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小児科診療

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2020年 Vol.83 No.5 2020-04-10

研修医必携!心電図判読のコツ

定価:3,080円(本体価格2,800円+税)

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掲載論文

序 文  /住友直方・山岸敬幸

Ⅰ.心電図の見かた
心電図とは  /住友直方
心房負荷  /佐藤誠一
心室肥大,心室容量負荷  /佐藤誠一
軸偏位  /神保詩乃・他
ST-Tの異常  /鮎沢 衛
Holter心電図,携帯型心電図,植込み型ループレコーダー,加算平均心電図  /岩本眞理
運動負荷心電図,薬物負荷心電図,Head-up Tilt 試験  /大内秀雄
電気生理学的検査,3Dマッピング  /鈴木嗣敏

Ⅱ.先天性心疾患,肺高血圧,心筋症
心房中隔欠損  /小柳喬幸・他
心室中隔欠損  /前田 潤
動脈管開存  /小川 潔
房室中隔欠損症  /妹尾祥平・他
Fallot四徴症,両大血管右室起始症  /鍋嶋泰典・他
完全大血管転位,修正大血管転位  /鍋嶋泰典・他
内臓錯位症候群  /瀧聞浄宏
三尖弁閉鎖,肺動脈閉鎖  /瀧聞浄宏
肺動脈性肺高血圧  /土井庄三郎
心筋症  /廣野恵一

Ⅲ.不整脈
上室頻拍  /連 翔太・他
心房粗動,心房細動  /芳本 潤
心室頻拍  /宮崎 文
心室細動  /住友直方
QT延長症候群,Brugada症候群  /林 立申・他
洞不全症候群  /熊本 崇
房室ブロック  /今村知彦

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ねらい

住友直方  /埼玉医科大学国際医療センター小児心臓科
山岸敬幸  /慶應義塾大学医学部小児科

 毎年5号は,新年度の幕開けとともに発刊されます.編集室では,この季節,新たな希望と不安を胸に,新天地で働き始める研修医のためのシリーズを企画しています.今年は小児循環器学の分野から,「心電図」をテーマに取り上げました.研修医の皆さんは,心電図とはどのようなものか? また,心電図を記録する心電計のことを知っているでしょうか?
 心電図は1903年にオランダの生理学者Willem Einthovenの発明したgalvanometerにより記録されたのが始まりといわれています.心臓は循環系を担い生命を維持するための重要なポンプで,その機能のために心房と心室を構成する心筋を絶妙なタイミングで収縮コントロールするための電気刺激を発生し,その刺激を伝える細胞・組織を備えています.興奮状態の細胞が「脱分極」し,隣接する細胞を刺激して,順次電気的興奮状態を伝播させるので,興奮が伝わるのに一定の伝播時間がかかり,一種の電池のような状態(電流源)になります.人体を構成する各組織は固有の導電率をもっており,電流が流れる性質があります.そのため,心臓に興奮状態の部位(電流源)があると,抵抗性をもった周囲の組織には電流が流れ,体表面の任意の2点の間にはきわめて微弱ですが電位差が発生します.この体表面に発生するきわめて微弱な電圧を効率的に増幅しながらノイズを除去することにより,心臓の電気的な活動だけを抽出し,心電図として記録する装置が心電計です.そのため心電計には,電気信号の増幅とノイズの除去に関するほかの測定分野にも応用できる優れた技術的要素がたくさん含まれており,画期的な発明といえます.以来,100年以上の長きにわたり,心電図は生理検査として,またモニターとしても現代の医療の中で重要な地位を占めています.
 今回の特集では,総論として心電図の波形の基本的な意味,読み方について,各論として小児の先天性心疾患と不整脈の診断・病態に迫る心電図の読み方を,実践的にわかりやすく,その分野でご活躍中の第一線の先生方から解説していただきました.心電図には,苦手意識を持つ研修医も多いように思います.おそらくパッと見ると複雑な波形が並んでいることに,数学に対する苦手意識を感じるようなものではないでしょうか? しかし,研修医を中心とする読者の皆様に,本号を読んで原理を知り,波形の意味を考えることによって,心電図とは論理的に疾患の病態に迫ることもできる,とても面白く奥の深い検査であることを理解していただければ,とても嬉しく存じます.
 また,本号は,「わかりやすく実践的に」というコンセプトを表すために「研修医必携!」と銘打っていますが,広く小児科全般の先生方や,これから小児循環器医をめざす先生方にも,おすすめできる1冊です.種々の小児の心電図異常の診断から,なぜそのような異常をきたすかを理解するためにも役立ち,さらに小児の心電図に興味を深めていただけるテキストとなれば幸いです.

