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臨床医必読 最新IgG4関連疾患 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:臨床医必読 最新IgG4関連疾患 改訂第2版

関西医科大学医学部内科学第三講座

岡崎 和一(おかざき かずいち) 編集主幹

松本歯科大学歯学部内科学

川 茂幸(かわ しげゆき) 編集主幹

がん・感染症センター都立駒込病院消化器内科

神澤 輝実(かみさわ てるみ) 編集

長崎大学大学院医歯薬学総合研究科先進予防医学共同専攻リウマチ・膠原病内科学分野

川上 純(かわかみ あつし) 編集

金沢大学附属病院リウマチ・膠原病内科

川野 充弘(かわの みつひろ) 編集

札幌医科大学医学部免疫・リウマチ内科学

髙橋 裕樹(たかはし ひろき) 編集

福岡大学医学部腎臓・膠原病内科

中島 衡(なかしま ひとし) 編集

倉敷中央病院病理診断科

能登原 憲司(のとはら けんじ) 編集

改訂第2版 B5判 並製 240頁 2019年12月06日発行

ISBN9784787824394

定価:5,720円(本体価格5,200円+税)
  

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日本より発信された疾患概念であるIgG4関連疾患.初版発行の2015年より4年が経ち,新たな臓器別診断基準や国際的な分類基準など,この間の研究成果を余すところなく盛り込み,最新情報にアップデート.初版同様、世界を牽引してきた本疾患各領域のわが国を代表する第一線の研究者らによって,最新の研究から,病態・病理・診断・検査・治療・予後など日常臨床の場で求められる情報まで網羅した,臨床医必読の1冊.

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目次

口 絵
改訂第2版序文  岡崎和一/川 茂幸
初版序文  岡崎和一/川 茂幸
執筆者一覧

Ⅰ IgG4関連疾患の概要(総論)
 1.IgG4関連疾患の概念と病態生理  岡崎和一/内田一茂
 2.疫 学  内田一茂/岡崎和一
 3.発見の経緯と研究の歴史  川 茂幸
 4.IgG4関連疾患の診断法
    IgG4関連疾患包括診断の作成経緯  梅原久範/岡崎和一
    基本コンセプトと内容―診断項目とアルゴリズム  梅原久範/岡崎和一
    臓器別診断基準との関係  梅原久範/岡崎和一
    2019 ACR and EULAR Classification Criteria for IgG4-Related Disease  梅原久範/岡崎和一
 5.IgG4関連疾患の診断総論  川上 純/折口智樹
 6.IgG4関連疾患の治療総論  神澤輝実
 
Ⅱ 臓器別病変の診断と治療
 1.中枢神経病変
    病 態  島津 章
    病 理  島津 章
    検査・診断  豊田圭子
    治療と予後  島津 章
 2.眼病変
    病態・病理  大島浩一/曽我部由香
    検査・診断  後藤 浩
    治療と予後  高比良雅之
 3.唾液腺病変
    病 態  森山雅文/中村誠司
    病 理  能登原憲司
    検 査  山本元久/田中廣壽
    診 断  坪井洋人/住田孝之
    治療と予後  髙橋裕樹
 4.甲状腺疾患
    病 態  赤水尚史/竹島 健
    病 理  李 亜瓊/覚道健一
    検査・診断  赤水尚史/竹島 健
    治療と予後  西原永潤
 5.呼吸器病変
    病 態  山本 洋/久保惠嗣
    病 理  寺崎泰弘
    検査・診断  川上 聡/藤永康成
    治療と予後  松井祥子
 6.自己免疫性膵炎
    病 態  浜野英明
    疫 学  正宗 淳/菊田和宏
    病 理  能登原憲司
    検 査  西野隆義/土岐文武
    診 断  下瀬川 徹
    治 療  窪田賢輔
    予後―特に慢性膵炎への移行について  新倉則和/川 茂幸
    病因①―免疫学的背景  内田一茂/岡崎和一
    病因②―免疫遺伝学的背景  太田正穂/川 茂幸
 7.硬化性胆管炎
    病 態  中沢貴宏
    病 理  中沼安二
    検 査  大原弘隆/中沢貴宏
    診 断  乾 和郎
    治療と予後  田中 篤
 8.肝病変
    病 態  梅村武司
    病 理  中沼安二
    検査・診断  梅村武司
    治療と予後  梅村武司
 9.消化管病変
    概念と病態  神澤輝実
    診 断  能登原憲司
 10.腎病変・泌尿器病変
    病 態  中島 衡
    病 理  原 怜史/長田道夫
    検 査  西 慎一
    診 断  川野充弘
    治療と予後  佐伯敬子
 11.後腹膜線維症
    病 態  平野賢二
    病 理  福嶋敬宜
    検査・診断  井上 大
    治療と予後  木下秀文
 12.動脈病変
    病 態  石坂信和
    病 理  笠島里美
    検査・診断  井上 大
    治療と予後  石坂信和
 13.リンパ節病変
    病態・病理  佐藤康晴/吉野 正
    検査・診断  佐藤康晴/吉野 正
    治療と予後  正木康史
 14.皮膚病変
    病 態  戸倉新樹
    病 理  戸倉新樹
    検査・診断  八木宏明
    治療と予後  濱口儒人

