか?
■抗菌薬
 CQ2-1 小児のカンピロバクター腸炎に抗菌薬は推奨されるか?
 CQ2-2 小児の非チフス性サルモネラ属感染症の重症化予防および罹病期間短縮・神経学的合併症の
      予防を目的とした抗菌薬投与は推奨されるか?
 CQ2-3 小児のエルシニア感染症に抗菌薬は推奨されるか?
 CQ2-4 2歳以上の小児において,初発Clostridioides difficile感染症患者を治療する場合の治療薬として
      バンコマイシンは推奨されるか?
 CQ2-5 小児の腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症に抗菌薬は推奨されるか?

第2章 解説編
1 小児消化管感染症の診断
 1.消化管感染症の定義と鑑別すべき疾患
 2.症状の特徴と便の性状
 3.便培養とGram染色
 4.ウイルス性胃腸炎における便の迅速抗原検査
 5.腹部超音波 5
 6.内視鏡-炎症性腸疾患(IBD)との鑑別
 7.脱水症の重症度判定
2 小児消化管感染症の治療
 1.経口補水療法,経静脈輸液療法
 2.整腸薬
 3.制吐薬,止痢薬
 4.抗菌薬
3 ウイルス性胃腸炎
 1.ロタウイルス
 2.ノロウイルス
 3.アデノウイルス
 4.その他のウイルス性胃腸炎-サポウイルス胃腸炎,アストロウイルス胃腸炎
4 細菌性胃腸炎
 1.カンピロバクター
 2.サルモネラ
 3.下痢原性大腸菌
 4.エルシニア
 5.ヘリコバクター・ピロリ
 6.腸チフス,パラチフス
 7.コレラ,赤痢
 8.Clostridioides difficile感染症
 9.腸結核
 10.その他の細菌性胃腸炎-ビブリオ腸炎,プレジオモナス腸炎,エロモナス腸炎
5 寄生虫
6 特殊な状況での小児消化管感染症
 1.免疫不全症における消化管感染症
 2.小児外科疾患における消化管感染症
 3.NICUにおける消化管感染症
 4.海外渡航関連の消化管感染症
 5.消化管常在細菌叢の薬剤耐性化
7 予防と届出・登園許可
 1.ロタウイルスワクチン
 2.院内感染対策
 3.サーベイランス,行政への届出
 4.登園・登校許可

付録:略語一覧
・主な抗菌薬略語一覧
・その他の略語一覧

索 引

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序文

小児において消化管感染症は呼吸器感染症と並んで罹患率の高い疾患であり,ガイドラインは世界的には2003年の米国疾病予防管理センター(CDC)に始まり,英国国立医療技術評価機構(NICE:2009年),世界消化器病学会(WGO:2012年),欧州小児栄養消化器肝臓学会/欧州小児感染症学会(ESPGHAN/ESPID:2014年)より発行されてきた.国内では2015年に成人領域を中心とした「JAID/JSC感染症治療ガイドライン-腸管感染症-」が日本感染症学会・日本化学療法学会より,2017年に「小児急性胃腸炎診療ガイドライン」が日本小児救急医学会より発行された.
世界に先駆けて2004年に日本小児呼吸器学会・日本小児感染症学会による「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2004」が発行されてから改訂を繰り返し,2022年10月に「小児呼吸器感染症診療ガイドライン2022」が発行され,抗菌薬の適正使用の実践を含めて小児科診療の現場で広く活用されている.そのような状況下,2017年に日本小児感染症学会が尾内一信理事長,日本小児消化管感染症研究会(現:日本小児消化管感染症・免疫アレルギー研究会)が清水俊明代表世話人の新体制となったことを契機に,より包括的で小児科診療の現場に直結する「小児消化管感染症診療ガイドライン」作成の機運が高まった.
本ガイドラインでは「日本の子どもの消化管感染症」に対する,治療法(非抗菌薬,抗菌薬)の推奨度,疫学,診断,治療,予後,特殊な状況,予防・法律の解説を行う.は「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver.3」に準拠した9項目のクリニカルクエスチョン(CQ)のシステマティックレビュー(SR)を行い,推奨文を作成した.は35の項目に関する専門家の解説・エキスパートオピニオンを作成した.また,小児を対象とした臨床試験が実施されていない薬剤もあるが,「JAID/JSC感染症治療ガイド 2023」や米国感染症学会ガイドライン(IDSA;2017),「Red Book」などを参考に小児用量の記載を可能な限り行い,実際の臨床現場で役立つように心がけた.
本ガイドラインが,小児科診療の現場において広く活用されることを目指すとともに,日本発のエビデンス蓄積の一助となることを期待する.

2024年10月

小児消化管感染症診療ガイドライン作成委員会
委員長 津川 毅
副委員長 奥田真珠美