医学的根拠に裏打ちされながらも,神奈川県立こども医療センターの臨床現場で培われ,そして選び抜かれた最新の知識を盛り込んだ,実践重視の小児科当直医マニュアル最新版.これまで通りの使いやすく,探しやすい箇条書きの表記のまま,改訂第16版では,医療的ケア児について新章を設け,一部の手技について動画も収載した.加えて,判型を大きくし,文字や図表を大きくすることで,読みやすさ,扱いやすさを追求した.
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目次
改訂第16版 序
執筆者一覧
略語一覧
動画再生方法
前 付
前1 小児のアセスメント……上田秀明
前2 診察時の小児・家族への対応……後藤裕明
A.救急,緊急時の対応,手技
1 蘇 生……山田香里
2 急性呼吸不全……永渕弘之
3 けいれん,意識障害,急性脳炎・急性脳症……後藤知英
1 けいれん
2 意識障害
3 急性脳炎・急性脳症
4 頭痛,頭部外傷……広川大輔
1 頭 痛
2 頭部外傷
5 ショック,敗血症性ショック,心不全,心筋炎……梶濱あや
1 ショック
2 敗血症性ショック
3 心不全
4 心筋炎
6 脱水・輸液・熱中症……永渕弘之
7 栄養……高増哲也
8 腹痛,嘔吐,下血・吐血……北河徳彦
1 腹 痛
2 嘔 吐
3 下血・吐血
9 紫斑・出血傾向……岩﨑史記
1 血友病
2 von Willebrand病(VWD)
3 先天性血栓性素因
4 播種性血管内凝固症候群(DIC)
5 免疫性血小板減少症(ITP)
10 発疹を伴う感染症……鹿間芳明
11 輸 血……浜之上 聡
12 中毒,異物誤飲・誤嚥……森 里美
1 中 毒
2 異物誤飲・誤嚥
13 熱傷,溺水
1 熱 傷……小林眞司
2 溺 水……清水寛之
B.重篤な症状をもたらす疾患とその治療
14 不整脈……柳 貞光
15 肝不全……新開真人
16 イレウス(腸閉塞)……北河徳彦
17 急性腎障害……松村壮史
18 急性副腎不全……花川純子
19 低血糖……室谷浩二
20 糖尿病性ケトアシドーシス……室谷浩二
21 高アンモニア血症……室谷浩二
22 気管支喘息(急性発作)……犬尾千聡
23 クループ症候群……犬尾千聡
24 食物アレルギー・アナフィラキシー……犬尾千聡
25 川崎病……今川智之
26 食中毒・腸管感染症……鹿間芳明
27 Oncologic emergencies……横須賀とも子
28 チアノーゼをきたす先天性心疾患の救急対応……上田秀明
29 児童虐待・ネグレクト……田上幸治
30 早産低出生体重児・新生児……下風朋章
31 細菌性髄膜炎,感染性心内膜炎……今川智之
1 細菌性髄膜炎
2 感染性心内膜炎
C.重症心身障害児を含む医療的ケア児の対応
32 重症心身障害児を急患で診る際の注意点……井合瑞江
33 体温の異常……辻 恵
34 嘔吐・胃食道逆流症・胃内停滞残留物(胃残)・腹部膨満……臼井秀仁
35 筋緊張亢進,てんかん……後藤知英
1 筋緊張亢進
2 てんかん
36 尿 閉……西 盛宏
37 気道症状……辻 恵
38 骨 折……大庭真俊
39 皮膚対応……鈴木真由子・新開真人・馬場直子
40 経管栄養・胃瘻・腸瘻……臼井秀仁
41 気管切開管理における応急対応……星野陸夫
42 人工呼吸管理の患者対応……星野陸夫
D.他科領域
43 耳鼻咽喉科:当直対応が必要となる耳鼻咽喉科疾患……井上真規
44 眼科:当直対応が必要となる眼科疾患……浅野みづ季
45 皮膚科:当直対応が必要となる皮膚科疾患……馬場直子
46 外科:腸重積症,外鼠径ヘルニア嵌頓の整復,便秘,虫垂炎……北河徳彦
1 腸重積症の整復
2 外鼠径ヘルニア嵌頓の整復
3 便 秘
4 虫垂炎
47 泌尿器科:血尿・尿閉……林 千裕
48 整形外科:化膿性関節炎・化膿性骨髄炎・肘内障……大庭真俊
49 精神科:緊急時の向精神薬(不眠,興奮などへの対応)……庄 紀子
50 歯科救急……成瀬正啓
51 静脈栄養……北河徳彦
52 疼痛緩和……堀木としみ
E.薬 剤
53 常用処方・薬剤……黒田友紀子
54 抗菌・抗真菌・抗ウイルス薬……鹿間芳明
1 各種感染症における抗菌薬の選択
2 手術部位感染症の予防的抗菌薬
3 抗菌・抗真菌・抗ウイルス薬剤一覧
55 ICU汎用薬……永渕弘之
1 ICU汎用薬
2 使用薬剤の微量点滴静注用溶液作成法
付 録
付1 標準身長・体重・頭囲……室谷浩二
付2 体表面積……室谷浩二
付3 隔離を必要とする小児伝染性疾患早見表……鹿間芳明
付4 小児在宅医療をはじめて:知ってよかったトップ30……星野陸夫
索 引
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序文
改訂第16版 序
前回改訂から約4年を経て,このたび小児科当直医マニュアル改訂第16版をお届けいたします.
およそ半世紀前に初版が発行されたこのマニュアルは,もともと神奈川県立こども医療センターの小児科医たちが当直業務を行うにあたって,できるだけ共通の方針と水準で診療が行われるように作成されました.時代の変遷や医療の進歩にあわせて改訂を重ねてきましたが,臨床の場で役に立つような実践重視のコンセプトに変わりはありません.小児科医のみならず,小児を診る機会のある内科医,外科医にも実際の臨床で直ちに役立つことを目指して作成されました.改訂第16版では現代小児医療のなかで大きなウエイトを占めるに至った「医療的ケア児」の診療を独立した章として設けました.
第15版までは,白衣のポケットに入る大きさを基準に判型を選んできましたが,網羅すべき内容の増加に伴い,読みやすさ・見やすさを優先して,この改訂版では判型が従来と比べて大きくなっています.電子版を利用される医師が増えたこともその理由のひとつです.一部の手技について,動画による解説も作成しました.それぞれの項目に掲載されたQRコードから再生できますのでご活用ください.絵や文章だけではイメージしづらい手技がわかりやすく実演されています.
このマニュアルが,手に取ってくれたみなさんの日常診療に役立つことを祈念しております.
2023年12月
責任編集 町田 治郎
後藤 裕明
星野 陸夫