発達障害のある子へのことば・コミュニケーション指導の実際 改訂第2版診断と治療社 | 書籍詳細:発達障害のある子へのことば・コミュニケーション指導の実際 改訂第2版
評価からスタートする段階的指導
(公社)発達協会王子クリニック院長,東京医科歯科大学小児科臨床教授,医学博士,小児科専門医,小児神経専門医,子どものこころ専門医
石﨑 朝世(いしざき あさよ) 監修・執筆
(公社)発達協会常務理事,早稲田大学教育・総合科学学術院,言語聴覚士/精神保健福祉士/社会福祉士/公認心理師
湯汲 英史(ゆくみ えいし) 編集・執筆
(公社)発達協会,言語聴覚士/公認心理師
飯田 祐美(いいだ ゆみ) 執筆
(公社)発達協会,早稲田大学非常勤講師,言語聴覚士/精神保健福祉士/社会福祉士/公認心理師
小倉 尚子(おぐら なおこ) 執筆
(公社)発達協会王子クリニック,言語聴覚士/公認心理師
鈴木 さやか(すずき さやか) 執筆
言語聴覚士
曽根 貴子(そね たかこ) 執筆
(公社)発達協会,上智大学非常勤講師,言語聴覚士/精神保健福祉士/社会福祉士/公認心理師
一松 麻実子(ひとつまつ まみこ) 執筆
(公社)発達協会,言語聴覚士/公認心理師
藤野 泰彦(ふじの やすひこ) 執筆
(公社)発達協会王子クリニック,言語聴覚士
本間 慎治(ほんま しんじ) 執筆
(公社)発達協会王子クリニック,言語聴覚士/公認心理師
山下 征己(やました まさき) 執筆
第2版 B5判 並製 176頁 2022年02月03日発行
ISBN9784787825247
ことばとコミュニケーションの領域において,「理解」と「関わり(社会性)」の2軸から子どもの発達段階を把握できる,統一評価表を掲載.子どもの発達段階に見合った適切な指導を進めることができる.改訂第2版では,5章「ことばの広がりを意識した働きかけ」を追加.(公社)発達協会で映像化した,発達障害のある子どもたちと日々関わっている言語聴覚士らによる日常指導内容を紹介.
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目次
序文 改訂第2版に寄せて……石﨑朝世
本書の目的と使い方 改訂第2版に寄せて……湯汲英史
執筆者一覧
第1章 ことばの働きとその発達
1 三つの役割と課題
2 ことばの発達とポイント
3 発達障害とコミュニケーションの際の配慮点
Column 育てたい社会的感情①
Column 育てたい社会的感情②
Column お金を使う
第2章 主な発達障害とことばの特徴
1 知的障害(知的能力障害)の医学とことばの特徴
2 自閉スペクトラム症の医学とことばの特徴
3 学習障害(≒限局性学習症)の医学とことばの特徴
4 注意欠如多動性症(ADHD)の医学とことばの特徴
5 その他のことばの障害の医学とことばの特徴
Column 知的障害はどのような不便があるか
Column 自閉スペクトラム症のある男児の例
Column 「漢字が書けない…」学習障害のある男児の例
Column AACについて
第3章 「理解」と「関わり」の評価
■ 統一評価法
1 評価法の目的と構成
2 評価表の特徴
3 二軸の各項目における評価基準
4 指導課題について
5 補助評価と不適切行動評価
[理解]と[関わり]で見る統一評価法
第4章 指導課題とその実際
0-A 音源定位:音や声に気づく/ちょうだいで渡す
0-B 音源定位:音や声に気づく/「~して」を実行する
1-A 何・誰がわかる/ちょうだいで渡す
1-B 何・誰がわかる/「~して」を実行する
1-C 何・誰がわかる/二語文の理解
2-A 二語文理解/ちょうだいで渡す
2-B 二語文理解/「~して」を実行する
2-C 二語文理解/「あとで」で待てる
2-D 二語文理解/順番を守る
2-E 二語文理解/「勝ちたい」「うまくなりたい」「お兄さんになりたい」という思いがある
3-B 三~多語文の理解/「~して」を実行する
3-C 三~多語文の理解/「あとで」で待てる
3-D 三~多語文の理解/順番を待てる
3-E 三~多語文の理解/順番を守る
3-F 三~多語文の理解/じゃんけんの勝ち負け,あいこがわかる(3人以上)
4-C 重文・複文の理解/「あとで」で待てる
4-D 重文・複文の理解/順番を守る
4-E 重文・複文の理解/「勝ちたい」「うまくなりたい」「お兄さんになりたい」という思いがある
4-F 重文・複文の理解/じゃんけんの勝ち負け,あいこがわかる(3人以上)
