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産科と婦人科

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充実したラインナップ日常診療の場で即役立つ「増刊号」を年各1冊発行.日進月歩で激変する医学界のキーワードを読み解き,読者各位の壮大な負託に応えるべく「産科と婦人科」は微力を注ぎます.

2015年 Vol.82 No.8 2015-07-17

PIH既往女性の生活習慣病リスクとヘルスケア

定価:本体2,700円+税

冊 

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掲載論文

企画 若槻明彦

1.PIH妊婦の血管障害 /山本珠生・他
2.PIH妊婦の酸化ストレス /森 稔高・他
3.PIH妊婦の血管炎症 /成瀬勝彦
4.PIH妊婦の脂質代謝障害 /渡辺員支・他
5.PIH妊婦の凝固線溶系異常 /小林隆夫
6.PIH既往女性と高血圧症 /飯野香理・他
7.PIH既往女性と腎障害 /三戸麻子
8.PIH既往女性と虚血性心疾患 /山谷日鶴・他
9.PIH既往女性と脳卒中 /大野泰正
10.PIH既往女性と糖尿病 /杉山 隆
11.PIH既往女性の分娩後の血圧管理 /石黒真美・他
12.PIH既往女性の分娩後の栄養管理 /城向 賢・他


連載
産婦人科教室 私たちの教室紹介 
 昭和大学医学部産婦人科学講座 /松岡 隆

若手の最新研究紹介コーナー /黒崎 亮 

Essay外界事情 
Antiphospholipid antibody syndrome ① /矢沢珪二郎

Essay青い血のカルテ 
アイスクリームとメタボリック症候群 /早川 智

原著
当院における転移性卵巣癌27例の臨床的検討 /伴野千尋・他

症例
外陰部に発生したangiomyofibroblastoma(血管筋線維芽細胞腫)の1例 /加藤慶子・他
乳癌転移の鑑別を要した卵巣原発未分化癌の1例 /永井公洋・他

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ねらい

 妊娠高血圧症候群(pregnancy induced hypertension:PIH)の病因についてはこれまで様々な学説が唱えられてきましたが,いまだ解明されていない不明な点が多く存在します.かつては,妊婦の内臓・胎盤からの毒素が妊婦に病気をもたらすという考えから,“toxemia of pregnancy”と称され,わが国でも妊娠中毒症との疾患名で扱われてきました.その後,妊娠中毒症の病態本体は高血圧であるとの国際的な考えが一般化し,わが国でも2005年に妊娠中毒症から妊娠高血圧症候群へと名称が変更されるに至りました.PIHの病因,病態説についてはこれまで多くの報告がなされてきましたが,最近では2 step theoryが主流となってきています.このように,様々な研究によりPIHの病態が少しずつ明らかになるとともに,妊娠,分娩,産褥期における母児合併症に関しては,ガイドライン等で管理方法が周知されるようになり,周産期予後は先進国の中でも上位の成績を示すようになりました.一方で,PIHは妊娠終了に伴い高血圧などは一見正常化しますが,将来,高血圧,脳血管障害,虚血性心疾患,糖尿病,脂質異常症,腎疾患などの発症リスクが高くなるといわれています.欧米諸国では,医師より,PIH既往女性やPIH妊婦に将来のリスクを説明し,生活習慣の改善などを中心とした指導が推奨されています.しかしわが国では,周産期管理は厳重になされているものの,出産後の管理基準については確立されたものはなく,将来の生活習慣病の予防という観点からは十分な管理がなされてないのが現状です.
 今回,「PIH既往女性の生活習慣病リスクとヘルスケア」と題して,まず心血管疾患発症と関連するPIH妊婦の病態として,血管障害,血管炎症,酸化ストレス,凝固・線溶系の異常について解説していただき,次にPIH既往女性の将来の高血圧,虚血性心疾患,脳血管障害,糖尿病,腎疾患の発症リスクについて,最後にPIH妊婦の分娩後のヘルスケアとして,血圧や栄養管理について解説していただきました.
 本稿が周産期,女性医学,内科の各医師間の連携をスムーズにし,PIH既往女性のヘルスケアに役立つことを期待いたします.
(愛知医科大学産婦人科学講座 若槻明彦)

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2017年 Vol.84
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