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書籍詳細

小児消化器内視鏡ガイドライン2017診断と治療社 | 書籍詳細:小児消化器内視鏡ガイドライン2017

日本小児栄養消化器肝臓学会 編集

初版 B5判  144頁 2017年05月19日発行

ISBN9784787823083

定価:本体3,700円+税
  

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日本小児栄養消化器肝臓学会を中心に,日本小児外科学会,日本消化器内視鏡学会,日本小児麻酔学会,日本小児内視鏡研究会の協力を得て,治療を除く診断を目的とした小児消化器内視鏡診療の標準的な考え方を示した.小児特有の対応を要する鎮静・麻酔,機器,インフォームド・コンセントまで網羅し,患者・代諾者向けの説明・承諾書など臨床現場で役立つ資料も充実.小児消化器内視鏡に関わるすべての医師・医療従事者必携の1冊!

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目次

小児消化器内視鏡ガイドライン2017 刊行にあたって
小児消化器内視鏡ガイドライン2017 作成の経緯
ガイドライン作成組織・委員
ガイドライン作成組織の編成
ガイドライン作成方法
利益相反に関して
診療アルゴリズム
CQ,ステートメント,推奨度,エビデンスレベル一覧
用語・略語一覧

第1章 上部消化管内視鏡検査 Esophagogastroduodenoscopy(EGD)
前文
CQ1 どのようなときに上部消化管内視鏡検査がすすめられるか?
CQ2 上部消化管内視鏡検査の偶発症にはどのようなものがあるか?
CQ3 上部消化管内視鏡検査を行う際に,どのような前処置を行うとよいか?
CQ4 上部消化管内視鏡検査における生検の適応は?

第2章 大腸内視鏡検査 Colonoscopy(CS)
前文
CQ5 どのようなときに大腸内視鏡検査がすすめられるか?
CQ6 大腸内視鏡検査の偶発症にはどのようなものがあるか?
CQ7 大腸内視鏡検査を行う際に,どのような前処置を行うとよいか?
CQ8 大腸内視鏡検査における生検の適応は?
CQ9 大腸内視鏡検査において炭酸ガス送気は有用か?

第3章 小腸内視鏡検査 Small bowel enteroscopy
     小腸カプセル内視鏡検査 Small bowel capsule endoscopy(SBCE)
     バルーン小腸内視鏡検査 Balloon−assisted enteroscopy(BAE)
前文
CQ10 どのようなときに小腸カプセル内視鏡検査がすすめられるか?
CQ11 小腸カプセル内視鏡検査の偶発症にはどのようなものがあるか?
CQ12 小腸カプセル内視鏡検査を行う際にどのような前処置を行うとよいか?
CQ13 どのようなときにバルーン小腸内視鏡検査の前に小腸カプセル内視鏡検査を行うことがすすめられるか?
CQ14 小腸カプセル内視鏡検査を行う前に消化管の開通性をどのように確認しておくのがよいか?
CQ15 どのようなときにバルーン小腸内視鏡検査がすすめられるか?
CQ16 バルーン小腸内視鏡検査の偶発症にはどのようなものがあるか?
CQ17 バルーン小腸内視鏡検査を行う際にどのような前処置を行っておくのがよいか?
CQ18 バルーン小腸内視鏡検査中にX線透視はどのような状況で使用するか?

第4章 内視鏡的逆行性膵胆管造影 Endoscopic retrograde cholangiopancreatography(ERCP)
前文
CQ19 どのようなときに診断的ERCPがすすめられるか?
CQ20 診断的ERCPの偶発症にはどのようなものがあるか?
CQ21 診断的ERCPを予定している患者に対して,ERCP前にMRCPなどの画像検査がすすめられるか?
CQ22 ERCPを施行する際に,被曝線量を下げるためにどのような工夫が必要か?
CQ23 診断的ERCP後の患者に対して膵炎予防のために,タンパク分解酵素阻害薬の静脈内投与はすすめられるか?

第5章 鎮静・麻酔
前文
CQ24 どのような患者では鎮静・麻酔をすすめるか?
CQ25 どのような小児では鎮静・麻酔の前に麻酔科にコンサルトするか?
CQ26 鎮静・麻酔に伴う偶発症とその頻度は?
CQ27 鎮静による小児の内視鏡検査では,どのような薬剤を, どのような準備をして用いるか?
CQ28 鎮静による内視鏡検査を安全に行うために,必要な医療体制・緊急時の準備・患者モニタリング・バイタルサインの記録方法・検査後の帰宅基準は何か?

第6章 洗浄・機器
前文
CQ29 機器の洗浄では,易感染性や免疫不全症の合併を考慮した場合に成人と異なる配慮が必要か?
CQ30 成人と異なるスコープを用いるべきか?

第7章 インフォームド・コンセントとプレパレーション
前文
CQ31 検査前のインフォームド・コンセントはどのように行うか?
CQ32 検査を受ける患者・保護者の不安を,医療従事者がどのようにかかわることで軽減できるか?

第8章 内視鏡検査の際の抗菌薬投与
前文
CQ33 どのようなときに内視鏡検査後の感染症の予防として抗菌薬予防投与が必要か?


