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最新内分泌代謝学 コンパクト版診断と治療社 | 書籍詳細:最新内分泌代謝学 コンパクト版

京都大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学教授

中尾 一和(なかお かずわ) 編集主幹

初版 A5判 並製 1004頁 2013年03月27日発行

ISBN9784787820204

定価:本体9,000円+税
  

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最近の分子レベルの研究成果と診療の進歩を網羅した内分泌代謝学の新時代の教科書.内分泌代謝疾患の疾患概念や診断・治療などの解説のほか,総論では再生医学や放射線障害,環境ホルモン,ゲノム,救急医療に麻酔まで,今までにない切り口で内分泌代謝学をまとめた.また,実地臨床に役立つ内分泌機能検査マニュアルや,内分泌代謝疾患を中心に一般的な症候の鑑別フローチャートを掲載.専門医のみならず,広く一般診療に従事する内科医から研修医まで必携の書.
※内容はB5判(通常版)と同様です.

関連書籍

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目次

口絵カラー
推薦の言葉   井村裕夫
序 文   中尾一和
編集者・執筆者一覧   

第1章 内分泌代謝総論
 内分泌代謝学の概要と歴史内分泌代謝学の特徴と全身的意義   中尾一和
 ホルモンの生合成,分泌と代謝   菅波孝祥,小川佳宏
 ホルモンの作用機序と代謝   細田公則
 ストレスと内分泌代謝   曽根正勝,園山拓洋
 内分泌代謝学と進化医学   伊藤 裕
 シグナル伝達と代謝   田上哲也
 レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系   向山政志
 ナトリウム利尿ペプチド系   岸本一郎,徳留 健
 プロスタグランジン系   森  潔,田中一成
 内分泌代謝におけるtranslational researchと創薬   赤水尚史
 内分泌代謝領域の再生医学   山下 潤
 放射線と内分泌代謝   遠藤啓吾
 環境ホルモン   森山賢治
 内分泌代謝疾患の遺伝子異常,染色体異常   小杉眞司,沼部博直
 内分泌代謝疾患のゲノム,エピゲノム解析   関根章博
 救急医療と内分泌代謝   小池 薫,南 丈也
 内分泌代謝疾患と麻酔   瀬川 一
 内分泌代謝疾患とEBM・ガイドライン   上嶋健治,保野慎治
 Topic 化学療法・終末医療と内分泌代謝   西村貴文
 
第2章 視床下部と下垂体
 視床下部機能と内分泌代謝総論   島津 章
 下垂体機能と下垂体ホルモン総論   島津 章
 視床下部症候群   有安宏之,島津 章
 下垂体前葉機能低下症   荒井宏司
 リンパ球性下垂体炎   有安宏之
 下垂体ホルモン単独欠損症   荒井宏司
 Cushing病   荒井宏司
 プロラクチノーマと高プロラクチン血症   東條克能
 成長ホルモン分泌不全性低身長症およびその他の低身長症   河井昌彦
 成人成長ホルモン分泌不全症   金本巨哲
 先端巨大症と下垂体性巨人症   東條克能
 その他の機能性下垂体腺腫   有安宏之
 非機能性下垂体腺腫   東條克能
 尿崩症   向山政志
 抗利尿ホルモン不適切分泌症候群(SIADH)と低ナトリウム血症   森  潔
 その他の視床下部・下垂体疾患   井上達秀
 思春期早発症・遅発症   河井昌彦
 視床下部・下垂体腺腫の外科治療   北条雅人,宮本 享
 選択的静脈洞血サンプリング   北条雅人,宮本 享
 視床下部・下垂体の画像診断   北村賀永子,三木幸雄
 視床下部・下垂体腺腫の放射線治療   益岡 豊,細野雅子,三木幸雄
 Topic 視床下部・下垂体領域の関連疾患(Silver-Russell症候群)   小松弥郷

