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診断と治療社 | 雑誌詳細:小児科診療

小児科診療

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2020年 Vol.83 No.1 2019-12-13

神経筋疾患,新たな治療の時代へ

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)

冊 

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掲載論文

序 文  /石垣景子

Ⅰ.近年の進歩
新しい治療の時代  /小牧宏文
薬物療法  /藤井達哉
分子療法  /粟野宏之
遺伝子治療とiPS細胞の活用  /櫻井英俊・他

Ⅱ.各疾患の治療の現状
ジストロフィン症  /竹下絵里・他
脊髄性筋萎縮症  /齋藤加代子・他
筋強直性ジストロフィー  /中森雅之・他
Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー  /佐藤孝俊
福山型先天性筋ジストロフィー  /池田真理子
Ullrich型先天性筋ジストロフィー  /李 知子
先天性ミオパチー  /服部文子
若年性皮膚筋炎と免疫介在性壊死性ミオパチー  /岸 崇之
重症筋無力症,先天性筋無力症候群  /稲葉雄二
筋型糖原病  /福田冬季子

Ⅲ.合併症への介入
呼吸障害へのアプローチ  /石川悠加
運動障害へのアプローチ  /安達みちる・他
嚥下障害へのアプローチ  /村上てるみ
脊柱変形へのアプローチ  /高相晶士・他

症例報告
自閉症スペクトラム障害,注意欠如・多動性障害の薬物治療中に甲状腺クリーゼを呈したBasedow病の1例  /高橋ゆま・他

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ねらい

石垣景子  /東京女子医科大学小児科

 治療法がなく,経過観察が主体であることから,積極的な診断を希望されないこともあった神経筋疾患においても,近年飛躍的な治療開発の進歩がみられています.10年前のPompe病に対する酵素補充療法の承認を皮切りに,難治性神経筋疾患への治療開発が加速度的に進み,2017年には脊髄性筋萎縮症に対するアンチセンス核酸医薬(ヌシネルセン)が承認されました.治療薬開発が進むに連れ,治験に伴う問題や,治療薬の部分的で限られた有効性に伴う病型の変化,一度も獲得されていなかった機能,または長期間失われた再獲得へのリハビリテーションのアプローチなど新たな問題にも直面しています.
 これらの治療法は,早期治療開始例ほど有効性が高いことが確認されるにつれ,いっそう,小児科医における早期診断,治療への責任が増しました.積極的な診断が進む中,今までは専門機関に偏っていた神経筋疾患患者を,一般小児科医,小児神経科医が日常診療の中で診察,フォローする機会は増える傾向にありますが,神経筋疾患に関する日常管理から最新の治療の知識を得る機会は多くはありません.この特集では,神経筋疾患の「治療」に焦点をあて,最新の治療と動向に加え,日常的な管理においても情報を提供することを目的としています.
 「Ⅰ.近年の進歩」では,総論として,近年話題となっている遺伝子治療や分子療法など各治療法に焦点をあて,現在この領域を切り開き,開発,治療の普及にご尽力いただいている先駆者の先生方に解説をお願いいたしました.耳にする機会はあるものの,現実的にどの段階にあるのかを理解する機会は少なく,現状を理解していただくのに役立つと考えます.「Ⅱ.各疾患の治療の現状」では,Ⅰをふまえ,疾患ごとの治療の現状に関し,各疾患の専門家の先生方に解説をお願いしています.今まで,専門医以外では経験されていない希少疾患に関しても,小児慢性特定疾病の対象に含まれる疾患に関しては,今後,外来で診療する機会が増えることが予測されますので,それぞれ臨床像も含めて,解説いただいています.また,自己免疫疾患である筋炎,免疫介在性壊死性ミオパチーや治療法を有する筋無力症候群に関しても,新しい知見と現在の主流の治療方針に関してご説明いただきました.「Ⅲ.合併症の介入」は,各神経筋疾患で共通の合併症である,運動障害,呼吸障害,嚥下障害,側彎に対して,エキスパートの先生方に,エキスパートならではの介入方法をご教示いただいていますので,日々の診療,患者さんへのアドバイスに役立つものと考えます.
 難病といわれた小児の神経筋疾患にも,明るい光が差そうとしています.ご多用にもかかわらず,本企画の原稿の執筆をご快諾くださいました先生方にこの場をお借りして,深く感謝申し上げます.先生方のご研究のさらなる発展,および,神経筋疾患の子どもたちとご家族の希望に満ちた未来を願うばかりです.

