PT・OT・ST・心理職のための
高次脳機能障害・精神医学・心理学 必修キーワード診断と治療社 | 書籍詳細:高次脳機能障害・精神医学・心理学 必修キーワード
川崎医療福祉大学学長
椿原 彰夫(つばはら あきお) 著
初版 A5判 並製 240頁 2020年11月27日発行
ISBN9784787824790
定価:4,180円(本体価格3,800円+税)冊
高次脳機能障害による多彩な症状に治療対応する医療スタッフ・リハビリ・介護職,学生のためのわかりやすい用語解説集.厳選1400余語.精神医学や心理学などもカバーした,国試・実習レポ,論文まで幅広く活用できる一冊.
関連書籍
ページの先頭へ戻る
目次
ページの先頭へ戻る
序文
序
40 年も前のことになりますが,リハビリテーション科医として駆け出しの頃に,「明らかな筋力低下がないのに上手に歩けない」という症例を経験いたしました.そのときに,鹿島晴雄先生(前 慶應義塾大学医学部教授)にご診察をいただき,はじめて歩行失行の存在を知ることとなりました.それを契機として高次脳機能障害に興味を抱き,先生の翻訳されたルリヤの名著『神経心理学の基礎』を勉強するようになりました.今思えばわかりやすく記述されている教科書なのですが,浅学非才の私には,一つひとつの単語でつまずいて,調べる時間のほうが何倍も多かったことを記憶しています.また,同じ意味を現す単語であるのに,他の教科書では異なる用語で記載されている場合が少なくないことに気づき,眩暈がする思いでした.当時は簡単に情報を知ることができる辞書もなく,何冊も教科書を買い込んでは見比べてみたものです.この経験が発端となって,いつかは初学者や学生さんに便利な用語解説集をつくらなければと考え,本書の出版に至ったということです.
本書を書き始めた頃に,高次脳機能障害に関する用語の解説のなかに,精神医学や心理学の分野で使用されている用語が多数登場することに気づきました.初学者にとっては,精神医学や心理学の用語を理解することも容易ではないと考え,素人ではありましたが,その分野の用語の解説もあわせて加えることといたしました.難しい専門用語は別に項目を立てて解説し,この1 冊でほとんどの用語を理解できるよう心がけたつもりです.
本書は用語解説集ではありますが,「同義語・類似語」および「関連語」を順番に追いかけるようにして読んでいくと,その用語の位置づけや大枠が体系的に理解でき,あたかも教科書を読んでいるかのように学習することが可能です.また,一つひとつの用語を浅く理解することを心がけておりますので,神経質になることなく学習することができ,記憶することも容易です.これから高次脳機能障害学や精神医学を勉強したいと考えている方々や,国家試験を受ける際に短期間で学びたいという学生さんに,ぜひ熟読していただきたいと思います.
令和2 年10 月吉日
椿原 彰夫