第3章 甲状腺
 甲状腺機能と甲状腺ホルモン総論   中村浩淑
 甲状腺機能亢進症と甲状腺中毒症   赤水尚史,稲葉秀文
 甲状腺機能低下症   佐々木茂和
 甲状腺腫および甲状腺腫瘍   中村浩淑
 甲状腺炎(亜急性・無痛性・急性化膿性)   西川光重
 甲状腺ホルモン不応症   田上哲也
 その他の甲状腺疾患   金本巨哲
 甲状腺の外科治療   楯谷一郎,伊藤壽一
 甲状腺の画像診断   御前 隆

第4章 副甲状腺とカルシウム代謝
 カルシウム・リン調節ホルモンと骨・カルシウム代謝総論   八十田明宏
 副甲状腺機能亢進症   小松弥郷
 副甲状腺機能低下症   三浦晶子
 偽性副甲状腺機能低下症   三浦晶子
 副甲状腺の画像診断   中本裕士,富樫かおり
 副甲状腺の外科治療   楯谷一郎 ,伊藤壽一
 悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症   八十田明宏
 骨軟化症・くる病   小松弥郷
 骨粗鬆症   八十田明宏
 Topic カルシウム代謝疾患の類縁疾患(McCune-Albright症候群)   村部浩之
 代謝性骨・軟骨疾患の画像診断   曽根照喜
 整形外科の視点からみた骨粗鬆症   坪山直生
 歯科・口腔外科と内分泌代謝   別所和久,中尾一祐
 
第5章 心臓と腎臓の内分泌代謝
 心臓と内分泌代謝総論   斎藤能彦
 心臓の発生・先天性心疾患と分泌性シグナル因子   中川 修
 心不全と内分泌代謝   桑原宏一郎
 不整脈と内分泌代謝   中川靖章
 冠動脈疾患と内分泌代謝   吉村道博,小武海公明
 心臓の画像診断と内分泌代謝疾患   桝田 出
 心臓手術と内分泌代謝疾患   山崎和裕,坂田隆造
 腎臓と内分泌代謝総論   向山政志
 酸塩基平衡と水・電解質代謝総論   横井秀基
 腎不全と内分泌代謝   向山政志
 ネフローゼ症候群と内分泌代謝   向山政志
 腎硬化症・腎血管性高血圧と内分泌代謝   横井秀基
 Topic 経皮的腎動脈形成術(PTRA)   横井秀基
 糖尿病腎症   向山政志,原孝成
 肥満関連腎臓病   菅波孝祥
 痛風腎   笠原正登
 骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)   横井秀基
 尿細管疾患と電解質異常(Bartter症候群,Gitelman症候群,Liddle症候群)   森  潔
 腎臓の画像診断と内分泌代謝疾患   笠原正登
 腎臓外科治療(腎移植を含む)と内分泌代謝   吉村耕治
 Topic 心腎連関と内分泌代謝   森  潔
 Topic レニン産生腫瘍   向山政志
 
第6章 副腎,血管と高血圧
 副腎皮質機能と内分泌代謝総論   曽根正勝
 副腎髄質機能と内分泌代謝総論   曽根正勝
 高血圧・血管と内分泌代謝総論   宮下和季,伊藤 裕
 Cushing症候群   曽根正勝,園山拓洋
 原発性慢性副腎皮質機能低下症(Addison病)   曽根正勝,園山拓洋
 急性副腎不全(副腎クリーゼ)   曽根正勝,南 丈也
 原発性アルドステロン症と関連疾患   曽根正勝,園山拓洋
 副腎癌とまれな機能性副腎腫瘍   曽根正勝
 副腎偶発腫瘍   曽根正勝,園山拓洋
 先天性副腎過形成   河井昌彦
 Topic 副腎疾患と多毛症・男性化   曽根正勝,園山拓洋
 AME症候群,偽性アルドステロン症   曽根正勝
 その他の副腎皮質疾患   曽根正勝,園山拓洋
 褐色細胞腫と神経芽細胞腫   曽根正勝,田浦大輔
 その他の副腎髄質疾患   曽根正勝,田浦大輔
 ステロイド補充療法   曽根正勝
 本態性高血圧症   篠村裕之,伊藤 裕
 内分泌代謝疾患と脳血管疾患   猪原匡史
 副腎疾患の画像診断   小山 貴,富樫かおり
 副腎疾患の外科治療   滝澤奈恵,松田公志
 Topic 内分泌性高血圧   曽根正勝
 内分泌性高血圧のEBM   保野慎治,上嶋健治
 Topic アドレノメデュリン   北村和雄,寒川賢治
 