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2023年 Vol.86
No.12 特集/微量元素とビタミンが子どもにとってなぜ必要か最新号
No.11 特集/成長曲線を書こう
No.秋増刊号 特集/アレルギー疾患 最新治療と生活からの視点
No.10 特集/古くて新しい予防接種〜この10年で何が変わったか〜
No.9 特集/トリソミーのすべて:NIPTの時代に
No.8 特集/小児・AYA世代がん診療の現在と未来
No.7 特集/ポストコロナ,少子化時代:30年後の小児医療と人材育成
No.6 特集/小児の敗血症診療up to date
No.5 特集/研修医として今知りたい新生児の診療に必要な手技
No.春増刊号 特集/小児の治療指針
No.4 特集/知っておきたい小児炎症性腸疾患(IBD)
No.3 特集/これでよくわかる自己炎症性疾患
No.2 特集/全身をみて,腎・尿路疾患に気づく
No.1 特集/子どもと家族への心のケア
2022年 Vol.85
No.12 特集/医療情報の利活用 現在と未来
No.11 特集/感染症診療における迅速検査を知る
No.秋増刊号 特集/今考える,移行期医療
No.10 特集/食物アレルギー
No.9 特集/くわしく知ろう小児の機能性消化管疾患
No.8 特集/小児在宅医療をすすめるために
No.7 特集/血液・腫瘍疾患,急ぐべきときは「今」
No.6 特集/小児神経検査マニュアル
No.5 特集/研修医・専攻医・指導医のための小児科研修指南
No.春増刊号 特集/小児画像診断のコツ
No.4 特集/サイトカインストームと小児疾患
No.3 特集/症例から考える小児泌尿器疾患小児病院での私のみかた
No.2 特集/子どもの事故(傷害)いかに防ぐか
No.1 特集/基礎理論に基づいた小児漢方診療
2021年 Vol.84
No.12 特集/治療可能な先天代謝異常症を診断しよう!
No.11 特集/小児遺伝子疾患事典
No.10 特集/頭痛診療の基本から最新の知見まで
No.9 特集/おさえたい川崎病ガイドラインのツボ
No.8 特集/発生学から考えてみよう!小児の先天疾患
No.7 特集/小児栄養 UP to DATE
No.6 特集/統計的分析手法と研究デザイン
No.5 特集/乳幼児健診実践ガイド
No.増刊号 特集/〜エキスパートの経験に学ぶ〜小児科 Decision Making
No.4 特集/小児科医の疑問に答える!子どもと新型コロナウイルス
No.3 特集/災害時の小児医療〜災害の経験を今後に活かす〜
No.2 特集/新ガイドラインの理解を深める 新生児マススクリーニング
No.1 特集/学童期の神経疾患のファーストタッチから専門診療へ
2020年 Vol.83
No.12 特集/医療安全とともに学ぶ「小児の鎮静」
No.11 特集/予防接種パーフェクトガイド
No.10 特集/小児の学際的な睡眠医療 基礎から臨床をつなぐ
No.9 特集/NICU卒業生の予後と診療のポイント
No.8 特集/小児科医の将来を考える
No.7 特集/研修医と指導医に贈る 小児科学研究・論文のススメ
No.6 特集/たかが便秘,されど便秘−小児の便秘を科学する
No.5 特集/研修医必携!心電図判読のコツ
No.増刊号 特集/症候・疾患からみる小児の検査
No.4 特集/小児血液・腫瘍疾患の最前線
No.3 特集/変わりつつある免疫不全症
No.2 特集/知っていますか?小児科領域のスポーツ障害
No.1 特集/神経筋疾患,新たな治療の時代へ
2019年 Vol.82
No.11 特集/知っておくべき・知っておきたい小児の皮膚疾患/症状
No.増刊号 特集/小児の診療手技