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2023年 Vol.86
No.12 特集/微量元素とビタミンが子どもにとってなぜ必要か最新号
No.11 特集/成長曲線を書こう
No.秋増刊号 特集/アレルギー疾患 最新治療と生活からの視点
No.10 特集/古くて新しい予防接種〜この10年で何が変わったか〜
No.9 特集/トリソミーのすべて:NIPTの時代に
No.8 特集/小児・AYA世代がん診療の現在と未来
No.7 特集/ポストコロナ,少子化時代:30年後の小児医療と人材育成
No.6 特集/小児の敗血症診療up to date
No.5 特集/研修医として今知りたい新生児の診療に必要な手技
No.春増刊号 特集/小児の治療指針
No.4 特集/知っておきたい小児炎症性腸疾患(IBD)
No.3 特集/これでよくわかる自己炎症性疾患
No.2 特集/全身をみて,腎・尿路疾患に気づく
No.1 特集/子どもと家族への心のケア
2022年 Vol.85
No.12 特集/医療情報の利活用 現在と未来
No.11 特集/感染症診療における迅速検査を知る
No.秋増刊号 特集/今考える,移行期医療
No.10 特集/食物アレルギー
No.9 特集/くわしく知ろう小児の機能性消化管疾患
No.8 特集/小児在宅医療をすすめるために
No.7 特集/血液・腫瘍疾患,急ぐべきときは「今」
No.6 特集/小児神経検査マニュアル
No.5 特集/研修医・専攻医・指導医のための小児科研修指南
No.春増刊号 特集/小児画像診断のコツ
No.4 特集/サイトカインストームと小児疾患
No.3 特集/症例から考える小児泌尿器疾患小児病院での私のみかた
No.2 特集/子どもの事故(傷害)いかに防ぐか
No.1 特集/基礎理論に基づいた小児漢方診療
2021年 Vol.84
No.12 特集/治療可能な先天代謝異常症を診断しよう!
No.11 特集/小児遺伝子疾患事典
No.10 特集/頭痛診療の基本から最新の知見まで
No.9 特集/おさえたい川崎病ガイドラインのツボ
No.8 特集/発生学から考えてみよう!小児の先天疾患
No.7 特集/小児栄養 UP to DATE
No.6 特集/統計的分析手法と研究デザイン
No.5 特集/乳幼児健診実践ガイド
No.増刊号 特集/〜エキスパートの経験に学ぶ〜小児科 Decision Making
No.4 特集/小児科医の疑問に答える!子どもと新型コロナウイルス
No.3 特集/災害時の小児医療〜災害の経験を今後に活かす〜
No.2 特集/新ガイドラインの理解を深める 新生児マススクリーニング
No.1 特集/学童期の神経疾患のファーストタッチから専門診療へ
2020年 Vol.83
No.12 特集/医療安全とともに学ぶ「小児の鎮静」
No.11 特集/予防接種パーフェクトガイド
No.10 特集/小児の学際的な睡眠医療 基礎から臨床をつなぐ
No.9 特集/NICU卒業生の予後と診療のポイント
No.8 特集/小児科医の将来を考える
No.7 特集/研修医と指導医に贈る 小児科学研究・論文のススメ
No.6 特集/たかが便秘,されど便秘−小児の便秘を科学する
No.5 特集/研修医必携!心電図判読のコツ
No.増刊号 特集/症候・疾患からみる小児の検査
No.4 特集/小児血液・腫瘍疾患の最前線
No.3 特集/変わりつつある免疫不全症
No.2 特集/知っていますか?小児科領域のスポーツ障害
No.1 特集/神経筋疾患,新たな治療の時代へ
2019年 Vol.82
No.11 特集/知っておくべき・知っておきたい小児の皮膚疾患/症状
No.増刊号 特集/小児の診療手技