チャイルドヘルス
21世紀の子どもの保健と育児を支援する雑誌
|
2020年 Vol.23 No.7 2020-06-26
ダウン症児の育ちと生活

定価:1,760円(本体価格1,600円+税)
Myオピニオン
私たちは子どもの権利の守り手なのだ…武内 一
【特 集】
ダウン症児の育ちと生活
(企画の言葉…堀川美和子)
1 ダウン症のある子ども…小野正恵
2 出生前診断…佐村 修
3 長期フォロー…富永牧子
Column 今日も一日楽しかった…あべけん太
4 ダウン症児を迎える…玉井 浩
5 乳幼児期の育ち…大橋博文
6 学童期・思春期の姿…橋本創一
7 成人期に向けて…竹内千仙
8 パリビズマブの適応と今後の展開…岡田賢司
【寄 稿】
フィンランドの子どもの医療・福祉・教育から学ぶ 第5回
フィンランドにおける障害のある子どもたちへの空間的支援…鯵坂誠之
【連 載】
◆子どもに忍び寄る危険 犯罪の予防・気づき・対応 第9回
児童ポルノ,インターネット・SNSを通じた子どもに対する性犯罪②…後藤啓二
◆忘れちゃいけない やらなきゃいけない 子どもを守るワクチン接種 第10回
ロタウイルスワクチンの成果と課題…谷口孝喜
◆アレルギーっ子と旅をする 第11回
海外と日本のアレルギーへの意識の違い…村田 愛
◆からだ・こころ・ことば 乳幼児のことばの育ち 第14回
支援の入り口としての乳幼児健診…中川信子
◆ようこそ絵本図書館へ 第19回
うがい…児玉ひろ美
◆育児Q&A
これってプレッシャー?…堀川美和子
◆海外文献の紹介
妊婦の新型コロナウイルス感染と,出生児の予後…榊原洋一
【研究・報告】
コミュニティでの子ども・子育て支援者としての薬剤師の可能性…木戸裕美子,吉永真理
今回の特集企画ではダウン症を取り上げました.ダウン症は染色体異常のなかでもっとも多く,合併症対策や成長・発達への支援方法が体系化している疾患の1つです.ダウン症のある子どもたちのなかには,体調が安定していて支援を受けながら地域社会で過ごす姿も多くみられます.医療の進歩とともに,20歳を超えないといわれていた平均寿命は50歳を超えるようになりました.
近年,子どもの育ちに多様性を認めるための制度や支援は徐々に整備されてきました.一方で,支援を必要とする子どもたちが学校や幼稚園・保育所でほかの子どもたちとともに生活することが増えても,そこには見えない壁のようなものがあって,周囲の理解はまだまだ十分とはいえないようにも感じます.
支援を必要とする子どもたちが健康を維持してのびのびと成長し,安心して生活していけるように,医療・教育・福祉にかかわる私たちができることがまだあるのではないかと考えています.今回の特集を通じて,ダウン症のある子どもたちへの理解をさらに深め,かかわりのヒントにしていただければ幸いです.
(国立成育医療研究センター総合診療科/堀川美和子)