HOME > 書籍詳細

書籍詳細

消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018[ポケット版]診断と治療社 | 書籍詳細:消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018[ポケット版]

日本外科感染症学会 編集

初版 B6判 並製 56頁 2019年06月01日発行

ISBN9784787824103

定価:990円(本体価格900円+税)
  

立ち読み機能は、ただ今準備中です  


消化器手術におけるSSIの制御は重要なテーマの1つである.従来,わが国のSSI対策は,米国疾病予防管理センター(CDC)など国際的なガイドラインに準ずる形で施行されてきた.しかしながら,これらには少なからず日本の臨床現場に合致しない内容も含まれている.日本外科感染症学会では,わが国の実状に即したEBMに基づくガイドラインを作成し,本ポケット版はそのエッセンスを抽出したものである.

関連書籍

ページの先頭へ戻る

目次

Contents

作成組織

ポケット版の出版に寄せて

略語一覧

序  章 ガイドラインの目的,使用法,作成方法
 1 本ガイドラインの目的
 2 対象利用者
 3 対象疾患
 4 本ガイドライン利用上の注意
 5 本ポケット版使用にあたっての注意
 6 本ガイドラインの作成経過

第1章 SSIの定義,頻度,リスク因子
 CQ1-1 SSIの定義は?
 CQ1-2 消化器外科領域のSSIの発生頻度は?
 CQ1-3 消化器外科領域手術におけるSSI発症のリスク因子は?
 CQ1-4 SSI発症に伴う医療経済的影響は?
 CQ1-5 SSI対策の費用対効果は?

第2章 SSIの診断基準,サーベイランス,分離菌
 CQ2-1 SSIの診断基準にはどのようなものがあるか?
 CQ2-2  SSIサーベイランスの有用性は?
 CQ2-3 消化器外科手術後SSI予防のための適切なサーベイランス方法は?
 CQ2-4 消化器外科手術後SSIの分離菌とその経年変化は?

第3章 術前処置
 CQ3-1 術前の鼻腔黄色ブドウ球菌保菌者はSSI発生率が高いか?
 CQ3-2 鼻腔黄色ブドウ球菌保菌患者に対する術前decolonizationはSSI予防に有用か?
 CQ3-3 MRSA以外の多剤耐性菌保菌者では予防抗菌薬を変更するか?
 CQ3-4 栄養状態不良の患者における術前栄養状態改善はSSI予防に有用か?
 CQ3-5 栄養不良のない患者における術前免疫調整栄養管理はSSI予防に有用か?
 CQ3-6 術前の禁煙はSSI予防に有用か?
 CQ3-7 術前の禁酒はSSI予防に有用か?
 CQ3-8 術前のステロイド,免疫調整薬の減量はSSI予防に有用か?
 CQ3-9 腸管前処置はSSI予防に有用か?
 CQ3-10 クロルヘキシジンのシャワーや入浴がSSIを予防するか?
 CQ3-11 バリカン(クリッパー)除毛は剃毛よりもSSI予防に有用か?

第4章 予防抗菌薬投与
 CQ4-1 予防抗菌薬の適応術式は?
 CQ4-2 予防抗菌薬投与の適切なタイミングは?
 CQ4-3 予防抗菌薬の術中再投与のタイミングは?
 CQ4-4 予防抗菌薬の投与期間は?