第7章 肥満症とやせ
 栄養とエネルギー代謝総論   小川佳宏,西條美佐
 脂肪細胞由来ホルモンと疾患   中尾一和,岩倉 浩
 摂食調節   田中智洋
 肥満症   孫  徹,海老原健
 遺伝性肥満と視床下部性肥満   日下部徹
 メタボリック症候群   孫  徹
 肥満症と脂肪肝,NASH   西原利治
 肥満症と睡眠時無呼吸症候群   陳 和夫
 脂肪萎縮症   海老原健,日下部徹,青谷大介
 神経性食思不振症   辻井 悟
 その他のやせ   辻井 悟
 肥満症とやせの診断法   平田雅一
 肥満の画像診断   平田雅一
 生活習慣病と精神疾患   古川壽亮
 生活習慣病の認知行動療法   古川壽亮
 肥満症に対する外科治療   井上立崇,坂井義治
 肥満症,メタボリック症候群のEBM   宮脇尚志,平田雅一

第8章 糖代謝  
 糖代謝と膵ラ氏島機能総論   細田公則
 糖尿病の診断と病型分類   藤倉純二
 1型糖尿病および劇症1型糖尿病   藤倉純二
 2型糖尿病   藤倉純二
 その他の特定の機序,疾患による糖尿病   冨田 努
 脂肪萎縮性糖尿病   日下部徹,青谷大介,海老原健
 妊娠糖尿病と糖尿病合併妊娠   阿部 恵
 糖尿病の治療   林 達也
 糖尿病の急性合併症   岩倉 浩
 糖尿病の慢性合併症   河野茂夫
 糖尿病神経障害   人見健文
 糖尿病足病変   河野茂夫
 糖尿病網膜症と眼科治療   村上智昭,吉村長久
 低血糖とインスリノーマ   岸本一郎,槇野久士
 膵島細胞症・non-insulinoma pancreatogenous hypoglycemia syndrome(NIPHS)   藤倉純二
 膵島・膵β細胞のイメージング   冨田 努
 膵島腫瘍の画像診断   磯田裕義,富樫かおり
 膵臓移植と膵島移植   川口道也,上本伸二
 膵神経内分泌腫瘍に対する外科治療   高折恭一,上本伸二
 糖尿病合併症と心臓血管外科治療   南方謙二,坂田隆造
 糖尿病への心理的アプローチ   石井 均
 糖尿病と歯周病   別所和久,家森正志
 糖尿病のEBM   宮本恵宏,渡邉 至
 
第9章 脂質異常症と動脈硬化  
 脂質代謝総論   益崎裕章
 脂質異常症の概念・分類   岸本一郎,大畑洋子
 原発性高コレステロール血症   脇 昌子
 続発性高コレステロール血症   脇 昌子
 HDL代謝とその異常   岸本一郎,岩本紀之
 高トリグリセリド血症   岸本一郎,泰江慎太郎
 その他の脂質異常症   岸本一郎,岩本紀之
 動脈硬化症   脇野 修,伊藤 裕
 
第10章 その他の代謝異常症  
 先天性糖代謝異常症   河井昌彦
 先天性アミノ酸代謝異常症   河井昌彦
 尿酸代謝と痛風・高尿酸血症   笠原正登
 アミロイドーシス   中里雅光
 鉄代謝異常症   川端 浩,高折晃史
 銅代謝異常症(Wilson病)   西田直生志
 
第11章 消化管とホルモン  
 消化管ホルモンと消化管機能総論   中里雅光
 インクレチン   金子至寿佳
 Zollinger-Ellison症候群とガストリノーマ   土居健太郎
 WDHA症候群   土居健太郎
 グルカゴノーマ   新谷光世,西村治男
 ソマトスタチノーマ   武呂誠司,隠岐尚吾
 その他の膵・消化管神経内分泌腫瘍   武呂誠司,隠岐尚吾
 ダンピング症候群   武呂誠司,隠岐尚吾
 消化管神経内分泌腫瘍に対する外科治療   高折恭一,上本伸二
 