4-G 重文・複文の理解/教室の中でのルールや,社会のルールがわかる
5-D 絵本・アニメの筋に興味を持つ/順番を守る
5-E 絵本・アニメの筋に興味を持つ/「勝ちたい」「うまくなりたい」「お兄さんになりたい」という思いがある
5-F 絵本・アニメの筋に興味を持つ/じゃんけんの勝ち負け,あいこがわかる(3人以上)
5-G 絵本・アニメの筋に興味を持つ/教室の中でのルールや,社会のルールを守る
5-H 絵本・アニメの筋に興味を持つ/場面に合わせた行動をする
6-E 伝言を理解・実行する/「勝ちたい」「うまくなりたい」「お兄さんになりたい」という思いがある
6-F 伝言を理解・実行する/じゃんけんの勝ち負け,あいこがわかる(3人以上)
6-G 伝言を理解・実行する/教室の中でのルールや,社会のルールを守る
6-H 伝言を理解・実行する/場面に合わせた行動をする
6-I 伝言を理解・実行する/計画的な行動をする
7-F マンガなどを読んで理解する/じゃんけんの勝ち負け,あいこがわかる(3人以上)
7-G マンガなどを読んで理解する/教室の中でのルールや,社会のルールを守る
7-H マンガなどを読んで理解する/場面に合わせた行動をする
7-I マンガなどを読んで理解する/計画的な行動をする
8-G 他者の気持ちを推測し行動する/教室の中でのルールや社会のルールを守る
8-H 他者の気持ちを推測し行動する/場面に合わせた行動をする
8-I 他者の気持ちを推測し行動する/計画的な行動をする
Column 相手が喜ぶことを知る
Column 時間に合わせて行動する
Column 相手の気持ちを考える
第5章 ことばの広がりを意識した働きかけ
実際の指導場面を映像で学ぶ
1 ことばの発達とその指導
2 ことばの発達を促す指導① ~前言語期~
3 ことばの発達を促す指導② ~発語が始まった段階~
4 ことばの発達を促す指導③ ~二語文・三語文から統語(助詞)まで~
5 語彙を広げていく指導
6 言語表出手段の獲得に向けて
7 会話の発達に向けた質問―応答関係の指導
8 日常会話の拡大に向けて 疑問詞の理解を促す課題を中心に
Column 教えたい関わりことば
索 引
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序文
序文 改訂第2版に寄せて
どんな子ども達も,できれば人とうまく関わりたいという気持ちを持っています.人と会って緊張してしまう子ども,人と関わるのが苦手な自閉スペクトラム症の子ども,話したいことはあるけれどうまく話せない子どもなど,いろいろな子ども達がいますが,本当は,皆,人と関わりたいのです.話したいのです.子ども達は,人と関わり,人の言うことを聞き,人と話し,また,人のすることを見ながら,様々なことを学んでいきます.そして,皆,社会の中で居場所をみつけたいと思っています.そのためには,ことばに限らず,その人なりのコミュニケーション能力が上がることが大切です.この本は,子ども達,人の関わりが苦手な青年達も含め,コミュニケーション能力を伸ばし,様々なことを学びながら,いきいきと社会生活を営むことができるようにと願ってつくられました.なお,この本の主な執筆者は発達協会に属する言語聴覚士・公認心理師です.発達協会は,40年余り,子ども達が「その子どもなりの自立をして,いきいきと社会参加をする」ということを目標に発達援助をしてきました.ことばについても,真のコミュニケーションにつながることばが育まれるように指導にあたってきました.そして,その長期にわたる指導の経験と,新たな研究から,発達援助に役立つ発達評価法とそれぞれの発達段階に見合った指導法を提案するに至りました.本書では,それを紹介しています.また,様々な発達の問題を持つ子ども達の特徴を解説し,それぞれの子どもを理解して,子どもに関われるように配慮しました.医学的な考え方や治療にもふれていますので,子どもの発達に関わる医療現場や医療との連携にも役立つかと考えます.
本書が,子ども達の発達に少しでも寄与ができたら,また,子ども達に関わる多くの方々の参考になればとよいと願っています.
最後に,われわれに多くを学ばせてくださった,発達協会に関わった子ども達やご家族,発達協会の諸先輩や仲間に深謝したいと思います.
2022年1月
(公社)発達協会王子クリニック院長 石﨑朝世
東京医科歯科大学小児科臨床教授
医学博士,小児科専門医,小児神経専門医,子どものこころ専門医