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書籍詳細

レジデント&ジェネラリストのための
アレルギー診療必携ガイド診断と治療社 | 書籍詳細:アレルギー診療必携ガイド

埼玉医科大学医学部呼吸器内科教授

永田 真(ながた まこと) 編集

初版 A5判 並製 288頁 2024年07月02日発行

ISBN9784787826473

定価:5,280円(本体価格4,800円+税)
  

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アレルギー疾患は,一般内科,小児科,救急現場でよく遭遇するcommon disease.アナフィラキシーショックの対応や,現場で必要とされる適切な初期対応の手順,紹介のタイミングを見逃さないためのポイントを,レジデントや非専門医に向けわかりやすくまとめました.日常診療で役立つよう,各アレルギーにおける「マストな対応」と「ベストの管理」を目で追いながら,基本知識が学べるようになっています.

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目次

序 文   永田  真
執筆者一覧
本書ナビ
アレルギー患者への対応―基本ポイント  永田  真

Part1  アレルギー患者への対応
1  アナフィラキシーへの対応と再発予防    永田  真
2  気管支喘息(成人)    長瀬洋之
3  気管支喘息(小児)    板澤寿子
4  長引く咳(咳喘息,アトピー咳嗽など)    新実彰男
     Column  難治例に関する新しい概念と治療
5  花粉症    後藤  穣
6  通年性アレルギー性鼻炎    岡野光博
7  好酸球性副鼻腔炎・中耳炎    高林哲司
     Column  鼻茸と凝固・線溶系の制御異常
8  アトピー性皮膚炎(成人)    佐伯秀久
9  アトピー性皮膚炎(小児)    濱野祥子,成田雅美
10  蕁麻疹    中原剛士
11  アレルギー性結膜炎    海老原伸行
12  薬剤アレルギー    山口正雄
13  ラテックスアレルギー  宮野恭平
14  食物アレルギー
   果物・野菜    森  詩織,正木克宜
   木の実・豆類    佐藤さくら
   魚介類    鈴木慎太郎
     Column  寄生虫・アニサキスのあれこれ
   肉    千貫祐子
   小麦    森  雄司,近藤康人
     Column  加水分解コムギ
   ソバ,ゴマ    内田義孝
   鶏卵    猪又直子
   牛乳    後藤海人,柳田紀之
     Column  牛乳による新生児・乳児食物蛋白誘発胃腸症
   化粧品・スキンケア関連    長尾みづほ
   経口ダニアナフィラキシー山本貴和子,梅沢洸太郎
     Column  お好み焼き摂取後に発症したアナフィラキシー

Part2  アレルギー診療の基礎知識
1  皮膚テスト    二村恭子
2  IgE抗体検査とコンポーネント検査    堀向健太
3  アレルゲン回避指導の実際
   吸入系アレルゲン    杣  知行
   食物アレルギー    高里良宏,伊藤浩明
4  アレルゲン免疫療法の実際    中込一之

Part 3  おもなアレルギー治療薬    永田  真(監修)
おもな抗アレルギー薬:メディエーター遊離抑制薬
おもな抗ヒスタミン薬(第一世代)
おもな抗ヒスタミン薬(第二世代)
おもな抗アレルギー薬:トロンボキサンA2合成阻害薬/受容体拮抗薬
おもな抗アレルギー薬:ロイコトリエン(LT)受容体拮抗薬
おもな抗アレルギー薬:Th2サイトカイン阻害薬
おもなアレルゲン免疫療法薬
おもな分子標的治療薬
おもなアナフィラキシー治療薬
おもな遺伝性血管性浮腫治療薬
おもな気管支喘息治療薬
おもなアトピー性皮膚炎外用薬
おもなアレルギー性鼻炎点鼻薬
おもなアレルギー性結膜炎点眼薬
おもなステロイド全身療法薬
その他

索引

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序文

わが国には「アレルギー疾患対策基本法」が制定されています.アレルギー疾患の予防と正しい知識の普及,アレルギー診療の均てん化の推進,またアレルギー疾患を有する者の生活の質の維持向上,さらに疫学的・基礎的,また臨床研究の推進などについて定められ,正しいアレルギー診療の推進が法的にもサポートされる国家の方向性が示されているのです.その背景にはアレルギー疾患が国民的なcommon diseasesとして大きな問題となっていることがあります.
アレルギー患者はしばしば一般内科・小児科などのプライマリケアや,また救急医療の場を訪れます.アレルギー疾患のなかには寛解し難くしばしば致命的なアナフィラキシーショックを呈する食物アレルギーや,全身性ステロイドの副作用などの問題も生じる重症喘息などが含まれます.ひとりの患者に同一アレルゲンから複数の疾患が発症することも問題です.たとえば,代表的な生活環境アレルゲンである家塵ダニは,アレルギー性鼻炎・結膜炎,気管支喘息,アトピー性皮膚炎,食物アレルギーのいずれにも関与しえます.花粉症から喘息の増悪が生じたり,また食物アレルギーが発症したりすることも日常的にみられることです.管理・治療にはアレルゲン免疫療法,アレルゲン皮膚テスト,重症例での分子標的治療などが発達していますが,これらを駆使するのはアレルギー専門医に課せられた責務であって,プライマリケアの場では適切な初期対応とともに専門施設への適切な紹介のタイミングを逃さないことがきわめて重要な課題となります.
そこで本書では,レジデントや第一線の医療の場で活躍されるジェネラリストの先生方に知っておいていただきたい病態と診療の基本知識を,専門医紹介への適切なタイミングなどと合わせて提供することを目指し企画させていただきました.本書が,日本のアレルギー診療の土台の向上に貢献できるガイダンス的な1冊となり,ひいてはアレルギー患者さんの役に立っていくことを期待するものです.


2024年5月
永田 真