第12章 男性性腺  
 男性性腺機能総論   松田公志
 低ゴナドトロピン性男性性腺機能低下症   谷口久哲,松田公志
 高ゴナドトロピン性男性性腺機能低下症   奥野 博
 加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群   河  源
 男性不妊   大久保和俊
 停留精巣,精索静脈瘤およびその他の男性性腺疾患   兼松明弘,大久保和俊
 男性性腺の画像診断   小山 貴
 
第13章 女性性腺
 女性性腺機能総論   佐川典正
 女性性腺機能低下症   神崎秀陽
 多嚢胞性卵巣症候群   由良茂夫
 女性不妊症   福田愛作
 更年期障害と女性ホルモン補充療法   高倉賢二
 性分化の異常   高倉賢二
 その他の女性性腺疾患   高倉賢二
 女性性腺の画像診断   富樫かおり
 
第14章 乳腺
 乳腺機能とホルモン総論   戸井雅和,田正泰
 乳癌とホルモン療法   佐治重衡
 その他の乳腺疾患と内分泌代謝   鈴木栄治
 乳腺外科と骨代謝   杉江知治
 
第15章 ホルモンと癌,MEN,その他の内分泌代謝疾患  
 ホルモンと癌および多発性内分泌腫瘍症(MEN)   塚田俊彦
 異所性ホルモン産生腫瘍   金本巨哲
 カルチノイド症候群   金本巨哲
 Topic APUDoma   村部浩之
 腫瘍随伴症候群   小杉眞司
 Crow-Fukase(POEMS)症候群   金本巨哲
 多発性内分泌腫瘍症(MEN)   小杉眞司
 自己免疫性多内分泌腺症候群(APS)   金本巨哲
 IgG4関連疾患   有安宏之
 前立腺癌のホルモン療法   筧 善行,杉元幹史
 
第16章 加齢と内分泌代謝  
 加齢と内分泌代謝総論   荒井宏司
 甲状腺機能と加齢   田上哲也
 糖代謝と加齢   岩倉 浩
 水・電解質バランス異常と加齢   森  潔
 カルシウム代謝と加齢   八十田明宏
 加齢とホルモン補充療法   有安宏之
 Topic 加齢性食欲不振(anorexia of aging)   有安宏之
 Topic 骨格筋減少症(sarcopenia)   有安宏之
 
第17章 生殖と内分泌代謝  
 生殖内分泌代謝総論   佐川典正
 妊娠と甲状腺疾患   田上哲也
 妊娠と高血圧   田浦大輔
 妊娠とその他の内分泌疾患   由良茂夫
 生殖と環境ホルモン   森山賢治
 経口避妊薬   北 正人
 Topic 子宮内環境とメタボリック症候群   由良茂夫
 
第18章 内分泌代謝疾患の機能検査
 内分泌代謝検査総論   荒井宏司
 視床下部・下垂体機能検査   有安宏之
 甲状腺機能検査   須川秀夫
 副甲状腺・カルシウム代謝機能検査   三浦晶子
 膵内分泌機能および糖代謝関連検査   藤倉純二
 心臓内分泌検査   中川靖章
 副腎皮質機能検査   曽根正勝,本田恭子
 副腎髄質機能検査   曽根正勝,小嶋勝利
 男性性腺機能検査   大久保和俊
 女性性腺機能検査   高倉賢二
 
