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診断と治療

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2020年 Vol.108 No.7 2020-07-07

インバウンドに備える

定価:2,860円(本体価格2,600円+税)

冊 

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掲載論文

ねらい 柳元伸太郎

◆医療インバウンドとは
医療インバウンド総論 田村純人
日本における医療のインバウンドの実情:外国人患者の種類と傾向,国の施策状況 岡村世里奈
日本の公的保険制度と非居住外国人の診療 松本吉郎

◆医療インバウンドにおける課題
外国人診療におけるコミュニケーションの課題 南谷かおり
異文化の狭間の医療 野村亜希子
医療インバウンドに関連する法令上の問題 大磯義一郎
受け入れ外国人増加に伴う感染症対策 加來浩器
今からでも間に合う予防接種の考え方 氏家無限
訪日外国人の感染症治療におけるempiric therapy 高野知憲,他
医療インバウンドの現状と訪日外国人患者に対する大学病院での取り組み 相良理香子,他

◆医療インバウンドの実際
北海道における外国人患者の特性と動態 ピーター シェーン,他
総合診療医がほぼ100%の外国人に対応できる理由 谷口 恭
地方における外国人診療の現状と特殊性(三重県) 成島三長,他

◆新型コロナウイルス感染症
新型コロナウイルス感染症COVID-19―パンデミックは必ず繰り返す― 柳元伸太郎

連 載
◎症例を俯瞰する総合診療医の眼
突然発症の背部痛で受診した75歳女性 野溝崇史,他
◎注目の新薬
ソリクア®〔インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド〕 寺内康夫
◎医療裁判の現場から
手術に際して看護師が行った静脈留置針の穿刺によりCRPSを発症したとして損害賠償請求が認められた事案 鵜澤亜紀子

総 説
2型糖尿病患者を対象とした国内外の第3a相試験におけるセマグルチドの有効性と安全性 稲垣暢也

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ねらい

 約1年前,今回の特集の準備に取りかかったとき,翌年2020年7月24日にはなばなしく開会式を迎える東京オリンピック・パラリンピックをイメージしていた.政府の『明日の日本を支える観光ビジョン』でも2020年の訪日外国人旅行者は4,000万人を目指すことが謳われている.しかし,2019年12月に中国湖北省武漢で最初の報告があった新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界に拡がり,2月から3月にかけて日本を含む多くの国で渡航制限,外出制限などの施策がとられるに至った.その影響で3月には訪日外国人は前年同月比93%減となった.感染の終息が見通せない中ついに,3月24日,東京2020組織委員会と国際オリンピック委員会(IOC)は東京2020大会の延期を発表するに至った.その後も感染は拡がり続け,2020年6月には全世界の患者数は700万人を超え,死者も40万人を上回っている.
 今回の特集では大規模な国際イベント等を契機に多くの外国人が日本を訪れ,また,日本に定住する外国人が増え続ける中で改めて確認しておくべき医療の課題を各方面の専門の先生方に執筆していただいた.街中で見かける外国人の数は大幅に減り,今年のオリンピック・パラリンピックの開催は延期になったが来年に向けて改めて,医療従事者として準備しておくべきことは多々ある.外国人への医療の提供,感染症対策など,この機会に再度整理して,来るべき東京大会,そして種々の国際交流の再開と活性化に向けて備えをするために有用な情報提供となれば幸いである.
 少なくとも,2019年末までは,日本を訪れる外国人観光客は増加の一途をたどっていた.新型コロナウイルス感染症が収束に向かう中でいずれはこうした傾向が戻ってくる可能性は十分にある.日本の長期的な人口減少傾向,労働力不足は当面解消する見込みはなく,中・長期的に外国人労働者の受入をより積極的に進めていく方向性も変わらないとみられる.日本国内に短期・長期に滞在する外国人の増加は医療の現場においても外国人の受診者の増加をもたらしてきた.日本の医療は長らく国民皆保険制度に支えられ「日本人」を対象にすることが前提となっていたが,医療費以外にも海外との人的交流がもたらす感染症の増加,日本と海外の医療制度や文化の違いに起因する受診者・医療者のとまどいなど,医療のインバウンドはこれまでの日本の医療に対する大きなチャレンジとなり,さまざまな課題が浮き彫りになっている.今回,各分野の第一線で活躍する執筆者の協力により,今後もますます増えると考えられる医療のインバウンドについて現状を整理し,日常診療にも役立つ情報を盛り込むことができた.いま,一時的に下火になっているインバウンドは日本と世界の情勢を考えれば,いずれかならず再び増加に転ずると考えられる.願わくは,新型コロナウイルス感染症を人類が克服し,良い形で世界と日本の交流が再び盛んにならんことを.

東京大学保健・健康推進本部
柳元伸太郎

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2023年 Vol.111
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No.増刊号 特集/ポストコロナ時代の感染症診療
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No.1 特集/知っておきたい肝胆道疾患診療の最近の話題
2022年 Vol.110
No.12 特集/日常診療でみる二次性心筋症・全身疾患関連の心障害
No.11 特集/今おさえておきたい呼吸器診療
No.10 特集/心血管病の治療薬・予防薬の進歩
No.9 特集/歯周病が及ぼす全身疾患への影響
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2021年 Vol.109
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No.11 特集/新型コロナウイルス感染症 理解と対策の現状
No.10 特集/血管炎の診断と治療:エッセンスと今後の展望
No.9 特集/オンライン診療・医療AI最前線
No.8 特集/健康食品・サプリメントを知る
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No.6 特集/大きく進歩した造血器腫瘍の診断と治療
No.5 特集/脳卒中:内科医が知っておくべき最新診療
No.4 特集/一般内科医が知っておきたい最新の心筋症診療
No.増刊号 特集/診断と治療の手技−診察室これ1冊−
No.3 特集/輸液療法の基礎と実践
No.2 特集/最新の花粉症診療
No.1 特集/内科外来で見る急性腹症診療:見落とさないコツ
2020年 Vol.108
No.12 特集/日常診療で遭遇する睡眠-覚醒障害
No.11 特集/350人に1人 一般内科医が診る人工透析患者
No.10 特集/動脈硬化予防のための肥満・脂質異常症診療戦略
No.9 特集/コモンディジーズとしての骨粗鬆症診療
No.8 特集/膵疾患の診断・治療の進歩
No.7 特集/インバウンドに備える
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No.5 特集/診療困難な痛みに向き合うケーススタディ
No.4 特集/最新の高血圧診療-「高血圧治療ガイドライン2019」後の展開
No.増刊号 特集/必修エコー 体表から“せまる”全身エコーのアプローチ法
No.3 特集/フレイルとその予防対策
No.2 特集/ウイルス肝炎アップデート
No.1 特集/ここまで明らかになった小腸疾患