第5章 術中処置
 CQ5-1 スクラブ法とラビング法では,どちらがSSI予防に有用か?
 CQ5-2 消化器外科手術の術野消毒では,どの消毒薬がSSI発生予防に有用か?
 CQ5-3 粘着式ドレープはSSI予防に有用か?
 CQ5-4 創縁保護器具はSSI予防に有用か?
 CQ5-5 術中の手袋交換や二重手袋,術中再手洗いはSSI予防に有用か?
 CQ5-6 術中の手術器具交換はSSI予防に有用か?
 CQ5-7 抗菌吸収糸はSSI予防に有用か?
 CQ5-8 創洗浄はSSI予防に有用か?
 CQ5-9 閉創前の腹腔内洗浄はSSI予防に有用か?
 CQ5-10 消化器手術後にドレーン留置することで,SSIは減少するか?
 CQ5-10-1 胃癌手術後のドレーン留置はSSI予防に必要か?
 CQ5-10-2 腹腔鏡下胆?摘出術後のドレーン留置はSSI予防に有用か??
 CQ5-10-3 胆道再建のない肝切除術後にドレーン留置は必要か?
 CQ5-10-4 膵頭十二指腸切除術後の腹腔内ドレーン留置はSSI予防に有用か?また,留置したドレーンは早く抜去するほうがSSI予防に有用か?
 CQ5-10-5 虫垂切除術後の腹腔内ドレーン留置はSSI予防に有用か?
 CQ5-10-6 結腸・直腸癌手術後の腹腔内吻合や腹膜外吻合のドレーン留置はSSI予防に有用か?
 CQ5-10-7 消化器外科手術後の皮下ドレーン留置はSSI予防に有用か?
 CQ5-11 創閉鎖,縫合糸,生体接着剤
 CQ5-11-1 消化器外科手術における一次切開創の創閉鎖での真皮縫合では,吸収糸ほうが非吸収糸よりもSSIを減らせるか?
 CQ5-11-2 消化器外科手術後の創閉鎖では,連続縫合と結節縫合でSSI発生率に差はあるか?
 CQ5-11-3 消化器外科手術の切開創閉鎖では,吸収糸による真皮縫合のほうがステープラーによる創閉鎖よりもSSIを減らせるか?
 CQ5-11-4 腹腔鏡下手術後のポート創閉鎖での生体接着剤使用は,縫合に比べてSSIを低下させるか?

第6章 周術期管理
 CQ6-1 周術期管理プログラムはSSI予防に有用か?
 CQ6-2 術直前の炭水化物負荷はSSI予防に有用か?
 CQ6-3 SSI予防に有用な周術期の血糖管理目標は?
 CQ6-4 周術期口腔機能管理(口腔ケア)はSSI予防に有用か?
 CQ6-5 術中の保温はSSI予防に有用か?
 CQ6-6 周術期の高濃度酸素投与はSSI予防に有用か?
 CQ6-7 早期経口摂取,早期経腸栄養はSSI予防に有用か?

第7章 創傷管理
 CQ7-1 消化器外科手術後の創保護材の使用によってSSIを予防できるか?
 CQ7-2 消化器外科手術創でのNPWTはSSI予防に有用か?

索  引

ページの先頭へ戻る

序文

ポケット版の出版に寄せて

  術後感染症は手術部位感染(surgical site infection:SSI)と遠隔部位感染(remote infection:RI)に大別されます.SSIはさらに切開創SSIと臓器/体腔SSIに分けられます.前者は鏡視下手術の増加で発症率が減少してきており,また近い将来に汚染の高い開腹手術におけるNPWT(陰圧閉鎖療法)の予防的使用が認可されれば,さらに減少するものと予想されます.
  学会待望の『消化器外科SSI予防のための周術期管理ガイドライン2018』は2018年11月に発刊されました.わが国の医療事情も考慮したガイドラインであり,今後長期にわたって日本の周術期管理に貢献していくものと期待しています.そして今回,さらに多くの方に使用していただけるように,ポケット版を出版いたしました.
  このポケット版は,ガイドラインのクリニカルクエスチョン(CQ)や推奨度などのエッセンスを抽出したものですので,実際に臨床で使用するにあたってはガイドラインの本文を参照してください.ガイドラインは冊子以外にも日本外科感染症学会のホームページなどでも公開していますので,ぜひご参照ください.
  働き方改革が提唱され,われわれ外科医の労働時間を短縮するにあたって,術後合併症を減少させることがますます重要な意味をもつことは明らかです.本ガイドラインが手術患者さんはもちろんのこと,外科医の負担を軽減し,病院の利益と国益に貢献することを期待しております.
  最後に,本ガイドラインの作成にご尽力いただいた関係各位(委員,評価者)の皆様に心より御礼申し上げます.

  2019年5月吉日
日本外科感染症学会 理事長
草地信也