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書籍詳細

健康寿命を考えた 日常頻用薬の選び方・使い方診断と治療社 | 書籍詳細:健康寿命を考えた 日常頻用薬の選び方・使い方

自治医科大学 名誉教授

藤村 昭夫(ふじむら あきお) 企画編集

浜松医科大学臨床薬理学・呼吸器内科

乾 直輝(いぬい なおき) 分担編集

自治医科大学臨床薬理学・循環器内科学

今井 靖(いまい やすし) 分担編集

順天堂大学医学部消化器内科

大久保 裕直(おおくぼ ひろなお) 分担編集

金沢大学医学部附属病院内分泌・代謝内科

篁 俊成(たかむら としなり) 分担編集

自治医科大学脳神経内科学

藤本 茂(ふじもと しげる) 分担編集

自治医科大学循環器内科学

星出 聡(ほしで さとし) 分担編集

初版 A5判 並製 432頁 2024年11月07日発行

ISBN9784787826510

定価:5,500円(本体価格5,000円+税)

電子版はこちらからご購入いただけます.
※価格は書店により異なる場合がございます.

https://store.isho.jp/search/detail/productId/2406667720
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https://www.m2plus.com/content/isbn/9784787881830
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患者さんの状態にあわせ,「健康寿命」を念頭においた薬の選び方,使い方をわかりやすく解説.高血圧や慢性心不全,糖尿病,消化性潰瘍,脳梗塞など,実臨床でCommon Diseasesとされる22の慢性疾患を取り上げ,それらの疾患でよく使用される薬に関しての質問とそれに対する回答という形で構成.各項目にちりばめられた“My Best処方”“予後予測の目”など,実践的かつ応用的な情報・知識も必ず役立つ!

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目次

序文
執筆者一覧
略語一覧

総論

▶健康寿命とくすり

各論

▶循環器疾患
高血圧
  (1)疾患概要と治療の基本方針
 Ca拮抗薬
  (2)Ca拮抗薬が積極的に使用されるのはどのような場合?
 ACE阻害薬
  (3)ACE阻害薬が積極的に使用されるのはどのような場合?
 ARB
  (4)ARBが積極的に使用されるのはどのような場合?
 利尿薬
  (5)降圧目的の利尿薬に使い分けは必要?
 β遮断薬
  (6)β遮断薬が積極的に使用されるのはどのような場合?
 アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬
  (7)ARNiが積極的に使用されるのはどのような場合?

心房細動
  (8)疾患概要と治療の基本方針
 ワルファリン
  (9)心房細動患者への抗凝固薬としてワルファリンが使われるのはどのような場合?
 Xa阻害薬 ―リバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバン
  (10)心房細動患者への抗凝固薬としてXa阻害薬が使われるのはどのような場合?
 直接トロンビン阻害薬 ―ダビガトラン
  (11)心房細動患者への抗凝固薬として直接トロンビン阻害薬が使われるのはどのような場合?

慢性心不全
  (12)疾患概要と治療の基本方針解説
 強心薬 ―ジギタリス
  (13)心機能低下を伴う,あるいは心機能が保たれている心不全に対するジキタリス使用の適否および用いる場合の使い方は?
 β遮断薬
  (14)心機能低下を伴う,あるいは心機能が保たれている心不全に対するβ遮断薬の適否および用いる場合の使い方は?
 ACE阻害薬,ARB
  (15)心機能低下を伴う,あるいは心機能が保たれている心不全に対するACE阻害薬・ARBの適否および用いる場合の使い方は?
 利尿薬 ―トルバプタン,ループ利尿薬,ANP
  (16)心機能低下を伴う,あるいは心機能が保たれている心不全に対する利尿薬の適否および用いる場合の使い方は?
 MRA
  (17)心機能低下を伴う,あるいは心機能が保たれている心不全に対する抗アルドステロン薬の適否および用いる場合の使い方は?
 アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬
  (18)心機能低下を伴う,あるいは心機能が保たれている心不全に対するアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬 の適否および用いる場合の使い方は?

虚血性心疾患
  (19)疾患概要と治療の基本方針解説
 硝酸薬
  (20)虚血性心疾患の長期予後を見据えた最適薬物療法として,硝酸薬の位置づけは?
 抗血小板薬
  (21)虚血性心疾患の長期予後を見据えた最適薬物療法として,抗血小板薬の位置づけは?
 スタチン
  (22)虚血性心疾患の長期予後を見据えた最適薬物療法として,スタチンの位置づけは?
 Ca拮抗薬
  (23)虚血性心疾患の長期予後を見据えた最適薬物療法として,Ca拮抗薬の位置づけは?
 β遮断薬
  (24)虚血性心疾患の長期予後を見据えた最適薬物療法として,β遮断薬の位置づけは?

