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CASE FILES 小児科診断と治療社 | 書籍詳細:CASE FILES 小児科

東京慈恵会医科大学小児科学講座 主任教授

大石 公彦(おおいし きみひこ) 総監訳

東京慈恵会医科大学附属病院小児科 講師

櫻井 謙(さくらい けん) 監訳

東京慈恵会医科大学附属病院小児科 講師

平野 大志(ひらの だいし) 監訳

東京慈恵会医科大学附属病院小児科 助教

熊澤 健介(くまざわ けんすけ) 監訳

東京慈恵会医科大学附属病院小児科 助教

安藤 達也(あんどう たつや) 監訳

初版 B5判 並製ソフトカバー,2色刷 592頁 2022年11月22日発行

ISBN9784787825438

定価:7,920円(本体価格7,200円+税)

ロングセラー書籍の翻訳版.小児科で比較的よく遭遇する60疾患について,患者との出会いから診断,治療,予後まで,臨場感あふれる形で紹介されている.各クリニカルケースには,シナリオ,疾患概要,学習目標,臨床上の重要事項,用語の定義,アプローチ方法,知識確認のためのUSMLE形式の問題,クリニカルパールが付されており,まるでベッドサイドで指導医の回診を受けているかのようである.小児を診る医師必読の1冊.

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目次

監訳者序文 大石公彦
監訳・翻訳者

編集者
献辞 熊澤健介 訳
校閲者
執筆者
序 熊澤健介 訳
謝辞 熊澤健介 訳
はじめに 熊澤健介 訳
症例リスト 熊澤健介 訳

SECTION I 臨床問題へのアプローチ方法 
Part 1 患者へのアプローチ 櫻井 謙 訳
Part 2 臨床問題解決へのアプローチ 櫻井 謙 訳
Part 3 読み方へのアプローチ 櫻井 謙 訳

SECTION II クリニカルケース
CASE 1 乳児湿疹 藤田哲丸/石川尊士 訳
CASE 2 糖尿病母体の児 山内健人/田知本寛 訳
CASE 3 新生児高ビリルビン血症 福澤志保/権守延寿 訳
CASE 4 敗血症とB群溶血性連鎖球菌感染症 本間大器/村木國夫 訳
CASE 5 薬物誤飲 渡辺健太/池本 智 訳
CASE 6 新生児単純ヘルペスウイルス感染症 野竹慎之介/飯島正紀 訳
CASE 7 食道閉鎖症 寺尾彩子/鳥山泰嵩 訳
CASE 8 新生児一過性多呼吸 廣中 優/齋藤真希 訳
CASE 9 小児眼科疾患 西川円佳/南谷幹之 訳
CASE 10 発育不全/体重増加不良 村崎 亘/星野健司 訳
CASE 11 小児の貧血 松本 怜/笹本武明 訳
CASE 12 くる病 中川 愛/馬場俊輔 訳
CASE 13 血管閉塞症を伴う鎌状赤血球症 成瀨隼人/溜 雅人 訳
CASE 14 肺炎と結核 加嶋菜々子/三輪沙織 訳
CASE 15 直腸出血 野中絵美/村山淳子 訳
CASE 16 急性中耳炎 山岸賢也/本多隆也 訳
CASE 17 骨盤内炎症性疾患 寺尾彩子/吉田賢司 訳
CASE 18 囊胞性線維症 加嶋菜々子/伊藤怜司 訳
CASE 19 急性リンパ芽球性白血病 増田早織/笹本武明 訳
CASE 20 気管支喘息の急性増悪 藤田哲丸/目澤秀俊 訳
CASE 21 乳児突然死症候群 篠崎 梓/星野健司 訳
CASE 22 動脈管開存 多村公晃/小穴愼二 訳
CASE 23 チアノーゼ性先天性心疾患 中村祐輔/斎藤亮太 訳
CASE 24 麻疹 本間大器/田知本寛 訳
CASE 25 鉛中毒 村崎 亘/南谷幹之 訳
CASE 26 スティーヴンス・ジョンソン症候群 齋藤 彩/三輪沙織 訳
CASE 27 細菌性髄膜炎 佐古周平/伊藤怜司 訳
CASE 28 細菌性腸炎 佐古周平/竹内博一 訳
CASE 29 硬膜下血腫 木村玲奈/西山由梨佳 訳
CASE 30 熱性けいれん 岡部史郎/横井健太郎 訳
CASE 31 筋ジストロフィー 篠崎 梓/村木國夫 訳
CASE 32 アトピー性皮膚炎と接触性皮膚炎 橋本 大/斎藤亮太 訳
CASE 33 神経芽腫 橋本 大/松岡 諒 訳
CASE 34 腸回転異常症 中川 愛/吉田賢司 訳
CASE 35 後部尿道弁 庄司洋輔/山田早彌 訳
CASE 36 肘内障(橈骨頭亜脱臼) 山内健人/日暮憲道 訳
CASE 37 免疫性血小板減少性紫斑病 山岸賢也/池本 智 訳
CASE 38 児童虐待 藤賀由梨香/西山由梨佳 訳
CASE 39 川崎病 福澤志保/竹内博一 訳
CASE 40 免疫不全症とヒト免疫不全ウイルス(HIV) 西川円佳/藤多 慧 訳
CASE 41 トリソミー21 成瀨隼人/本多隆也 訳
CASE 42 糖尿病性ケトアシドーシス 木村玲奈/馬場俊輔 訳
CASE 43 閉塞性睡眠時無呼吸症候群 松本 怜/田嶼朝子 訳
CASE 44 成長ホルモン分泌不全性低身長症 多村公晃/角皆季樹 訳
CASE 45 思春期早発症 持田 純/齋藤真希 訳
CASE 46 咽後膿瘍 庄司洋輔/藤多 慧 訳
CASE 47 大腿骨頭すべり症 田原麻由 訳
CASE 48 小児の頭痛 鈴木令奈/日暮憲道 訳
CASE 49 思春期の薬物乱用 岡部史郎/秋山政晴 訳
CASE 50 ターナー症候群 武田桃子 訳
CASE 51 全身性エリテマトーデス 坂口晴英/溜 雅人 訳
CASE 52 溶連菌感染後急性糸球体腎炎 野竹慎之介/角皆季樹 訳
CASE 53 炎症性腸疾患 渡辺健太/小穴愼二 訳
CASE 54 虫垂炎 中村祐輔/石川尊士 訳
CASE 55 急性EBウイルス感染症(伝染性単核球症) 齋藤 彩/田嶼朝子 訳
CASE 56 重症筋無力症 坂口晴英/秋山政晴 訳
CASE 57 若年性特発性関節炎 野中絵美/目澤秀俊 訳
CASE 58 IgA血管炎(アナフィラクトイド紫斑病,ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)
 持田 純/飯島正紀 訳
CASE 59 注意欠如・多動症 藤賀由梨香/松岡 諒 訳
CASE 60 脳震盪 鈴木令奈/権守延寿 訳