第19章 症候INDEX  
 内分泌代謝と症候学   石原 隆
 肥 満   浅原哲子
 や せ   浅原哲子
 多毛症   園山拓洋
 脱 毛   園山拓洋
 色素沈着   園山拓洋
 色素脱失   園山拓洋
 低身長   藤井寿人
 高身長   藤井寿人
 過 食   浅原哲子
 食欲不振   浅原哲子
 体温調節異常(高体温/低体温症)   南 丈也
 嗄 声   藤井寿人
 高血圧   全 泰和
 低血圧   全 泰和
 多 尿   原孝成
 乏尿・無尿   原孝成
 脱 水   井上真由美
 浮 腫   井上真由美
 ショック   南 丈也
 意識障害   南 丈也
 下 痢   藤井寿人
 便 秘   藤井寿人
 筋力低下   藤井寿人
 筋 痛   藤井寿人
 筋クランプ(有痛性筋攣縮,こむら返り)   藤井寿人
 視野異常   藤井寿人
 視力障害   藤井寿人
 排尿障害   原孝成
 勃起障害   田浦大輔
 月経異常   田浦大輔
 嗅覚異常   田浦大輔
 味覚異常   田浦大輔
 睡眠障害   園山拓洋
 頻 脈   南 丈也
 徐 脈   南 丈也
 高血糖緊急症   後藤伸子
 その他の高血糖   後藤伸子
 低血糖   後藤伸子
 高ナトリウム血症   原孝成
 低ナトリウム血症   原孝成
 高カリウム血症   原孝成
 低カリウム血症   原孝成
 高カルシウム血症   原孝成
 低カルシウム血症   原孝成
 高マグネシウム血症   原孝成
 低マグネシウム血症   原孝成
※各症候ごとに内分泌代謝疾患を中心にフローチャートに示した.また,鑑別にあがった疾患のうち,本書内で詳述されている疾患については参照ページを記載した.

Appendix
 ホルモン検査値一覧
 本書使用の略語一覧 

救急対応
 下垂体卒中への救急対応   東條克能
 甲状腺疾患で救急治療を要する合併症(甲状腺クリーゼ/甲状腺中毒性周期性四肢麻痺)
    赤水尚史,稲葉秀文
 高カルシウム血症クリーゼへの救急対応   小松弥郷
 低カルシウム血症クリーゼへの救急対応   三浦晶子
 高カルシウム血症への救急対応   八十田明宏
 低ナトリウム血症への救急対応   横井秀基
 高カリウム血症への救急対応   向山政志
 急性副腎不全(副腎クリーゼ)への救急対応   曽根正勝,南 丈也
 糖尿病昏睡への救急対応   岩倉 浩
 糖尿病足病変への救急対応   河野茂夫
 低血糖発作への救急対応   岸本一郎,槇野久士
 コレステロール塞栓症への救急対応   脇野 修,伊藤 裕
 痛風発作への救急対応   笠原正登

Memo
 災害時のホルモン療法   金本巨哲
 神経節細胞腫(gangliocytoma)   東條克能
 ADH受容体/橋中心髄鞘崩壊症(CPM)   森  潔
 粘液水腫性昏睡   佐々木茂和
 Albright 遺伝性骨異栄養症(AHO)   三浦晶子
 低マグネシウム血症/甘草   森  潔
 境界型糖尿病   藤倉純二
 加齢男性性腺機能低下(LOH)症候群とPADAM   河  源
 糖尿病乳腺症   鈴木栄治
 低分子GTPaseとプレニル化   杉江知治