▶内分泌代謝疾患
脂質異常症
  (25)疾患概要と治療の基本方針
 HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)
  (26)スタチン不耐と診断する前に,本当にその患者さんはスタチン不耐?
 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(エゼチミブ)
  (27)小腸コレステロールトランスポーター阻害薬はどのような患者に投与する?
 陰イオン交換樹脂(レジン)
  (28)脂質異常症患者で陰イオン交換樹脂(レジン)はどのような患者に投与する?
 プロブコール
  (29)プロブコールは高齢高LDLコレステロール血症の治療に有効?
 フィブラート(SPPARMαを含む)
  (30)高TG血症治療に心血管病予防のエビデンスはある?

糖尿病
  (31)疾患概要と治療の基本方針
 SU薬
  (32)スルホニル尿素薬による低血糖のリスクを減らすためには?
 グリニド薬
  (33)グリニド薬が有効と考えられる患者像は?
 DPP-4阻害薬
  (34)DPP-4阻害薬の有効性と起こりうる有害反応は?
 GLP-1受容体作動薬
  (35)GLP-1受容体作動薬が効果的な病態は?
 α-グルコシダーゼ阻害薬
  (36)α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)が有効と考えられる患者像は?
 チアゾリジン
  (37)チアゾリジン薬が有効または注意が必要な病態は?
 ビグアナイド(メトホルミン)
  (38)古くて新しい薬,メトホルミンの立ち位置は?
 SGLT2阻害薬
  (39)心・腎・肝保護を目指したSGLT2阻害薬の適切な使用方法は?

骨粗鬆症
  (40)疾患概要と治療の基本方針
 ビタミンD製剤
  (41)骨粗鬆症治療薬としてのビタミンD製剤の使い分けは?
 SERM
  (42)骨粗鬆症治療にSERM使用場合,注意すべき有害反応は?
 ビスホスホネート
  (43)骨粗鬆症治療薬としてビスホスホネート製剤を使用する場合の顎骨壊死,非定型骨折の予防法は?
 抗RANKL モノクローナル抗体 ―デノスマブ
  (44)デノスマブの投与間隔の延長により多発椎体骨折が起こるという報告の詳細と対策は?
 副甲状腺ホルモン/副甲状腺ホルモン関連タンパク ―テリパラチド/アバロパラチド
  (45)骨粗鬆症治療薬として副甲状腺ホルモン関連製剤を使用する場合の使い分けは?
 抗スクレロスチン抗体―ロモソズマブ
  (46)ロモソズマブの作用機序と有害反応は?

▶消化器疾患
消化性潰瘍
  (47)疾患概要と治療の基本方針
 プロトンポンプ阻害薬
  (48)H.prlori除菌後にもPPI投与は必要?
 H2受容体拮抗薬
  (49)腎機能低下時のH2受容体拮抗薬の使用法は?

胃食道逆流症
  (50)疾患概要と治療の基本方針
 プロトンポンプ阻害薬
  (51)胃食道逆流症の治療において,PPIとカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の使い分けは?
 H2受容体拮抗薬
  (52)胃食道逆流症の治療において,H2受容体拮抗薬はプロトンポンフ阻害薬(PPI)に比べて長期使用に向かない?

潰瘍性大腸炎・Crohn病
  (53)疾患概要と治療の基本方針
 5-アミノサリチル酸薬
  (54)炎症性腸疾患治療薬としての5-ASA製剤の種類との使い分けは?
 ステロイド
  (55)炎症性腸疾患の治療においてステロイド薬の長期投与は望ましくない?
 免疫調整薬
  (56)免疫調整薬を使用するのはこわくない?
 抗TNF-α抗体薬
  (57)TNF-α抗体製剤はどういう場合に使用する?

過敏性腸症候群
  (58)疾患概要と治療の基本方針
 高分子重合体 ―ポリカルボフィルカルシウム
  (59)高分子重合体 ―ポリカルボフィルカルシウムはどうしてIBS患者に効果があるの?
 5-HT3受容体拮抗薬 ―ラモセトロン
  (60)過敏性腸症候群の治療において,5-HT3受容体拮抗薬は他の薬剤と何が違うの?