Ⅲ IgG4関連疾患の鑑別
 1.消化器系  渡邉貴之
 2.リウマチ・膠原病疾患,リンパ節疾患  川野充弘
 3.IgG4関連疾患と鑑別を要する全身疾患の画像所見  小山 貴

Ⅳ IgG4関連疾患と合併症
 1.糖尿病  河邉 顕/伊藤鉄英
 2.が ん  塩川雅広/児玉裕三

索 引

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序文

改訂第2版序文

 IgG4関連疾患(IgG4—related disease : IgG4—RD)は,自己免疫性膵炎(autoimmune pancreatitis:AIP)とともにわが国から発信された疾患であり,第1回IgG4—RD国際シンポジウム(2011年)において疾患概念や疾患名のコンセンサスが得られてから,約10年が経過しつつあります.この間,疾患概念の普及に伴い,包括診断基準をはじめ,涙腺・唾液腺炎(Mikulicz病),AIP,硬化性胆管炎,後腹膜線維症,腎,呼吸器,循環器,中枢神経,内分泌病変などに対する臓器特定的診断基準が策定されてきました.また1型AIP,IgG4関連硬化性胆管炎においては,わが国独自の診療ガイドラインの策定・改訂などもなされてきました.これらの研究はIgG4—RDを対象とする厚生労働省難治性疾患研究班と関連学会によるオールジャパン体制で進められ,世界に発信されてきました.さらに第3回IgG4—RD国際シンポジウム(2017年2月)では,日本と欧米間で多中心性Castleman病(multi—centric Castleman disease)に対する認識の違いがあるとはいえ,マサチューセッツ総合病院(MGH)のStone教授から特異度をより重視した分類基準(Classification Criteria)が提案され,国際的多施設共同研究のValidation studyにより特異度・感度ともに優れた診断能をもつことが示されました(2019年9月).
 治療においては,現状ではステロイドが第一選択であるものの,難治例や再燃例などにおける臓器ごとの最適な治療法についてのコンセンサスは得られつつあるも,いまだ確立されておらず,今後の課題です.
 一方,いまだ病因病態は不明であるものの,GWASによる疾患関連遺伝子,新規標的抗原,自然免疫系異常など,解明に関する研究の進歩もみられており,病因解明も近い将来なされるものと思われます.わが国でも,今後国際的な共同研究・共同治験ができるように,AMEDプラットフォームによるIgG4—RDレジストリが構築され,厚労省難治性疾患研究班と関連学会を中心として,エビデンスの高い前向きの研究体制が整いつつあります.
 以上を背景に,今般,本書が改訂上梓されることは,実に時宜を得た企画であり,企画・編集・執筆にあたられた関係各位に深く感謝致します.執筆陣は初版と同じく,本疾患の診療や研究において,これまで世界を牽引してきたわが国を代表する第一線の研究者や新進気鋭の研究者であり,最新の情報が網羅された内容となっています.研究だけでなく日常診療における成書としても不足はないものと,初版と同じく内心自負しております.本書により本疾患がさらに深く理解され,診療の質が向上することにより,患者さんのQOLに資すれば,編集主幹として望外な喜びであります.
 最後に本書の改訂にあたり,企画から出版まで御尽力いただいた「診断と治療社」編集部の皆様に深謝致します.

 令和元年9月


編集主幹
関西医科大学医学部内科学第三講座 岡崎和一
松本歯科大学歯学部内科学 川 茂幸




初版序文

 IgG4関連疾患(IgG4‒related disease:IgG4‒RD)は,種々の免疫異常や血中IgG4高値に加え,膵,肝胆,唾液腺・涙腺,後腹膜腔など,全身臓器に線維化とIgG4陽性形質細胞浸潤,閉塞性静脈炎などを認める原因不明の特異な疾患群として,わが国より発信された新しい疾患概念です.2011年10月の第1回国際シンポジウム(International Symposium on IgG4‒related disease)では,わが国から提唱された包括的名称であるIgG4‒RDとともに各臓器病変の名称のコンセンサスも得られました.しかしながら,類似しているとはいえ,臨床病理像は臓器ごとに多少異なり,包括診断基準だけでは診断困難な臓器病変もあることより各臓器の特異性をふまえた臓器診断基準も提唱されつつあります.また治療においては,ステロイドが第一選択であるものの,難治例や再燃例などにおける臓器ごとの最適な治療法についての国際的コンセンサスはいまだ得られていないのが現状です.さらに病因・病態解明の研究は今後の大きな課題でもあります.折しも,本疾患は2015年7月より新たな難治性疾患として厚労省から指定され,臨床の現場からは本疾患の病態,診断,予後に関する領域横断的な最新情報が求められています.
 以上を背景に,今般,本書が上梓されることは実に時宜を得た企画であり,企画・編集・執筆にあたられた関係各位に深く感謝致します.執筆陣は本疾患の診療や研究において,これまで世界を牽引してきたわが国を代表する第一線の研究者ばかりであり,最新の情報が網羅された内容となっています.研究だけでなく日常診療における成書としても不足はないものと内心自負しております.本書により本疾患が深く理解され,診療の質が向上することにより患者さんのQOLが改善すれば,編集主幹として望外な喜びであります.
 最後に本書の企画から出版まで御尽力いただいた「診断と治療社」編集部の皆様に深謝致します.

 平成27年8月


編集主幹
関西医科大学医学部内科学第三講座 岡崎和一
信州大学総合健康安全センター 川 茂幸