索  引
和文索引
欧文索引
数字索引
ギリシャ文字索引

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序文

序 文

 約100年前の20世紀初頭の1905年に,消化管ホルモンのセクレチンを発見したイギリスの生理学者E.Starlingにより,細胞間の情報伝達に作用する生体内化学物質の総称として「ホルモン」が提唱された.ホルモンとは,ギリシャ語で「興奮させる」の意味であり,標的臓器の細胞に対するホルモンの作用を巧く表現する命名である.このホルモン分泌の特殊機能を有する細胞を内分泌細胞とよび,血流を介して運搬されたホルモンが特異的に結合する受容体を発現して反応する細胞を標的細胞とよぶ.このように,内分泌細胞と標的細胞からなるホルモンを介する生体内情報伝達系が内分泌系(endocrine system)である.内分泌系は,その後の研究の発展により,血流を介してホルモンを運ぶという情報伝達様式のほかに,内分泌細胞の近傍の標的細胞に作用する傍分泌(paracrine system)や,ホルモンを分泌する内分泌細胞自身が標的細胞でもある自己分泌(autocrine system)といった様式の存在が解明されている.
 内分泌臓器としては,脳下垂体,甲状腺,副甲状腺,副腎,性腺などのようにその臓器の主機能が内分泌機能である古典的内分泌臓器や,膵臓のLangerhans島や腎臓の傍糸球体装置などのように特殊な内分泌組織を一部にもつ臓器の存在が知られていた.1970年代には多種類の視床下部ホルモンが単離同定され,1980年代にはNa利尿ペプチドファミリーやエンドセリンファミリー,一酸化窒素などが心臓血管ホルモンとして心臓や血管内皮細胞から発見された.さらに1990年代には,レプチンなどの発見により脂肪細胞が内分泌細胞であることが明らかになり,脂肪組織が最大の内分泌臓器となった.そして現在,内分泌機能は,特殊な古典的内分泌臓器が専有する機能ではなく,全身の臓器の構成細胞に備わっている機能と考えられるようになっている.この認識は,臓器別に専門分化された内科学の中で,内分泌代謝学が多臓器を基盤としてこれらを繋ぎ,全身的病態の把握を必要とする横断的・学際的領域としての特徴と意義を有することを示唆している.また,内分泌代謝学は「内科学の専門分化と統合の必要性」が提唱される中で,希薄になった学際領域を繋ぎ,横断的で,専門領域の鎹(かすがい)になる領域であることを意味している.
 100年間の内分泌代謝学の変遷をふまえ,最近の分子レベルの研究成果と診療の進歩を網羅し,その特徴と意義を正しく説明する内分泌代謝学の教科書をつくること,とくに将来性に富んだ医学生や研修医など若手医師向けの教科書を編纂することは私たちの使命であると考え,全身が内分泌代謝臓器として認識される“新時代の内分泌代謝学の教科書”の刊行を決意した.挑戦的な課題であり,予想どおり,目次作成から困難に直面したが,狭義の内分泌代謝疾患に加えて,周辺の学際領域における臓器の内分泌代謝機能とその破綻を積極的に取り上げた.病態生理を正しく理解してもらうことを最重視し,論理的で判りやすく,かつ,新情報を加え,病態理解の最前線と今後の課題を浮き彫りにし,その上で診療活動にも役立つ教科書になるよう,さまざまな試みと工夫を凝らした.
 内分泌代謝総論(1章)では,とくに内分泌代謝学に関連する再生医療,放射線障害,環境ホルモン,ゲノム・エピゲノム解析,救急医療,麻酔などを取り上げた.また,内分泌代謝疾患の救急対応を目次にまとめてリストアップし,緊急時に利用しやすいようにし,TopicやMemoを設けて教科書には記載され難い話題や項目を取り上げた.さらに,内分泌代謝学に必須の機能検査法(18章)や内分泌代謝学の症候学(19章)のほか,Appendixには血中,尿中ホルモン正常値および関連のバイオマーカー値をまとめた. 
 本書の執筆は,E. Starlingに直々の教えを受け1925年に京都に日本内分泌学会を創設した辻?寛治教授,そして三宅?儀教授,恩師の井村裕夫教授の流れを汲む京都大学内科学講座内分泌代謝内科の出身者と教室員を中心に,内科学講座の他領域,小児科,産婦人科,精神科,放射線科,核医学や,外科系の関連領域の多くの先生方にお願いした.快くご協力いただき,関係者の皆様に感謝の念で一杯である.
 20世紀から21世紀にかけての20年間の在任期間を終え,退任を迎えようとしている今,本書「最新内分泌代謝学」を発刊できる幸運と喜びは計りしれない.退任後も内分泌代謝学の学習と研究を継続して,本書の定期的な改訂を続け,本書のさらなる充実を図ることで内分泌代謝学を目指す後進の諸君に針路を示すことも,今後の私の重要な使命であると考えている.最後に,本書の編纂に格別の協力と支援を惜しまなかった荒井宏司教授,細田公則教授,診断と治療社の堀江氏,福島氏に深謝する.
 本書が,21世紀の広義の内分泌代謝学の学習,明日からの内分泌代謝疾患のよりよい診療,将来の臨床医学研究の新課題の着想,そして「内科学の専門分化と統合」の一助になることを心から願っている.

春の到来を告げる紅梅の開花を愛でながら

京都大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学教授 中尾一和