SECTION III 復習問題
R-1~7 横井健太郎 訳(問題),(解答)
R-8~14 髙木 健 訳(問題),(解答)
R-15~22 村山淳子 訳(問題),(解答)
R-23~30 平野大志 訳(問題),(解答)


和文索引
欧文-数字索引

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序文

監訳者序文
   
振り返れば,小児科医としての基盤を築いてくれたのは,米国での小児科レジデントの経験,そしてそのための準備であった.私の23年間に及ぶ米国での仕事は基礎医学研究から始まったが,「いつか米国で臨床トレーニングを受けたい」という希望を持ち続けていた.そしてついにニューヨークのマウントサイナイ病院小児科で正式なレジデンシープログラムに参加できるというまたとない機会を得たが,まずは仮採用として1年間にわたるインタビュー(観察)期間を経てから,正式な採用の可否が決定されるという条件が付いていた.つまり,他の正規レジデント達とともに1年間,診療業務にあたる中で毎日指導医の観察を受け,そこで診療能力を証明できなければ正式なレジデントとして認められないということである.すべては自分自身のパフォーマンス次第という,この条件を伝えられた際に,まず手に取ったのが本書の原著版CASE FILES®であった.当時ベッドサイドから離れて久しかった私が探していた実践的な臨床知識が典型的なサンプル症例(bread and butter cases)を核として系統的にまとめられており,それまで個々の疾患についての記載が羅列された従来型の無機質な教科書に慣れていた私にとっては,まさに目から鱗が落ちるコンセプトであった.各症例がシナリオに沿って臨場感をもって展開するのは,まるでベッドサイドで指導医の回診を受けているかのようであった.CASE FILES®は,その後1年間の観察期間を無事に乗り切る助けとなっただけでなく,正式なレジデンシープログラムにおいても,その礎となったのである.
昨年,米国から帰国し,あらためて日本での学生や若手医師の指導のため,小児科の知識全般をおさらいしようと一念発起し,再び原著版CASE FILES®を手に取った.そこで指導医としての新たな視点で読み進めると,本書には,まさに自身が若者達に伝えたいと考えていたエッセンスがぎっしりと詰まっていると同時に,本書がテキサス小児病院の若手医師らによって執筆されていることに気づいた.私自身の米国での経験からも,このような優れたテキストを含めた教育方法やシステム構築においては,日本が米国から学ぶことはまだまだ大きいと感じる.そこで,まずは慈恵医大小児科学講座の若者を中心としたチーム全員で日本語訳版を作ってみよう.きっと私同様,翻訳者にも読者にも良い刺激になるに違いない.そのような発想から本書の翻訳プロジェクトは産声を上げたのである.
本書に記載された診断や治療に関しては米国のスタンダードであり日本のものとは若干異なる.しかし,小児科領域で修得すべき疾患は世界共通であり,本書には普段から遭遇する可能性の高い小児疾患の基本情報が満載されている.そこから得られる知識は,ボーダーレスになりつつある今後の小児医学界でも広く役立つに違いない.本書の活用法については「はじめに」の項(p.xix)をご参照いただきたい.小児科ローテーションの医学生,研修医から小児科専門医を目指すレジデントにとって不可欠な診療知識を効率的に学べるテキストとして,さらには指導医の回診用ガイドブックとしても本書をお役立ていただければ幸いである.

2022年9月吉日
総監訳 大石公彦
東京慈恵会医科大学小児科学講座 主任教授