▶呼吸器疾患
気管支喘息
  (61)疾患概要と治療の基本方針
 吸入ステロイド
  (62)気管支喘息の治療としてステロイド薬を吸入する場合,ステロイド誘発性の有害反応についての考慮は必要?
 吸入β2刺激薬
  (63)気管支喘息の治療における吸入β2刺激薬の有用性と有害反応は?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  (64)疾患概要と治療の基本方針
 吸入抗コリン薬
  (65)高齢者に吸入の抗コリン薬を使用してもいい?

市中肺炎
  (66)疾患概要と治療の基本方針

▶泌尿器疾患
過活動膀胱
  (67)疾患概要と治療の基本方針
 吸入抗コリン薬
  (68)過活動膀胱の治療薬:どちらがいい? β3作動薬 vs 抗コリン薬

 前立腺肥大症
  (69)疾患概要と治療の基本方針
 α1遮断薬,5α還元酵素阻害薬
  (70)前立腺肥大症の治療薬:α1遮断薬とPED阻害薬 中断するならどっち?

▶腎疾患
糖尿病性腎症
  (71)疾患概要と治療の基本方針
 レニン・アンジオテンシン系阻害薬,SGLT2阻害薬,ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
  (72)アルブミン尿が出現してきた糖尿病患者に対する治療薬は?

痛風・高尿酸血症
  (73)疾患概要と治療の基本方針
 尿酸生成阻害薬,尿酸排泄促進薬
  (74)痛風を合併する高尿酸血症患者の治療薬は?

▶脳神経疾患
脳梗塞
  (75)疾患概要と治療の基本方針
 抗血小板薬
  (76)脳梗塞慢性期に2種類の抗血小板薬を飲み続けていても大丈夫?
 抗凝固薬
  (77)DOACの用量をさじ加減するのは正しい?

てんかん
  (78)疾患概要と治療の基本方針
 ASM
  (79)“酵素誘導能”を有するASMを処方する際の注意点は?
 新規ASM
  (80)新規ASMの従来薬と比べての優位点と処方する際の注意点は?

神経疾患に伴う睡眠障害
  (81)疾患概要と治療の基本方針
 睡眠薬
  (82)神経疾患に伴う不眠に対する睡眠薬の使い分けは?
 REM睡眠行動異常症の治療
  (83)神経疾患に伴うREM睡眠行動異常症の治療はどうする?
 レストレスレッグス症候群(RLS)の治療
  (84)神経疾患に伴うレストレスレッグス症候群(RLS)の薬物治療の種類と使い分けは?

頭痛
  (85)疾患概要と治療の基本方針
 アセトアミノフェン,NSAIDs
  (86)頭痛診療におけるアセトアミノフェン,NSAIDsの立ち位置と使い方は?
 トリプタン,ラスミジタンコハク酸塩
  (87)トリプタン製剤の種類と使い分けは? また,最近登場したラスミジタンの特徴・適応や注意点は?
 CGRP関連抗体薬
  (88)CGRP関連抗体薬の作用機序から効果,エビデンス,種類と使い分けは?

索引

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序文

健康寿命とは,「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされます.わが国では,平均寿命および健康寿命ともに延びていますが,平均寿命と健康寿命の差,すなわち日常生活に制限のある「不健康な期間」は横ばいの状態が続いています.今後,さらに健康寿命を延ばすためには「不健康な期間」を減らす必要があります.

多くの中高年の方々は慢性疾患に罹患し,薬物療法を受けています.しかし,十分な治療効果が得られないために重篤な病態を併発し,日常生活が著しく制限されることがあります.健康寿命を延ばすためには,薬物を適切に使って重篤な病態を防ぐ必要があることは言うまでもありません.このような状況を踏まえ,日々,診療に携わる医師に対して適切な薬物療法に関する情報を提供することを目的として本書を企画しました.

本書のメインとなる各論では実臨床でCommon Diseasesとされる22の慢性疾患を取り上げました.さらに,それぞれの疾患でしばしば用いられる薬物に関する疑問(Q)を設定し,それに対して回答(A)することによって各薬物の適切な使い方をまとめました.

執筆者はいずれも臨床経験の豊かな専門家であり,個々の患者に対する治療薬の選び方や使い方について臨床現場の状況に沿った内容としてまとめていただきました.このように本書は,慢性疾患に関する適切な薬物療法がまとめられており,健康寿命の延伸に貢献するものと期待されます.

最後に,本書の企画・編集にご協力いただきました診断と治療社編集部の土橋幸代様,寺町多恵子様および荻上文夫様にお礼申し上げます.

2024年9月
藤村 昭夫     
自治医科大学名誉教授