資料編
幼児~小学校低学年を対象とした上部消化管内視鏡検査の説明文
幼児~小学校低学年を対象とした大腸内視鏡検査の説明文
幼児~小学校低学年を対象としたカプセル内視鏡検査の説明文
小学校高学年~中学生を対象とした上部消化管内視鏡検査の説明文
小学校高学年~中学生を対象とした大腸内視鏡検査の説明文
小学校高学年~中学生を対象としたカプセル内視鏡検査の説明文
上部消化管内視鏡検査を受けられる患者さん・保護者の方へ
大腸内視鏡検査を受けられる患者さん・保護者の方へ
代諾者を対象とした上部消化管内視鏡検査(治療内視鏡を含む)の説明と承諾書
代諾者を対象とした大腸内視鏡検査(治療内視鏡を含む)の説明と承諾書
帰宅後の注意点に関する説明文(内視鏡検査を受けられたお子様)
鎮静検査前の患者評価
鎮静検査の監視記録・チェックリスト
帰宅後の注意点に関する説明文(鎮静薬を使用して検査を受けられたお子様)

索 引

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序文

刊行にあたって

 小児期における消化管検査は,消化管造影検査やCT/MRIなどの放射線診断,腹部超音波診断と内視鏡によって行われてきましたが,検査機器の性能向上に著しいものが見られ,超音波診断や消化器内視鏡検査が普及してきました.さらにある病態下では,どうしても生検可能な検査手技である消化器内視鏡検査を必要としている場合もあり,小児領域においても上部消化管をはじめ,下部消化管の内視鏡検査,カプセル内視鏡検査,内視鏡的逆行性膵胆管造影等が行われるようになってきました.しかし,だれでも実施できる検査技術ではなく,鎮静の問題等,小児の特性や病態を熟知する医師(小児科医等)による検査が必要とされています.そこで,安全な検査実施方法を普及させるためには,実施ガイドラインの作成が急務と考えられてきました.
 本ガイドラインは,「Minds診療ガイドライン作成の手引き」に則った片寄りのない作成委員と作成組織編成から始まり,ガイドライン構成,診断アルゴリズム,クリニカルクエスチョンの設定,関連諸団体の承認も経て,作成されたものです.
 本ガイドラインが利用されることによって,小児消化器内視鏡検査が実施されるうえで,安全で有意義な検査が普及することを願っています.

2017年2月

大阪医科大学小児科教授
日本小児栄養消化器肝臓学会運営委員長
玉井 浩



作成の経緯

本ガイドラインが取り扱う具体的な問題点と本ガイドラインの目標

 小児における炎症性腸疾患,好酸球性消化管疾患などの消化器疾患の増加に伴い,小児診療においても消化器内視鏡検査は重要な検査・治療の手技の一つとなっている.さらに近年の細径スコープの開発によって,小児における消化器内視鏡検査の適応は新生児を含む低年齢まで拡大,さらに小腸内視鏡の登場によって小腸疾患に対する内視鏡を用いた診断と治療が可能になるなど,消化器内視鏡検査の適応や手技に大きな変化と進歩を認めている.一方,一般小児診療にかかわる医療従事者にとっては,小児への内視鏡検査は侵襲の大きな検査との認識が今もなお強く,内視鏡検査の適応基準が医療者によって大きく異なっている.また内視鏡検査を受ける小児患者と保護者は,検査に伴う苦痛や偶発症に対して強い不安を感じている.このため小児の消化器内視鏡検査の益と害を医療従事者ならびに患者と保護者が正しく理解し,安全性が最大限に確保された医療体制のもとで小児消化器内視鏡検査が受けられる診療体制を確立する必要がある.
 わが国における小児の消化器内視鏡検査は,小児消化器病を専門とする小児科医,小児外科医,消化器内視鏡医によって行われている.現在のところ小児内視鏡の経験が豊富な専門医が少なく,都市部に偏在の傾向がある.また,専門医育成のための研修システムが十分とはいえない.一方,欧米では小児消化器病専門医が集約的に消化器内視鏡検査を行っている.このような医療体制の違いを考慮すると,わが国の現状に則した独自の小児消化器内視鏡ガイドラインが必要であると考え,日本小児栄養消化器肝臓学会は2013年に小児消化器内視鏡ガイドライン作成委員会を立ち上げた.ガイドライン作成にあたり,日本小児外科学会,日本消化器内視鏡学会,日本小児麻酔学会,日本小児内視鏡研究会に協力を要請し,各学会・研究会から推薦され,各学会の承認を得た委員がガイドライン作成に参加した.
 小児の消化器内視鏡検査に関連した既存の指針として,日本消化器内視鏡学会が2002年に発刊した「消化器内視鏡ガイドライン 第2版」(医学書院)に「小児内視鏡ガイドライン」の項目があった.しかし,2006年に改訂された「消化器内視鏡ガイドライン 第3版」では小児内視鏡についての記載はなく,現時点で小児消化器内視鏡検査にかかわるガイドラインが存在しない.このため本ガイドラインは,小児消化器内視鏡検査のうち,治療内視鏡を除く診断を目的としたすべての内視鏡検査に携わるすべての医師と医療関係者を対象とし,鎮静・麻酔,機器,インフォームド・コンセントなどの小児に特有な対応を必要とする課題を広く網羅し,標準的な診療のあり方を示すことにした.
 日本小児栄養消化器肝臓学会は2014年度に認定医制度を開始し,今後とも小児の発育,栄養および消化器病に関する深い専門的知識と高度の診療技術を有する優れた医師を養成し,広く全国の子どもの健康増進に貢献することを目標に掲げている.小児消化器内視鏡の診療においても,高い技術と専門的な知識を身につけた小児内視鏡医の育成に取り組む方針であり,同時にガイドラインを通じて小児内視鏡診療の標準的な考え方を示し,地域格差なく小児内視鏡診療が安全に行われる医療水準が整備されるよう学会をあげて取り組んでいく.本ガイドラインが消化器内視鏡検査を必要とする小児診療の基盤となることを期待している.

 最後に本ガイドラインの作成に尽力いただいた,関係各位に心から御礼申し上げる.

小児消化器内視鏡ガイドライン2017 作成委員長
中山 佳子